90分

90分。
一体その時間で何ができるであろうか。90分焼肉食べ放題、大学一コマ90分、テレビドラマ初回拡大90分、友達との90分電話… などなど。他人に1時間半のフリータイムがあったら何をするか尋ねたら様々な返答が来るであろう。

今回初めてfeelingsで文章を書くため、少し自己紹介をしたいと思う。私の名前はサーカー壽梨。インドと日本のハーフで、18年生きているうちの12年間(小学校から高校卒業まで)はインドで過ごしてきた。現在、PEAKと言う国際学部に所属している。

初めてサッカーボール自体に触れたのは3歳の時だと言ったらとても経験があると思われるであろう。だが、双子の兄と地域のサッカークラブに行ってみた際に本当に”触れた”だけであった。それからインドの学校生活では日本のような「部活」と言ったものが存在しなかったが、小・中学校では陸上をやっていた。初めは兄と一緒に短距離(100、200メートル)に励んでいたが、大会などに出た際、予選通過後の準決勝などでのスピードの落ちで体力の限界を感じ、投てき種目(円盤、槍投げ)へと移った。高校では陸上を続けながら、たまにフットサルを双子の兄の友達に混じって少しだけやっていた

東大入学後の半年間は新生活に慣れるのと、大学の課題や試験に追われ、部活やサークルなど、ましてや運動とは無縁の状態が続いた。半年を経て、やっと様々なことが落ち着いてきた頃、何かを始めたいと思った。そこで、ほぼ初心者である自分にはサッカーなど体力的に無理だろうと思いながらもサッカーをやってみたい、とア式女子部の新歓練習に参加した。とても迷ったが、先輩方の暖かい言葉と歓迎、そして母の「やってみれば」で入部を決心した。

そこから半年間、基礎から様々な練習を重ねた。日々の練習の中でゲームをしている時は、楽しいと感じたが、90分の試合をすることはとても怖かった。人生初の合宿での練習量は私にとってはかなりの追い込みだった。練習試合などは経験していたものの、なんやかんやで45分ハーフの90分フル出場は関東大学女子サッカーリーグ初戦が初めてだった。サイドハーフとしてフル出場はしたものの、技術や判断力はまだまだで、先輩たちの指示に頼りきりだった。初めは体力を、次は練習を生かす意図のあるプレーでチームに少しでも貢献を。今の自分には大口かもしれないが、公式戦で点を取ってみたいと言う気持ちが毎試合ごとに増して行く

90分。
恐怖であった90分を走りきれるようになって嬉しい。楽しい。

女子部1年 サーカー壽梨

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