2013年7月27日土曜日

引用

      
 「わが祈り」

苦難あるとき われを護れよとは
われ祈らず
われをして 苦難を怖るることなき
者たらしめよと

これ わが祈りなり


われを救えとは
われ祈らず
われをして 艱難(かんなん)を乗り越えるに
たる力の所有者たらしめよと

これ わが祈りなり


わが重荷を軽くせよとは
われ祈らず
われをして 重荷を荷うことを得る
者たらしめよと

これ わが祈りなり


(ラビンドラナート・タゴール 「ギーターンジャリ」第4番より)


なんか気難しい文体の文章を冒頭に持ってきてしまいすみません。1年の蛭田です。feelingsまわってきたなー何書けばいいかなーと思い悩んでいた時に最も手っ取り早い解決策として思いついたのが「引用」でした。最初に引用しとけばあとはそれに乗っかった文章考えればいいだけだと思ったので。

 東京大学に入って4か月、駒場で学んだのは大目にみても「引用」の便利さぐらいだと思います。ALESAでも基礎演習でも引用については口うるさく説明され、論文で使うことを激しく奨励されました。権威ある者の言葉を引用することで自分の論の説得力を高められるとか。まあその通りだとは思うのですが、未熟な自分の場合、自分の主張ありきでそれを補強する引用を持ってくるのではなく、引用しやすそうな文章なりなんなりを見つけて、それを引用として使えるような「自分の意見」を構築する、というプロセスを踏んでいた気がします。こういう作業の積み重ねで自分の意見というものが出来上がっていくのでしょうか。楽しいから笑うのではなく笑うから楽しい、という言葉もありますし論が先か引用が先か、というのは案外どっちでもいいことかもしれませんが。いずれにしても引用することにより、自分を実際以上に知的に見せかける効用はありそうですね。


 自分は、(志望校を東大に決めた時点でア式に入ろうと決めていたのですが)最終的にア式に入るという決断をしてよかったと思っています。しかし、大学生活においてア式という道を選んだことに、気が重くなることもよくありました。その原因はサッカーに対する怖れです。自分が大学でサッカーをやっていくことへの自信の欠如、自分よりうまい人ばかりという現状への焦り、ア式に所属する選手の目標であるリーグ戦出場までの遠い道のり。それらのことを考えると、純粋にサッカーを楽しめなくなっていました。そしてゲームでは自分の実力以上のものを出したいと力み、うまくいかず、また自信をなくすという悪循環。こうした自分のサッカーに対するメンタルを変えるきっかけとなったのがタゴールのこの言葉です。ア式という自分より上の選手しかいないような環境で、Cチームに配属され、厳しい競争を闘っていかなければいけない、そんな現状を重荷に感じ、心のどこかで怖れていました。そんな中、試合で実力以上のパフォーマンスをしようと力んでしまうのは、この苦難から護られたい、救われたい、この重荷を軽減したいという心理の顕れだったのだと思います。この言葉を読んでこのことに気づき、なんか吹っ切れました。実力以上のパフォーマンスをすることで自分がCチームのレベルであるという現実から目をそらそうとするよりも、怖れずにこの現実を直視して、着実に乗り越えていこうと。そう考えると、やっぱりサッカーは楽しいし、本気でサッカーに打ち込めるア式に入ったのは最高の選択だと思えます。ぶれていた自分の思考が定まりました。
むしろ自分よりうまい人ばかりというのはサッカーの成長においてプラスですし。

 ところで、トリノ五輪金メダリストの荒川静香さんは「実力を最大限に発揮する秘訣」を聞かれたとき、こう答えたそうです。

「実は本番で最大限に力を出そうとは全く思っていませんでした。逆に、本番は最小限になっても大丈夫なくらい練習を積んだことが大事だったと思います。」


本番への臨み方に対する非常に示唆に富んだ言葉で、この言葉を胸に留めておきたいです。





 話は変わりますが、ア式ホームページのプロフィールを書く際に、自分の得意なプレーが出てこなかったのが悔しいです。まずは自分の目指すプレーヤー像を明確にもって、練習に臨んでいきたい。この夏休みの1番の目標は、自分のプレースタイルを確立することです。今週の練習ではテストなどの影響でAの選手と一緒に練習できたのがすごく刺激的でした。花嶋さんや片山さんからアドバイスをもらえたのは本当に貴重で嬉しかったです。そういった周囲の声を聞き、ビデオをみて、自分のプレーの長短を把握してこの目標を達成しようと思います。



(タゴールの著作を読んだことはまだありません、この文章は今日、本屋で立ち読みしてみつけました)


                                         1年 MF  蛭田龍之介

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