2014年12月8日月曜日

遺すこと

 今日は非常に悔しい負け方でした。実は今日初「観戦」だったのですが、外から見るア式というのもまた、違うなと感じています。そういえば、先週でOBコーチも引退しました。矢野です。(許可はもらっています)

 最初に、4年半ア式という環境でサッカーに関わらせてもらって、本当に感謝しています。あと、OBコーチとして臨んだこの1年、降格という結果になってしまい大変申し訳ないです。来年の1部復帰、よろしくお願いします。
 もともとは自分の経験をいろいろなカテゴリーに参加することでチームに還元してほしいと言われていたこともあるし、僕自身、下のカテゴリーにいる選手にはもっと伝えたかったことがあったので、投稿させてもらうことにしました。かなり長いので、読みたいと思う方だけ読んでもらえれば。
 書いてあることを実行しろというわけではありません。そもそも、最後まで僕は平凡な選手であり続けたし、誰かのお手本になるような選手じゃない。最高学年になるまでAチームに上がれなかったのに、成功と言えるのかはわからない。さらに言えばサッカーに限らず、成功というのは特殊解で、それは参考にはなっても、一般解すなわち必ず成功するやり方ではない。それでもまぁ盗めるものは盗んでください。そのくらいのものです。
 
先に下記の内容をまとめておくと、
「自分の能力を把握し、何を活かして活躍するのかを考えて、それに向けて努力する。そのためには利用可能なものは何でも利用する。」

【自分の能力を把握する】
 はっきり言って4年間(3年半)はとても短い。全てをこれ以上なく伸ばすというのはふつう非現実的だ。そしてア式の選手のほとんどは、たいていの部分において他の1部のチームのスタメンの選手には及ばない。どうやって勝つのかを考えなければならない。まず自分に何ができて、何ができないのか。どこなら1部の相手選手に勝てるのか。どこを伸ばすのが一番効率的なのか。こういったことはまず初めに考えたほうが良い。僕の場合は攻守にオフザボールで貢献する選手が現実的であったし、少なくとも純粋に「やりたいプレー」と、勝つために選択するプレーは別だった。ドリブルからのミドルシュートでの得点に憧れていたけれど、僕の能力で勝利に最も近いのは簡単に預けて自分はゴール前に飛び込むことだった。(もちろん、ドリブルからのミドルシュートをひたすら練習するという選択肢はあったけど、自分の身体能力とボールタッチを考えたら都1部でやるにはあまりにも非現実的だと感じていた)

じゃあ、自分の能力や伸びしろを踏まえて何をするのか。

【ポジションを考える】
 まずポジションは真剣に考えた方がいい。ポジションは自分の強みを発揮できるかを大きく左右する。考えるのが難しいのなら、コーチとか他人に自分の能力についてコメントを求めてみればいい。自分の能力(長所と短所)をなるたけ客観的に把握することで、少しずつ自分が上に上がる道とポジションが見えてくると思う。僕自身は高校までMFをやっていて、ア式に入ってからFWを始めた。都1部は思っていた何倍もレベルが高かったし、ボールを触る回数が多くて、かつフィジカルコンタクトが多い中盤は無理だと思った。

【結果によって自分を成長させる】
 花嶋からも話があったかと思うけれど、次に、味方との相互理解が非常に重要である。個人で打開できない選手には特に。「こいつならこうプレーする(できる)」ということを理解し、理解されることで、格段にプレーの質は向上する。するとボールを触る回数が増えて上手くなりやすい。じゃあどうやって相互理解は達成されるのか。
 それは「結果」だ。例えば、「そこに出しても...」ってとこにパスを要求されて、でも出してみたら上手くいったのなら、「こいつならここに出して良いかも」と理解できる。これを繰り返せば確信に変わる。すなわち、相互理解は、常に結果を出すことによって実現される。例えば、矢野はこの体勢だったら蹴る瞬間に裏に走り出すから、裏に蹴ればいい、と確信を持たせれば足が遅くてもスルーパスが通ったりする。

【無意識のプレーに向き合う】
 また、自分のプレーも結果によって向上する。最初は指示やルールに従って考えてから選択するプレーでも、成功という結果を積み重ねていくことで、いつか状況反射的にそのプレーができるようになる。考える一瞬を省略することで相手より1m先に出れる。その1mが勝敗を分けることなんていくらでもある。
 一方でこの状況反射的なプレーは欠点にもなりうる。ア式を見ていると、中高やCチームで上手くやれてきた経験のためか、都1部やAチームのレベルでは好ましくないプレーでも反射的にやってしまう人が多い。そういったプレーは得てして無意識なので、そもそも自分では気付かない人も多い。だから試合のビデオや他人からのアドバイスに耳を傾けること。ところで、最近ビデオ見ている人が少なくはないでしょうか。

【人の指摘を聞くこと】
 上記の理由はもちろん、他人の意見は重要である。自分が見たものだけで下した判断というのは、最善の判断になりにくい。常に最善と思ってプレーを選択すべきだけど、他人からプレーの後に指摘されたときはしっかり聞くし、ビデオを見て反省する。
 ただ、指摘も全てが正しいわけではないし、間違っていることさえある。だとしても聞くこと。なぜか。指摘する側は、聞こうとする意思が「見える」選手には指摘し甲斐があると感じるし、そうでない人間に指摘するのは無駄に感じる。聞こうという意思が「ある」かではなく「見える」かだ。どんな人も、重要なことを言う可能性を秘めているので、聞こうとする意思が「見えない」人は、アドバイスされにくい、つまり潜在的に自分が成長する可能性を逃しているかもしれない。使えるリソースは最大限使ったほうがいい。これはこの1年で強く思いました。

【信念を持つ】
 そうやって聞いたアドバイスの内容はきちんと考える必要はあるし、可能ならば実践してみる。しかし、必ずしも聞き「入れる」必要はない。言われてもなお、自分が正しいのだと思うのならば、それを曲げてまでやることではない。でも、そのかわり結果で示せ。添田のドリブルのように。結果が出ないならば、それは改めようとしろ。あと、全部やろうとして何もできないのでは本末転倒。頭がごちゃごちゃしてくるようなら、多少聞いているふりをしてでも一つずつ消化したほうが良い。正直聞いてるふりだけでもしてほしい。

【武器を盗むということ】
他人がやっているプレーを盗むのは、自力で考えて努力して獲得するより圧倒的に効率がいい。だから身近な人からプロ、全く関係ないものだって、盗める技術は盗めばいい。僕個人であれば、佐藤寿人の攻守におけるオフザボールの動きとか立教大FW38(2年の秋季?)のプレースタイルとか。あとは訳わかんないかも知れないけど、黒子テツヤ(黒子のバスケ)とか。背後から気付かれないように寄せてつつく守備は健太郎さんにもお墨付きをもらえるような武器になったし、相手がボールを「見てしまう」タイミングで動き出すとか、全然サッカーに関係ないように見えて案外参考になったりする。想像力豊かに。成長の糧は日常生活の中にも落ちている。

【まとめ】
チームとしてやることは別にして、個人としてやることは、自分の信じることをやってほしい。でも、自分の信じることは、結果によって常に修正されてしかるべきである。だから、昔の自分が正しいと思っていたことが、今の自分にとって正しくなくてもいい。(ちなみに個人的には「正しい」=「結果が出る」)少なくとも、下のカテゴリーから這い上がってきた選手たちは、それぞれの「能力」を活かす「正しい」ポジションを見つけたり、自分が「正しい」と信じたものに向かって「能力」をひたすら鍛錬することで、結果につながる「強み」を獲得した選手だと思う。

最後に...偉そうに長々とすみませんでした。4年のリーグ戦の時に、3つ上の先輩が「矢野がスタメンとかア式も末だなあ」と言っていたらしいです。1つ上の先輩には「お前トラップできたんだ」と言われました。意図はともかく、否定する気もないし、むしろ褒め言葉として受け取っています。そう遠くない未来に「お前がスタメンとかア式も末だな」...とは言いませんが、「お前がスタメンとるとは思ってなかったな」と、そういう褒め言葉を言わせてほしいと思っています。
 
期待しています。
H26年卒 矢野

2 件のコメント:

  1. ちょっと異質な動きをする選手だなと思って見てました。
    でも、自分で考えて会得したプレーだったのですね。
    『相手がボールを「見てしまう」タイミングで動き出す』とあるのを見て、納得しました。ご苦労さまでした。

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    1. 矢野です。コメント頂きありがとうございます。

      今でもその「異質」さが本当に良かったのか考えることもありますが、
      後輩たちにはそれも含めて、考えてサッカーをしてもらいたいと思っています。

      ありがとうございました。

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