2015年5月18日月曜日

Thank you Steven! YNWA!

2015年1月1日夜、僕はリバプールのとあるホステルにいた。少しもやもやした気分だったのは言うまでもない。降格圏に沈むレスター相手にホームで勝ちきれなかったのだから。それでも2得点を決めた男の活躍が印象に残った。なにか特別な思いを秘めていたようにも感じた。そしてその夜、世界中のリバプールサポーターに衝撃が走った。

―コップのレジェンド、スティーブン・ジェラードが退団する―

ありえない。また飛ばし記事だろ。そう思った。
でも翌日には本人のコメントも発表された。受け入れがたい事実だった。たしかに今シーズンジェラードの存在感が少しずつ薄れてきているのは確かだった。けれど、あと数シーズンプレイして、ここで引退していくのだろうと根拠もなく信じていた。それだけにショックなことだった。

ジェラードは不思議な選手だ、と思う。メッシやロナウドのようにあらゆる賞を総なめにしたわけではない。それでも彼なら何かやってくれる、そういう期待を持たずにはいられない選手だ。僕自身は、イスタンブールの奇跡も、FAカップのジェラード・ファイナルもリアルタイムでは知らないのだけれど、それでも彼のプレーを見ているとやはりわくわくした。ハートは熱く、頭は冷静にいつづける選手が完ぺきな選手だとするなら、ジェラードは完ぺきだとは言えないかもしれない。ジェラードはいつも頭じゃなくてハートでプレイした。それゆえの過ちも確かに起こした。けれど完ぺきではないからこそ、その熱いプレーにファンは興奮し、チームメイトは鼓舞されたのだと思う。

彼のコメントは、リバプールでの出場は制限されるというのが実情としてある中、彼としては、まだまだ一サッカー選手としてピッチ上で戦い続けたいし、まだ自分がそのレベルだとも思っている。しかし、今のリバプールのことを考えると、そのプレーする場所はここではない。でもリバプールと戦うことは想像できない。だから海外へと挑戦する。というようなものだった。

その後にもたくさんのニュースが流れ続けた。そんな中でも年始のイングランドでは次の試合がすぐそこに迫っていた。

1月5日FAカップ3回戦ウィンブルドン戦。アウェイで行われる試合のチケット価格はプレミアがつき高騰し、代理店から38000円で買わざるを得なかったが、立ち見席で見れるいいチャンスだと思い現地観戦することにしていた。図らずも件のジェラードの発表後の初の試合ということで、さらなる注目を集める試合となっていた。
スタンドに着くとそこにいるのはガチな現地サポばかり。場所を確保して早々に“お前どっから来たんだ?”と聞かれて日本からと答えるとおじさんが歓迎の印とヒルズボロのピンバッジをくれた。試合前から熱いサポーターたちはひたすらジェラードのチャントを歌い続けていた。控え中心で臨むと思われていたが、ジェラードは先発に名を連ねていたのだ。

この試合は僕にとって一生忘れられないであろう試合となった。

4部からのジャイアントキリングを狙うウィンブルドンのゴリゴリサッカーに苦しみながらも前半にクロスからジェラードのヘディングで先制。しかしその後セットプレーからFIFA15でパワー値が全選手最高の97だというアキンフェンワ(180㎝、100㎏‼︎)に押し込まれ同点とされ折り返す。
嫌な展開の中、後半に入り約25mほどの位置からフリーキックを得ると、蹴るのはもちろんジェラード。サポーターがジェラードのチャントを叫ぶ。右足から放たれたボールは壁を越え、キーパーをあざ笑うようにゴールへと吸い込まれたのだ。

試合を通して躍動したジェラードはまるでサポーターに許しを請うているようでもあった。俺の望みはこうしてプレイし続けることなんだ、わかってくれ、と。

僕はそのプレイを見てその意思を尊重したいと思った。ベンチに座ってジョーカーとしてリバプールに居続けるより、求められる場所で心ゆくまで才能を披露し続けてほしい。おそらくロジャースも同じ考えだったからこそ、あえて直接本人と話し、自分の考えを伝えたのだろう。監督は結構人情深い人だよなと、つくづく思う。

そして先週の土曜日についにジェラードのアンフィールド最終戦となった。試合は今季の課題を象徴するような試合となってしまったが、試合後のセレモニーは感動的だった。KOPたちもジェラードのこれまでの功績、そして大きな決断とこれからの挑戦をリスペクトしている雰囲気がとても伝わってきた。だからこそのyou'll never walk alone の大合唱だったのだろう。

もうジェラードのプレイをアンフィールドで見ることはできないだろうが、これからもジェラードはリバプールのレジェンドであり続け、英雄として語り継がれていくに違いない。親から子、そのまた子へと… シャンクリーやダルグリッシュそうであるように。

僕は幸運なことにそのプレイを直接目に焼き付けることができた。しかもゴールを合計5つ(去年も一つ見ました)も見ることができた。だからこそ僕も将来彼のことを子や孫に語り継いでいきたい。
"いいか、俺はジェラードのゴールをスタジアムで見たことがあるんだ、しかも直接フリーキックだぞ。彼のプレイは最高だった" と。

Steven Gerrard is our captain!
Steven is a red!
Steven Gerrard plays for liverpool!
A scouser born and bred!


来季はヘンダーソンに期待
3年 GK 石川悠吾

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