結局メンタル

河島誠二郎(1年/FW/広島大学附属高校)

 

 

ア式に入っての約半年を振り返ろうと思う。

4月、ア式に入った。週に６回人工芝でプレーできることを知った。フィジコやテクニカル、サッカーにすごく詳しいコーチがいることを知った。この環境なら絶対に上手くなれると思った。

新入生練習が始まった。全員うまかった。少し驚いた。目立ってAチームに一番に行きたいと思った。頑張らないとダメだと思った。

5月、Aチームに呼ばれた。嬉しかった。生陵平さんは思ったよりデカかった。初めて4年生とご飯を食べにいった。流石に緊張した。初めての試合でそこそこ活躍できた。自分もやれると思った。練習ではなかなか上手くいかなかった。自信がなくなっていた。早く公式戦にからみたいと思ったけど少し厳しいなと思った。

なんか出られた。なんか使ってもらえた。そこそこ活躍できた。自分に自信がついた。そのおかげで練習でもやりたいことが少しずつできるようになった。結局メンタルが全てだと思った。

6月、首位の相手に対して効果的な守備をし、フル出場して、全員に褒めてもらった。嬉しかった。でも攻撃では何もできなかった。次こそは攻撃で活躍したいと思った。まだ自分が出てから勝てていなかった。

 

上智戦、２点取れた。しかも２－1で勝った。上手くいった。勝利給として陵平さんが１万くれた。先輩たちとそのお金でコンビニにいった。2000円余った。コンビニで１万は使えないことを知った。

7月、骨折した。足首が見たことない形をしていた。終わったと思った。緊急外来で全治半年と言われた。7、8、9、10、11、12。何回も数えたけど今年はプレーできなかった。絶望した。せっかくいい感じで来ていたのにと思った。初めて入院した。痛み止めの副作用で、自分で尿が出せなかった。どんなところに副作用が現れてんのと思った。ちなみに尿道に針みたいなのをさして尿を出した。もちろん激痛だった。暇だった。辛かった。何もやる気が起きなかった。リハビリがしんどかった。

8月、リハビリしかしなかった。ボールを蹴れることが羨ましかった。あとこれを6ヶ月繰り返すのかと思った。朝鮮に引き分けたことで関東昇格がだいぶ厳しくなった。中には泣くほど悔しがっている選手もいた。そこに関われていない自分が悔しかった。自分は出ていないからそこまで悔しくないことも悔しかった。今年はこんな感じで一年過ごすのかと思った。落ち込んだ。

 

なんか２ヶ月で治った。めっちゃ早かった。完治した。３分の1になった。最速だった。研究対象になるかもしれない。

待ちに待った復帰戦で１点取れた。しかも１－0で勝った。みんな褒めてくれた。嬉しかった。

10月、おそらくインフルで試合に出た。負けた。もちろん活躍もできなかった。最悪だった。あとの一週間、疲労がひどくて日常生活もきつかった。最終節、全く活躍できなかった。途中交代だった。初めての途中交代だった。悔しかった。最終節活躍して勝って4年生の引退を迎えるはずだった。上手くいかなかった。4年生は全員いい人で今までの引退の中で一番寂しかった。

11月、全然上手くいかなくなった。言い訳が増えた。スタメンじゃなくなった。悔しかった。監督が変わった。練習のルールが複雑になった。どうやったら一点入るのかわからないことがあった。時々ゴールが4つあった。びっくりした。

 

 

この半年を振り返ると、いきなりAチームに参加できたり、試合に出られたり、活躍したり、怪我したり、入院したり、試合に出られず悔しい思いをしたり、4年生が引退したり、勝てなかったり、勝てたり、ベンチになったり、監督が変わったりと人より多くのことを経験できたと思う。

自分の目標はア式４年間で１００ゴールだけど昨シーズンで３点、今シーズンで４点と残り93点ある。

この一年目の経験から得た学びは、いいプレーができるときは自信があって、いいプレーができない時は、気持ちが足りなかったりする時だということだ。

結局メンタル。

この言葉を今後いい時も悪い時も信じて、引退するまでにこの目標を必ず達成したいと思う。