2014年4月1日火曜日

フィクションじゃありません

俺は、海賊王になりたかったし、火影になりたかったし、シャーマンキングになりたかった。

俺は、グランドラインで冒険したかったし、グリードアイランドで冒険したかった。


「なんで海賊王や火影やシャーマンキングになりたかったの。」
「そんなの決まってんだろ、カッコいいからだよ。」

「なんでグランドラインやグリードアイランドで冒険したかったの。」
「決まってんだろそんなこと。楽しそうだからだよ。」


人生の問いに対して、正解ってないですよね。
だったら、正解は人の数だけ無数にありますよね。
だったら、正解はあるものじゃなくて、作るものですよね。それを言って聞かせることですよね。


「なんで僕たちって生きてるの。」

「そりゃお前、楽しみたいからに決まってんだろ。」

「なんで関東昇格したいの。」

「それは、カッコいいからかな。」

「楽しい、それ?」

「楽しいだけではないな。つらいことも多い。」

「でも楽しむために生きてるんじゃないの?」

「・・・・・。 至上の楽しさってなんだと思う?」

「至上の楽しさ?」

「至上の喜びって言った方がしっくりくるかな。」

「?」

「何年も日の目を見なかった路傍のミュージシャンがついに認められ有名になり、いつか大ステージに立った時の喜びとか、イラクの戦地で毎日死線をくぐりぬけてきたアメリカ兵が、帰国し家族のいるあたたかなベッドの上でゆっくりと眠りに落ちていく時の喜び、とかかな。」

「どういうこと?」

「喜びの最高の調味料は、苦労だってこと。」

「そんな、料理の最高の調味料は空腹であるみたいな感じで言われても。」

「サッカーするのがつらいのって、カッコいいからだと思うんだよね。サッカーがうまいとカッコいい。関東昇格したらカッコいい。カッコいいってのは、つまり誰でもできることじゃないってこと。だからそれを成すのに苦労し、それが報われたとき至上の喜びが感じられる。」

「なるほどね。だからサッカーしてるんだ。・・・・・、でもそれってすごくリスキーだよね。」

「その通り。それも含めての苦労と、そして覚悟だからね。」


俺はサッカーが下手だった。
中1、2の頃、幸か不幸か自分の代のスタメンには入っていたけど、スタメンの中では、いやサブの奴数人と比べても俺はずっと下手だった。
試合に出るたびミスをして、チームメイトに「なんでお前が出てんの」、「いない方がいいわ」と罵られ、監督には怒られ続けた。
試合に出るのがいつも怖かった。そしてそれ以上に悔しかった。
だから死ぬ気で練習した。だれよりも練習した。

けど結果はでなかった。
中3では一つ下の奴にスタメンをとられた。
全中の2回戦、試合終了の笛が吹く中、ピッチにいる選手とは違った悔しさをベンチで味わったのを克明に覚えている。
チームメイトからは、「そんなに練習しても意味ないって。無駄無駄。」と笑われた。

死ぬほど悔しかった。だから歯を食いしばって練習した。
狂ったように練習した。
7時からの朝練、6時に行って練習した。午後練後、誰よりも遅くまで残って練習した。
家に帰ってから近くの公園で夜9時まで練習した。朝3時に起きて公園で練習することもあった。


高2の夏、選手権の東京都予選準々決勝、俺は駒沢のピッチに立っていた。

後半30分相手にゴールを決められた。俺のマーカーだった。
0-1。残り10分、大きな失点だ。
しかしなぜかはわからないが負ける気はしなかった。
終盤、怒涛の攻撃で何度もチャンスを作るが得点できずロスタイムに突入。
観客席やベンチではすでに泣き出すものいたみたいだ。
そんな中コーナーキックを獲得。時間的にこれがラストプレーだ。
俺はいつもと同じく後ろに残る位置についた。ラストプレーだから、他の味方は全員上がり中に入っている。

「来る。」そう思った。
今思い返してみてもなぜそう思えたのかまったくわからないが、しかしそれがさも当然であるかのように、自然にあたまに湧いてきた。
「こぼれ球が、俺の前に来る。」そう確信していた。本当になぜかはわからない。
そして、その確信をした後の頭は、これも何がそうさせたのか本当にわからないが、やけにクリアに冷静に働いた。まるでプログラミングされた機械のように思考が進み、とにかく上にふかさない事だけを意識して、足の振りをコンパクトにしっかり当てることだけに集中すると考えをまとめた。

はたして、CKがニアのあたりに蹴りこまれた。競り勝ったのは、敵。
そして、本当に自分のイメージ通りに目の前にボールが転がってきた。
しかし俺は、自分でもびっくりするくらい冷静だった。さっき考えた通りに、ほんとに機械のようにオートマチックに身体が動き、ボレーシュートを放った。
ボールはしっかりと良い弾道を保ってゴールにむかっていった。が、敵のDFの肩にあたり、DFの裏にこぼれる形となった。そしてそれを、FWの先輩が詰めた、ゴール。

それと同時に後半終了の笛が鳴った。

歓喜。
ピッチ上の選手、ベンチ、味方の観客席。
全員が、あらん限りの声を絞りつくして叫んだ。泣き叫ぶものもいた。隣の奴と肩を組んで跳びはねまくる奴もいた。
みんな拳を固く握りしめ、天高く掲げた。

その勢いのまま延長戦に突入。終始うちのペースだったが得点は出来ず、PK戦に突入。
不安なはずのPK戦。しかしなぜか負ける気がしなかった。
監督も蹴りたい奴が蹴れと言った。選手は笑っていた。
俺は、4番手。スコアは3-2でリード。ボールをPKスポットに置き、助走をとって敵のキーパーの顔をみる。思わず笑ってしまった。
だって、不安で不安でしょうがないって顔してるんだもん。
お世辞にも良いコースとは言えなかったが、キーパーの逆をついてゴール。
5番手の味方がゴールを決め、勝利。

勝った。

選手全員スタンドの観客席までダッシュ。応援していた仲間たちと抱き合いながら、力いっぱい叫び喜んだ。

試合が終わって、みんなと喜びを噛み締みしめている時に思った。
後半最後、あの足の一振りに今までのすべてが詰まっていたんだと。
今まで壁に向かってボールを蹴った何千、何万のキックがすべてあのキックに込められていたんだと。

至上の喜びだった。

今までの中高での苦労。自分で選んだことではあるが、つらかったことは事実だ。実るかわからないなかで、厳しい練習を重ね、不安のなか努力を積み上げてきた。
しかし、それが報われた時、今までの苦労の思い出はきらきらと輝きだし、自分のこの身体の血、肉、骨の一部となってたしかに今の自分を支えていることが感じられた。
そして今は跳びはね、はしゃぎ回り、叫んで、それを喜びとして身体中で爆発させたかった。

これが至上の喜びだ。









でも、


最上じゃない。
高2においても目標を達成してはいない。
最上の喜びを感じたい。

そしてそれは


俺だけじゃ出来ない。


今振り返ってみれば、俺が中高でしてきた努力は質や効率の面で優れていたとは言えない。
ただ量はした。だれよりも練習したという自負がある。
そして努力を重ね、俺個人としては結果を出したことが、今の俺の自信を形作っている。
努力は、練習量だけじゃない。頭を量つかって練習の質を上げることも大事だし、
それに勇気も重要なファクターだったりする。

みんなはどうだ。

努力して、結果を出して、自信をつけてくれ。
自信がないのは、努力が足りない証拠だ。
「まだまだ努力が足りないな」とかいう免罪符をfeelingsに書いてる暇があったら行動しろ。
結果の出ない努力は努力じゃない。

そしてみんなが上手くなってくれることが俺の望みだ。
俺は関東昇格したい。
でも俺だけじゃできない。
それは単なる複数人でやるスポーツだからという理由ではない。
それは俺が凡人だからだ。
俺の力では出来ないことがたくさんある。
だからみんなの力が必要だ。
チームスポーツの良い所は、個人の能力の合算以上の力をチームが発揮できるところだ。

俺は感じたいんだ。
最上の喜びを。
みんなと。


アーロン  『バカで非力で愚かな種族が人間だ!!
         海に沈んでも1人じゃ上がってこれねェ様なてめぇに何ができる!!!』


ルフィ   『何もできねェから助けてもらんだ!!!』
        『おれは剣術を使えねェんだコノヤロウ!!!』
        『航海術も持ってねェし』
        『料理も作れねェし!!』
        『うそもつけねェ』
    『おれは助けてもらわねェと生きていけねェ自信がある!!!』


新3年 副将 花嶋陽




















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