ミタカリョウアシキの生態
東京大学の所有する学生宿舎のうち、 前期教養学部生が入居できるのは三鷹国際学生宿舎、 通称三鷹寮のみです。筆者が入学前に得た三鷹寮の評判は、「( 家賃が)安い代償として、(設備が)汚い、(部屋が)狭い、( 駅・大学から)遠い」というものでした。 入居する前から絶望したのを覚えています。
一般に、 大学でスポーツをやるときの選択肢であるサークルと部活のうち、 部活のほうがサークルよりも厳しく、苦労も多いとされています。 東大もその例にもれず、 部活勢はよりストイックにスポーツに取り組んでいると思われます 。その中でも、特に厳しいと筆者が入学前に耳にしたのは、 アメフト、野球、そしてサッカーつまりア式蹴球部でした。
タイトル、ここまでの流れ、 そしてこのfeelingsが部員ブログであることからお気づき でしょう。筆者は、 三鷹寮生でありながらもア式蹴球部に所属している物好きなのです 。
どうやら、今の現役部員には筆者と同族、 つまりミタカリョウアシキはいないらしい。
ので、三鷹寮ってなんかヤバそうと思っているであろう同期、 先輩方、 あるいは東大に行きたいけど諸々の都合で三鷹寮に入るしかなさそ う、 でもア式で本気でサッカーに向き合いたいと思い悩んでいる受験生 に向けて、 ミタカリョウアシキの生態について綴っていこうと思います。 最後までお付き合いいただけると幸いです。
ここでは手始めに、 筆者の時間割的に最も忙しい木曜日の動きを紹介します。
6:00 起床
熟練したミタカリョウアシキは目覚まし時計には頼らない。 体が勝手に目覚めるのである。 夜の間に飛んできた連絡などをア式やクラスのLINEグループで チェックしつつ、身支度を始める。今日は1限からだ。 テキパキ準備しないと。とりあえずシャワー浴びよう。
6:30 朝食
シャワーから上がると朝食を取る。 食べるラー油乗せ納豆卵かけご飯と作り置きしてあった厚揚げの味 噌汁を食べる。我ながらよくできている。旨い。 まぁ卵かけご飯も味噌汁もそうそう失敗するものではないが。
7:00 片付けと準備
朝食の食器を洗い、ジップロックスクリューにご飯を詰める。 1限からの日は弁当を作る余裕はないのでご飯だけ持っていく。 部屋着から練習着に着替える。そう、 ミタカリョウアシキはおしゃれな服装などしない。移動は練習着、 講義も練習着、練習はもちろん練習着、帰宅も練習着だ。
雨がバシャバシャ降っているので、梅雨うぜーと悪態をつきつつ、 その上からカッパを着る。 教科書や大雨に備えた着替えをリュックに突っ込み、準備完了だ。
7:45 出発
雨なんて関係ない。通学はチャリで確定だ。 リュックと輪行バックを掴み、 愛車のダホンrouteに飛び乗る。 こりゃ遅刻だなと思いつつチャリを飛ばす。
8:45 駒場到着
雨と風で思うようにスピードが出せなかった。 寮と駒場間は約12キロ。普段なら一時間切れるのに。 思いっきり遅刻だけど、先生が遅刻に寛容な人で良かった。 今日も1日頑張ろう。
10:25 2限開始
授業に出る。
12:10 昼休み
午前が終わった。 朝詰めてきた白ご飯と食堂で買ったおかずで昼食を済ます。 生協の白米はわりと高い気がするので、 こうやって白米だけでも持ってくると節約になるのだ。
13:00 午後の講義開始
木曜は3限と4限もある。食後の眠気に抗いつつ受講。
16:40 4限終了
今日の講義は全部おしまい。さあ、部活しに本郷へ移動しよう。 まだ雨降っとるんかいな。梅雨はよ終わらんかなぁ。 なんて思いつつ、カッパを着てチャリに飛び乗る。 駒場と本郷間もだいたい15キロ弱。人と車が多いのと、 起伏が多いので一時間強かかるけど、練習開始は18: 30だから余裕だ。
18:30 練習開始
履物をクロックスからスパイクに変え、グランドに出る。 雨の中の練習はきついけど、 試合は雨でもやるんやから言い訳にはできん。 自分の成長のために全力を尽くそう。
20:30 練習終了
練習で服はびしょ濡れ。持ってきていた着替えを使う。 洗濯物が増えてまうけど、致し方ない。雨は止む気配がないので、 三度カッパを着る。さて、これで今日も一段落。 帰ってゆっくり休もう。
ところがぎっちょん、 ミタカリョウアシキの最大の試練はここから。 本郷と寮の距離は20キロ。 まともにチャリを漕ぐと2時間はかかるだろう。まして練習後、 ロクにスピードも出せない。
ということで、チャリに飛び乗り御茶ノ水駅に向かう。 そして御茶ノ水駅で自転車をたたみ、輪行バックに入れる。そう、 部活の帰りはいつも輪行だ。 混み具合を見て快速か各停か選択する。 リュックもチャリもでかいので、 混んだ車両に乗れば他の乗客の迷惑になるため、 特に気を使って乗車する。
そうして30分かそこら電車に揺られて吉祥寺駅に到着。 チャリを展開して飛び乗る。もちろんカッパも忘れずに。 吉祥寺駅から寮までは20分弱といったぐらい。
11:00 帰宅
ようやくである。 晩飯としてフルーツグラノーラにヨーグルトをぶっかけ、 プロテインと一緒にかきこむ。シャワーを浴び、昼の食器を洗い、 明日のご飯を炊飯器にセットする。
11:45 就寝
今日は日付が変わる前に寝られた。明日は午前中時間があるし、 たまった洗濯しないと、なんてことを考えつつ泥のように眠る。 今日も一日おつかれさん。
とまあ、こんな感じの一日を送っています。ね、普通でしょ?
ということで、三鷹寮しか選択肢がないけど、 ア式に入りたいと思っているそこのあなた! なにも恐れることはありません。 筆者と一緒に充実したミタカリョウアシキライフを送りましょう。
それから、同期や先輩方。 三鷹寮がヤバイところだという認識を改める一つの機会になったで しょうか。もしなったなら書いた価値があったというものです。
勉強も、サッカーも、三鷹寮も、全部貫いてやるさ。 諦めてたまるかよ。
網戸の無い夏の生活に今からだいぶビビってます
一年 大田楓
コメント
コメントを投稿