2014年8月31日日曜日

みんな飛び込んでいますよ





以下のようなジョークをご存知だろうか。


ある豪華客船が航海の最中に沈みだした。船長は乗客たちに速やかに船から脱出して海に飛び込むように、指示しなければならなかった。船長は、それぞれの外国人乗客に以下のように言った;


アメリカ人には「飛び込めばあなたは英雄ですよ」


イギリス人には「飛び込めばあなたは紳士です」


ドイツ人には「飛び込むのがこの船の規則となっています」


イタリア人には「飛び込むと女性にもてますよ」


フランス人には「飛び込まないでください」


そして日本人には・・・「みんな飛び込んでいますよ」


実にそれぞれの特性をよく表したジョークだが、日本人については、まさに会社人間的な、周囲の人々に自らの振る舞いを過剰に合わせる行動パターンが風刺されている。この行動パターンは、「個」の独立を大切にする欧米人からすると不可思議な光景としてとらえられることが多いようだ。しかし、この性質のお蔭で日本人は集団行動に優れ、組織としての力に長けていると言えよう。


東大ア式の「ア」は何を指すかというとAssociationである。初めて聞いたときは、「ん?ア式があるならイ式もあるの?じゃあどれが本物のサッカー部かわからんじゃん」などと怪しんだ覚えがあるが、「ア」は実はこの部活の歴史を示す大事なアであった。19世紀中頃それまでバラバラだったfootballの規則を統一すべくロンドンでFootball Association(FA)が設立され、そこで制定された規則で行うFootballAssociation Footballと称した。Associationの頭文字A→アを取ってア式蹴球となり、1900年代初頭の日本ではこの呼び方が主流となった。(以上イヤーブックを参考にしました)


この話を知ったときは、「ほほう、ではこの部活が、サッカーというスポーツを輸入した日本の中での先駆者の一つだったのか、」とかなり感動したものだ。そんな部活に、「組織力を生かしたサッカー」ができないはずがない。それは、プレー面でも(例えば組織的な攻撃、とか)、部活運営面でも。


実は私は日本人に興味があって、高校で論文を書かされた時、「日本人ってどんな民族?」というテーマで、欲張って多分野にわたり調査を進め、30ページを上回る作品を提出した。冒頭のジョークもその論文の中で使ったものだが、とにかくあらゆる方面から日本人を見つめ、その中で当時から好きだったサッカーの面からも迫ってみた。そのとき、今思えばこじつけのようにして、「ワールドカップで日本がベスト16まで進出できたのは日本人の特性を生かして組織的な守備ができたら、チームワークが良かったから」などと記した覚えがある。日本人の特性を生かして組織的に、つまり組織の力をフル稼働させてサッカーをするとはどういうことか??テレビの試合観戦やNumberくらいしか考える材料を持っていなかったあの時の私にとってはどこか他人事で遠い世界の問題だったけれど、この部活に縁あって入部した今となっては身近なこととしてとらえることができる。そして組織が円滑に動いていくために必要とされる努力やその難しさも感じることができる。先日まで読んでいた小説に以下のような文があった。「組織という制約は時として彼をうんざりさせた。規則の数は増えることはあっても減ることはない。しかし自分が組織から離れては生きられないことを彼は知っていた。彼は一匹狼ではない。上から指示を与えられ、その通りに動くたくさんの歯車のうちのひとつに過ぎない」…そう、組織というものは面倒なこと困難なことがつきものだ。しかし、だからこそ歯車の一つである自分が組織の中で何ができるか日々考えることが求められる。この2か月ほどはア式にとって激動の時だった。世代交代の時期にまつわるミーティング、世代交代の実施、これらの過程を通して自分の役割というものを改めて考えさせられた。


部活のマネージャーとは、女子力が高くて可愛くて、水を「ハイっ♡」て渡すだけで、そこにいるだけで選手たちを癒せるような人だけがやるものだとばかり思っていた。空手部出身で時には上段蹴りをかましかねないような女子がサッカー部のマネージャーをやるなんて誰が想像し得るだろうか、いや、普通はできない。しかし、そんな人にもできることはあるんだとこの部活は教えてくれた。ここは東大ア式蹴球部の男子部。入学当初私がしようとしていたように(女子部の選手として)、サッカーのプレーヤーとして部活に貢献することはできない。スタッフとして部活に貢献することは、単純に練習してうまくなることよりも複雑で抽象的で、その分やはり考えなければ意味がない。と同時に工夫の余地はいくらでもあってどうしたら自分がもっと貢献できるかって考えたり実践したり誰かにそれを感謝されたり評価されるのは心地いい。でもそんな自分を客観的に見てああ私ってやっぱ日本人なんだな、と思う。After all, 日本人ってのはやっぱり組織の中で勤勉に働くようにできてて、それに喜びを感じちゃうのである。


高校の時日本人についてとことん調べて日本人のことはますます好きになった。だから、自分のことはあんまり好きじゃないけど日本人としての自分のことは結構好きです、多分。


 


改革を経て、ア式の組織力はパワーアップしているはず。そう信じて、秋季リーグ戦にいざ、出陣!


 


「単位より、彼氏より、情報が欲しい」


一年 スタッフ 情報弱者 松本彩伽


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