悲観的な、あまりに悲観的な(仮)


「この試合は勝てる」幾度となくそう試算し、その甘さに気付かされたか。

「今日こそは絶対勝つ」幾度となくそう妄信し、その現実に跳ね返されたか。







約4シーズンを最前線で戦う中で見てきた様々な試行錯誤は、そのほとんどが結果を出せずシーズン半ばで同じ轍を踏むように決まった戦術に辿り着いた。しかし、その到達点も自分たちが望むほどの優位性を与えてくれない。そして、またシーズン始めには希望的観測のもと新たな戦術に向い







試合に負けるたびに自分たちの実力のなさを感じる。が、大学入学の時点で今戦っている相手とはすでに相当な差があり、それが埋まっていないだけという意味ではあまりに当然の結果。自分たちも上手く、強くなるためのトレーニングをしているが相手も同じように向上している。







まだまだ自分たちに甘さがある。もっとやらなければいけない。もちろんそれは当然なのだけれど、それだけでどうこうなるレベルではなくなってきている気がする。実力の差こそあれ自分たちのせめてもの特徴だった勤勉さや分析能力も、他チームがそこを疎かにしなくなった分、優位性が薄れてきた。







いまいち自分たちの甘さというものには気づきにくい。ワンプレーごとの局面ではそれがあるにしても大局的には「もっとやれる」という文言が宗教的なそれを含んでいるように感じてしまう。ただ、謙虚な向上心には欠けているだろう。自分たちが慶應と練習試合をするときの相手の真摯さと同じだけのそれで東都3部の相手と試合出来るかといったら自信はもてない。







長らく関東から遠ざかっている中で"関東昇格"を目標にした先輩は偉大だと思う。大学サッカー創世記とは大学サッカーの構図が大きく変わり、多分に困難な状況のなかでそれを目指そうとしたのだから。ただ、数年で100周年という歴史的な節目を迎えるチームとして再度指針を考え直すことも必要なのかもしれない。その節目の時にこのチームはどこにどのように向かっていくのか。







歴史にifはないけれど、もしそれを今シーズンで考えるとしたら、前期の初めにもう少し踏ん張れていたら何かが変わっていたかもしれない。ここまで悲観的にならずに済んだかもしれない。今季は比較的得点力が見込めると踏んでいたが、前期の初め6試合の間にその自信が失われてしまった。それも含めて実力のなさだとは思うけれど。







本気で勝利にこだわるのならば、今のようなシンプルなサッカーを続けていくしかないと思うが、やはりそこにも壁があるわけで

技術も上達させないといけない。ただ、ボール回しよりもシュート(ゴール前)や守備のポジショニングの方が優先順位が高いはず。







勉強ができるという意味では頭の良い集団だけど、それ以外ではスカウティングくらいでしか頭使って無いんじゃないかと錯覚することも。ピッチ上での"常識"の欠如は高校までの経験も関与するから足りないのはやむを得ぬとしても、もう少し伸ばせるはず。こだわりを持ち、自分自身で考え判断してプレーすれば。LBBRBの選手からも相当学べるはず。










後期になり自分たちの実力を再認識し、過信を捨てて闘ってきた。ただそれでも結果を残すには至らなかった。今後の展望も自分にはまだ見えていない。でも、"何か"をつかんで来季に繋いでいけるように。今後のア式の糧になるように。




やるからには本気でやるし、本気だからこそ本物の、得も言われぬ"楽しさ"がある。

今週はこっちから言わせてもらうよ。「さあ、楽しめるかな?」




酒井加里武

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