ア式人生
4年 石田舞美
「私なりの4年間でした。」
こんなありきたりな言葉で4年間がまとまってしまうのはとても悲しいけど、
実際、それ以上でもそれ以下でもない4年間。
振り返ると本当にこれに尽きる、
「私なりの4年間」であり、長いようで短い「ア式人生」だった。
続々と同期の卒部feelingsが出て、なんて文才に溢れた人たちなんだと感嘆していたのも束の間、自分の番が回ってきてしまったのでしぶしぶiPhoneのメモ機能に書き始めてみた。
とりあえず、遅延してしまってごめんなさい。
毎年、この時期になると読める4年生が綴る最後のfeelingsが楽しみだった。
回想される思い出から、初めて知る想いや葛藤に驚き、悩んだ末に導き出された答えと熱いメッセージを受け取ると、果たして自分は4年生になった時にこんなに良い文章を書けるだろうかと毎回不安になっていた。そんなこんなで毎度心を動かされていたら、もう私も卒部feelinsを書く側、そんな時期になってしまった。
引退して2ヶ月が経つと、ア式について考える時間はガクンと減るもので、もはや自分がア式部員だったことさえ幻のように思えてくる。
きっと、社会人になったらア式が更に遠い存在になってしまいそうだから、この場を借りて振り返ってみたいと思う。
「東京大学運動会ア式蹴球部」に石田舞美が存在していたことをちょっとでも形にして残しておきたい。
と意気込んでみたはいいものの、
悲しいことに、外部の人間になってから客観的に自分のア式人生を振り返ってみると、ちょっと浮き沈みのあるくらいで、ごくごく平凡な部活生活であり、大した功績もなく結果的に何の成果も残せていなかったように思う。
すごくすごく申し訳ないし、不甲斐ない思いでいっぱいだ。
私の尊敬する同期スタッフのfeelingsでは自分の存在意義について自信がなかったという文章があったが、そのスタッフは私から見たら誰よりもア式に必要な存在だったし、私が部員と名乗るのが申し訳なくなるくらい素晴らしいスタッフだった。
本当に同期スタッフは全員、私の自慢でしかない。
一方私は、与えるより与えられたものの方が大きすぎて、後輩に胸を張って語れることはあまり、というよりほとんど思いつかない。
それに、書き始めてみると、伝えたい想いを言葉にするのは思ったよりも難しいもので、そこは東大生に任せてみようと思う。
きっと、今後のア式生活や人生でタメになる話は同期達が沢山卒部feelingsとして世に送り出してくれると思うから、私はただひたすら、感謝するべき人にこの場を借りて感謝を伝えたいと思う。
まず、
大好きな同期、
最初は挨拶するのにも一苦労で、打ち解けるまでにかなり時間がかかったよね笑
私だけ違う大学だから疎外感を感じるかもという入部前の不安は、みんなのおかげで1ミリも感じませんでした。
手を振ったら恥ずかしそうにちょっとだけ振り返してくれるみんなが大好きで、最後まで穏やかで優しいみんなの同期になれて本当に幸せでした。
お世話になった先輩方、
まだ部活に慣れない時にたくさん話しかけて下さった先輩方のおかげで、最後までア式を辞めずに続ける事ができました。ほぼ命綱でした。
クセが強くて個性に溢れてる先輩が多かったように思いますが、サッカーしてる姿は1番かっこよくて、試合を観れる日曜日が本当に楽しみだったのを今でも覚えています。
いつまでも尊敬が止まない、憧れの先輩方です。
可愛い後輩のみんな、
ちょっと、いや、かなり生意気な後輩もいた気がするけど、たまに頼りにしてくれるのがすごく嬉しくて、後輩ができたことがモチベーションにもなっていました。頼れる先輩ではなかったと思うけど、たくさん話しかけてくれてありがとう。これからのア式を、よろしくお願いします。みんなならきっと大丈夫!
側で支えてくれたみんな、
ア式から離れたくなるくらいつらい時に、ア式のことを忘れさせてくれたり、時には真剣に相談にも乗ってくれて本当に本当にありがとう。ア式ではない日々を一緒に過ごしてくれたみんながいたから、ア式部員でい続けることができました。
大好きな同期スタッフ、
みんなとの沢山の思い出がありすぎて、どの瞬間を振り返っても昨日の事のように語れる自信があります。笑
優秀だから、という理由だけではなくて、5人それぞれが人として尊敬できる部分が多いからこそ学ぶことが沢山あって、ひたすら、みんなの同期であることが誇りでした。
みんなと過ごしたア式での時間が、心から大切な宝物であり、何よりの財産です。
そしてこれはあくまでも私の自論ですが、
優れた集団の中にも必ず凡人の存在は必要不可欠だと思っていて、
才能があって、秀でた人達はみんなそれぞれ優れているからこその悩みを抱え込んで、疲れてしまう時があったと思います。私には想像もできない程のことを沢山考えて、動いて、みんなを導いてくれて、本当にありがとう。
そこで私は、そんなみんなの心の拠り所になれるようにいつも過ごしてきたつもりだ。凡人なりに、自分のポテンシャルは自分が1番よく分かっているから。頼りにされている人を支える、少しだけでも心が休まるような、そんな存在でありたかった。
最終的に、それが私なりのア式との向き合い方になったと思う。
4年間という短い時間の中で、私にア式との向き合い方を、存在意義を、役割を与えてくれたのも結局、同期スタッフのみんなだった。
私の「ア式人生」を作り上げてくれてありがとう。
感謝してもしきれません。
ここまで書いてきて、ふと思った。
辞めたいと思ったことは数え切れないほどあったけど、結局辞めなかったのは、辞めることが出来なかったのは、大好きな人達がいたからだ。
もっと言えば、大好きな人達と過ごした大切な瞬間があったからだ。
私には好きな言葉がある。
「全てが必要な瞬間で、その積み重ねが自分となり、人生となる」
間違いない。
ア式での日々は全てが必要な瞬間だった。
その積み重ねで、小さな人生だった。
部活に入ると決めたあの日から、何もかもが新鮮で楽しかった練習も、辞めたいと思ったあの日も、死ぬほど嬉しかったゴールの瞬間も、モチベーションを失った日々も。
私の「ア式人生」となった瞬間たちは、良かったことも悪かったことも全部含めて、私さえも作り上げてくれたのだろう。
他人から見たら、きっとありふれた大学生活だったかもしれないけど、私なりにア式部員として過ごせた4年間は一生の誇りで、素晴らしいア式人生でした。
本当にありがとうございました。
みんなのア式人生が、
少しでも輝かしいものになりますように。
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