オフィシャルウェブマガジン vol.1

森川かの子(1年/テクニカル/湘南高校) 


まずは今シーズンここまでを振り返って率直な感想はいかがですか?」
A: ななすりっぷはちげらっぷ、といったところでしょうか。

「やはり新天地での経験というのは得るものが大きい?」
B: 実際は七転びと言えるほどまだ経験を積んでないので、字義通りの紆余曲折はしてないかもしれません。ただ高3の時にばったり出会ったこのキャッチーな言い回しをかなり気に入っていて、たぶん言いたかっただけだと思います。
A: 図星です。

「入部に至るまではたくさんの選択肢があったかと思いますが?」
A: そうかもしれないし、そうじゃないかもしれないです。実際めっちゃ迷ったし、違う道も容易に想像できます。ただ私って初志貫徹が大好きなので、受験期になんとなく思い描いていた未来を手にした感じです。フォゥ!なんかかっこいい!
B: ちなみにア式じゃなかったらオシャンな音楽系サークルでオシャンな女になってたと思います。それはそれで見てみたいでしょ。ね。

「受験生時代には入部を決めていた?」
A: 決めていたって程ではないですね。とはいえモチベーションではありました。 大学生になったらやりたいこと、みたいなのを受験期に書いてて、それの結構上の方にア式の文字は刻まれてます。きゃわちいですね!





〜回想録〜
きっかけに憶えはない。ただ私はベールに包まれて直視できない事実にそこそこの愛着がある。想像、妄想、回想、予想。何れの手段を以てしても掴めない、されど現実には存在していたはずのア式と出会った瞬間が、煩わしく脳内の引き出しに閉じこもったまま姿を見せない。それが能動的なものだったか受動的なものだったかさえも。

テクニカルスタッフ。

響きがいいとかなんだとか、過去の自分はそんなことを言いそうである。だとしたらだいぶ無責任だが、一つ確かなことは「本気でサッカーを勉強したい」という欲望によく似た希望、即ち現在まで続くモチベーションなるものは、記憶の彼方から既に始まっていたということだった。



「なぜテクニカルに?」
B: 大学生になったら本気でサッカーを勉強したかったからですね。これよく聞かれるんですけど、世話はウェルダンまで焼かれる派なのでマネさんの優しさはいつ何時も憧れの対象・客体であって、今までサッカー部に所属した経験も何もなく、まあ見てお判りだと思いますがプレー経験も皆無です。なので大学でサッカーを学びつつ組織に関わるとすれば、私にとってはテクニカル一択でした。
A: チームのためにとか勝利に貢献するとか、それは私にとっては後付けで。やっぱり一番は、自分の唯一の趣味とも言えるサッカー観戦を自分で乗り越える努力をしたいと思ったこと。そのためには独りよがりじゃなくて、誰かに教えてもらって、かつ自分の目で現場を見て、というのが必要だと考えたんです。
B: エゴ丸出しだけど、それが時を経てチームへの貢献に繋がったら、これほど素敵な話はないと思ってます。まだまだ全然サッカーのことわかってないし、自分の中でサッカー観とかは備わってない状態です。かっちょわるいけど、手探りに手探りしてます。
A: ちなみに部活なにやってたと思います?知らない人向けクイズです。

「ところで、なんでインタビュー形式なんですか?」
A: インタビュー受けてみたいからです。

「1人でいいと思いますが?」
A: 私と
B: 私が
A: 対話した方が、なんか読みやすくないですか?特に棲み分けはしてないんですけど、ほら12th(セレッソのオフィシャルマガジン)とか読んでても、1人のときよりチームメイトと対談してる時の方がいい具合に緊張が解けてる感じがしていい感じ!って思う。とにかく、みんなに読んでほしいから。(13字)が模範解答です。完答お願いします。部分点はあげません。





〜回想録〜
2024年3月27日。水曜日。切れかけのパスポートをなんとか更新し、帰宅した私はまだ新品の匂いを纏ったMacBookを慣れない手つきで操作した。右上の時計に目を遣る。時間はまだある。zoomを開き、手順不明瞭。仕方なく、ズーム 名前 変え方、その文字列を検索エンジンにかける。結果として上手いこといった。森川かの子はどこをどう見てもミヤビな女性名詞である。サッカーを愛する世界に於いて、とにかく女たるものにアンチはつきものであり、いつまでもジェンダーマイノリティであり、斯くの如く自分も当該者という意識を忘れたわけではなかった。こやつ、案外ネガティブである。つまり自意識がスピルオーバーした結果、オンライン上で過度に目立ちたくなかった私はズームの名前をk.morikawaに変更したというわけだった。これで、テクのオンライン説明会を上手に傍聴できる。そう安心していた。始まりはここである。本当のスタートラインは、紛れもなくこの瞬間だった。
自ら転がり込んできた。自ら転びにきた。
そんな自分が、今はポジティブに思われて仕方ない。



「入学までのオフシーズンはどのように過ごしましたか?」
A: 浪人しても、受かった確証なんて得られるもんじゃなかったです。期待したら負けだと思ってたので、受験が終わってから合格発表までずっと、部活とかサークルとかを調べられずにいました。逆に現役の時の方が割と吹っ切れていたというか、吹っ切れざるを得なかったというか。
B:高3秋に轟く体育祭のために所謂勝負の夏休みを丸ごと準備に溶かし、愛するクラブはルヴァン杯決勝まで進み、世界はW杯に揺れ、情けないくらいに4年制高校を謳歌してしまいました。あせあせ。
A: 流石にアディショナルタイム1年を過ごした後の合否照会のボタンは重くて、1時間押せないまま最後は母に見てもらいました。なんかよく現役っぽいって言われるんですけど、俗に言う浪人の深みを私から感じないんですかね?こういう泥臭いプレーもちゃんと評価してほしいです。

「3月末にはテクの説明会に?」
B: 紛れもなく、一番最初に参加した新歓です。身元を隠すために万全の準備をしたのに、開始後間も無く自己紹介コーナーが始まってガチでぶったまげました。しかも誰も憶えてないと思うけど、何人かいたのに私がトップバッターでもっとぶったまげました。強い意志でオフを守り続けたカメラの裏、涙目のまま焦り散らかしてたのを、鮮明に憶えています!横田さん!
A: 逆にそれ以外ほとんど記憶になくて本当にどうしよう。ただ、好きな選手に軍曹セルゲイミリンコビッチサビッチの名を挙げた瞬間、横田さんのセリエ愛が見えて、ちょっと嬉しかったです。今までにない感覚を覚えました。ちょっと嬉しかったです。
B: 結局、その日からテント列で改めてア式のお兄さんお姉さんたちにご対面するまで、四六時中頭から離れませんでした。




〜回想録〜
脳内を、思考回路を占有されている。どんな未来が見えるのか。私に戦術眼なんてものはなかった。コンタクトレンズが欲しい。めっちゃ度強いやつ。高1からずっと、同じ目をつけてた。何も変わらない。そう思って眼科に行ったけど、処方医が非常勤なら先に言ってほしかった。全ての行動に意味を見出さないと意味がない。そういう人間である。仕方なく目薬だけを大量にもらって帰ってきた。花粉だけが天降る。無論、帰り道、デイドリーマー。全部、全部考えた。私が食らいついていける場所だとは到底思えない。環境も人も全部恵まれている。その恵まれている環境も人も全部、私には恵まれ過ぎているように感じた。まだまだ遠い存在だった。


「そろそろ入部の決め手を教えてもらっていいですか?」
A: サーオリの流れでそのまま農グラに連れてきてもらったことが一番大きかったです。それまでずっと自分の中で架空に等しかった東京大学ア式蹴球部のフィールドが目の前に広がっていて、心揺さぶられる感覚がありました。想像してた以上にクオリティが高くて、いつまでも見ていられるくらい楽しそうで。
B: ここにきてやっとア式が私を包含する世界線は具体性を帯びてきました。その後リーグ戦を御殿下で何度か観て、90分があっという間に過ぎていく熱狂の空間にじわじわと居心地の良さを覚えた感じです。最終的には、入るかまだ決めてないと言いつつハンコを筆箱に隠し持って部室にお邪魔したあの日に、しっかり入部届を出して帰ってきたということになります。
A: 主務のところにも自分の名前を堂々と書き込むヘッポコムーブをいきなりかましてしまったので、2枚目を提出しました。

「ここまで触れられていないですが、週末の公式戦とセレッソ大阪の試合観戦を天秤にかけて迷っていたと聞きました。」
A: それはそれはもう、それはそれは迷いました。ここまで触れてきませんでしたが、これが一番お悩みの種でした。なんなら今でもチラつくことはあります。かなり、正直言えば。
B: いやチラつくどころかまだ脳内はピンクピンクしてます。でも満開の桜の背景には淡青の空がよく映えるように、ア式も生活の一部になりました。日曜日の公式戦と重なって行けない試合もないことは決してないんですけど、私に気を遣っているのか偶然にもその試合の勝率は

「セレッソ大阪との馴れ初めは?」
A: これたぶんよく聞かれる質問ランク優勝筆頭候補ですね。生まれも育ちも神奈川県なので、偶然の産物、あるいは運命の巡り合わせとお答えしています。
B: と答えて謎多き女を演出したいところなのですが、せっかく独占インタビューしていただいてるので真面目に答えましょうと。簡単に言えば、人生で初めて観に行ったのは味スタで、FC東京とセレッソ大阪の一戦でした。確か小学校2年生だったか3年生だったかと思います。当時トップチーム昇格1年目の南野拓実による先制、そして直後の移籍市場でFC東京からセレッソに加入することになる長谷川アーリアジャスールの同点弾で試合は再びイーブンに。1-1で終わるかと思われた試合終了間際、桜の守護神キムジンヒョンからのゴールキックをそのままゴールに流し込んだのは柿谷曜一朗でした。
A: 人生初めての試合でここまでのドラマを目の当たりにしてしまえば、それはもう運命そのものです。あの試合で、あのピッチに、あの選手たちが立っていなかったら、私はおそらく継続してサッカーを観ることもなければ、ア式など無縁の存在、このような文章を書くことさえもなく、熱中するものも何もないまま全く別の人生を歩んでいたに違いありません。当時セレッソにかなりのタレントが揃っていたことも、私からしたらもはや仕合わせなのです。
B: つまり何が言いたいかと言うと、1ホモサピがサッカーに夢中になれるかどうかは偶然に任され、一度夢中になればその先の没頭は必然でありうるということです。偶然の運命。運命は必然だと思いますか?難しいところです。きっかけが勝負の結果であろうと、ひと試合の物語であろうと、国際大会の熱狂であろうと土地に根ざしたコミュニティであろうとルックスの崇拝であろうと名将の思惑であろうと、全てはたまたま巡り合ったものではないかと思います。もちろんそれは観る専の糸口であって、サッカーという競技そのものに身体を動かせる場合はまた別の話です。だから私は、ほんの10数年前、東京にある数少ないスタジアムのうちの1つの中で、そのような試合から目を逸らせない状況にあったことを、たまたま運命の巡り合わせで、と表現します。

「深くなってしまいましたね。」
A: いやぁ私としたことが。浅はかに軽やかに答えようとしていたのに。

「海外サッカーはいかほどに?」
B: こっちはこっちでドラマがあります。VTRどうぞ。




〜回想録〜
いつだったか、世界を目にした瞬間があった。それは此処から遠く離れた南欧の、眩く、活気溢れた街のこと。私にとって初めての世界はイタリアにあった。我が未踏の地。ただ私は、液晶を挟んで向こう側の世界に紡ぎ出される美しい、それはそれは美しい思想の実現に惹きつけられてしまった。
無数のトライアングルが語りかける幾何学。歯車の如く共有された戦術理解。撹乱、眩暈、ズレを生む相手有きのチームスポーツ。マウリツィオ・サッリは、至高のフットボールを、精緻たるカルチョを堂々と世界に見せつけた。
彼のくゆらす紫煙は天高く。
世界一美しいと謳われたサッリボールは、私を世界へと連れ出した。此方は誘われるがままに。


「なかなか幻想的です。」
A: 何と言うか、人間像そのものにロマンがあるんですよね。一見するとどこにでもいそうな眼鏡の喫煙家が、美術品のような生き物のようなサッカーを造り、サッカーに命を吹き込む戦術家であるというこのギャップ感もたまらないです。
B: セリエは対戦相手のカラーも本当に多様で、それでも目指すものの芯は変えずに自分たちを表現して相手を翻弄し続ける。あの瞬間にサッリが指揮をとって、あの瞬間にあの選手たちが揃っていたことも、これまた偶然か必然か、哲学的な問いに目が覚めてしまいます。私がサッカーの戦術に目を向けるようになったきっかけは紛れもなくサッリナポリです。
A: それまで自分の中で思ってた戦術って、意味合いとしてはただの戦い方として設置されたビジョンに過ぎませんでした。でもサッリナポリは、全員が戦術を共有して落とし込んで理解してゴールに向かっていくフィニッシュは個の精度にある程度任される部分があったとしても例えば弛みないパス交換だったり気の利いたレイオフの連続だったり、フィールドに立つ者が皆同じ羅針盤と地図を持って動いているのが素人目に見ても分かります。もちろん攻撃だけじゃなくて、むしろ守備も味わい深いです。お行儀の良いラインコントロール、繊細な立ち位置、涵養されたゾーンディフェンス。上品でコンパクトな守備に職人の気質が見えてきて、流石イタリアの漢、元銀行員の真面目さというか、誠実さがありますね。本当に360度どこから眺めても飽き足りない地球儀のようなロマンを感じるのです。自分たちのチームがある。相手のチームもいる。そうして成り立つ集団の秩序に夢中になりました。

「サッリナポリの中で好きな選手は?」
B: これ今のセレッソと同じで、チーム全体が良すぎて誰か1人を決められないんですよね。本当に面白くない答えになっちゃうんですけど、正解は(決めらんない)でした。誰ひとり欠けてはいけないというか。桜の戦士は選手もスタッフも雰囲気もひっくるめて全部まるごと愛しいです。サッリナポリも、あのチームで造り上げるもの、生み出されるものは全てかけがえない。チームスポーツの醍醐味ですね!
A: 違いを挙げるならば、セレッソならこの先もずっと続いていく。ずっと変わらない熱量か、あるいは上昇していく熱量で愛せること。対してサッリナポリは以降もろともクラシックであり、時が経てば立つほど熟成されていくということです。そう考えると、今はそれぞれの道を歩んでいる当時の選手たちをふと思いがけず見かけるとかなりテンション爆上がりします。
B: 例えば最近だと、ユーロを観ていたらスロバキアベンチが一瞬抜かれて。そのとき他でもないハムシクの姿が見えて久しぶりにヒィヒィ言ってました。テク1年のLINEぐるで、えまってハムシクベンチいる?ハムシク!絶対ハムシクだ!!ハムシクコーチ涙すぎ!!といった調子で大騒ぎしてたんですけど、彼らはベルギーへの案じに忙しいようでした。もうちょい構ってくれ。

「海外サッカーで好きな選手は?」
A: いっぱいいるけど、これだったら答えられます。まず挙げたいのはセルゲイミリンコビッチサビッチですね。さっきもちらっと触れたけど、長らくラツィオに君臨しイタリアを席巻した大軍曹。なんかもう彼とサッリのコラボは鼻血すぎました。当方、日本代表ユニは持ってないのにセルビアユニを愛用しています。ナショナリズムどこいった。サウジに行ってしまったときは立ち直るのに相当時間がかかりましたが、まあでも彼が選んだ道ならと腹を括りましょう。これ以上話すと間延びしてしまいそうなので推せるポイントとかはぐっと抑えて黙ります。直接聞いてください。
B: あとアーロンクレスウェルも。最近だとケガしてたり退団の噂があったりと起伏大きめですが、まだ私が海外サッカーを観始めて間もない頃、他でもなくその正確無比な左足のキックに心奪われました。私って本当に単純なんで、やっぱり華やかな武器は目につきますよね。世界には守備面に関しても幅広い武器を持つサイドバックのスター選手が他にもたくさんいらっしゃることかと存じますが、なんせ初めて注目したくなったサイドバックで、超攻撃的と言いつつたまに見せるベテランの落ち着きが美味しいし、なんかウェストハム一筋なのも素敵だし、なんかクイズ強いし、なんかELで2回退場するし、その過去の悔しさを晴らすフライブルク戦のゴールで泣かせにくるし、なんか新居を構えようとしたらリスの保護のために工事を中止されるし、なんか、なんか応援したくなりませんか?
A: 長年インスタのフォロリク送ってるんですけどね。鍵垢なんですよね。

「そろそろア式の話に戻りましょうか、」
A: そうですね。自分語りになったところで思いっきり読者が減った気がします。ここまで読んでくれてありがとう。




〜回想録〜
熱量だけでサッカーを観てきた。火力だけでスタジアムを愛した。少し遅れて、遠境の美学に息を呑んだ。
やがて、ア式を知り、思い知った。
せっかくの発言権も、私にはぶかぶかで着こなせない。そんなに御洒落じゃない。
妙味の裏に、もどかしさがある。


「改めて、テクニカルとしての生活はどうですか?」
B: 生活だけで言うんだったら、だいぶ夜型になりました。おうちが遠いので、神奈川県の北部と東京都の南部を溶接しましょう。直通電車を3倍速にして3分の1の運賃で乗れるようにしたいと思います。冗談めかしたシリアスな計画は置いといて、毎日とーても楽しく過ごしています^^
A: テク部屋で、グラウンドで、何気なくサッカーの話をする時間がだいすきです。あと、女子部屋で練習前後におしゃべるのもだいすきです。同期も先輩もみんな優しくて面白くて、はんぱないです。よかったです本当に。あまりにも恵まれてます。
B: 練習も見てて飽きないし、見てるだけでも得られるものがすごくすごく大きいなと。ただ見れば見るほど、考えれば考えるほど、自分の力不足に直面するのは事実です。知らないことばっかり知って、考え方によってはそれが楽しいんですけど、何と言うか。最初はサッカーを勉強したいっていうエゴい欲望からこの界隈に迷い込んできたのに、だんだんとア式に愛着が湧いてきて、それが能力値や経験値の不足をもどかしく思わせてくる。
A: こう見えてなのか見た通りなのか、根は結構真面目なので、新しい経験に足を踏み込むのをめっちゃ躊躇するタイプです。までもその心配性が功を奏して上手いこと自己と向き合う養成期間になったらそれはそれでいいと思ってます。それまでは少し、奥手なヤツを全うするつもりです。努力します。

「くれぐれもガンバらないように頑張りましょう。」
B: いやもうほんとになにがやばいって言語化の力が致命的で、話したことある方なら日常的にひしひしと感じられると思うんですけど、もう語彙力が皆無なんです。褒める時も、すごーぅい!とか、いいいいなー!とか、その程度の語彙しか出てこなくて、適当に喋ってるでしょってことを、おそらく皆さんが想像している以上に頻繁に言われます。不運なことに、今まで私はその適当な語彙の裏にある複雑で繊細な感想が声のトーンやら絵文字やらで全て伝わっているに違いないという謎の自信に甘えて生きてきたので、直す、あるいは治すことなくここまできてしまいました。
A: せっかく深いフットボール造詣に加え言語化も上手な方々が近くにいる環境なので、吸収できるものは吸えるだけ吸って欲張って、せめてサッカーの話だけは、見て感じたことを的確に言葉にできるようになりたいです。切実に。

「テクの活動以外だと?」
A: 少し高いところから観るサッカーも素敵ですけど、がむしゃらに応援するのも楽しくて仕方ないです。我が軍にはプロ級コルリがいるので、毎試合ホームでもアウェイでも相手を圧倒する応援は爽快感すごい。双青戦やばかったです。私は応援ユニットを立派なウルトラスだと思っています。よろしくお願いします。
B: あと、4年間の裏目標として、サッカー上手くなるってのもあります。今のところ止める蹴るもままならない状況で、右に蹴ると高確率で左に飛んでく暴発や、相手どころか自分の意表さえ突くプレーが大の得意。双青戦の余興で開催したスタッフ戦ではストライカーという立場を任せていただいたのにもかかわらず、ボールタッチはたまたまゴールに背を向けて右足にかすった1回、私はこれをポストプレーと呼んでおりますが、得点に結び付けられなかったことを深く反省しております。でも私はゴール前をかき回してスペースを作ったり埋めたりしたかっただけであって、大変申し訳しかございません。最終目標はドライブシュートを蹴れるようになることです。応援よろしくお願いします。
A: 特ににしきさんとはまた得点王争いができることを全力で楽しみにしています。対戦よろしくお願いします(大声)

「そんなこんなでお時間が近づいてまいりました。最後に、ファン・サポーターの皆様に熱い、熱すぎるメッセージをお願いします。」
A: はい!ファン・サポーターの皆様改めここまで読んでくださったあなた!そこのあなたに!感謝の気持ちでいっぱいです。途中読み飛ばしてここだけ読んでる方の割合はどれくらいでしょうか?その度胸きらいじゃないです(小声)
B: まだまだ始まったばかりなので、ここからいろんな経験を積んでいけるかなと。たくさん迷惑をかけてしまうかもしれませんが、やがてはその全てを埋め合わせすべく、パワフルに励んでいきたいと思います。ア式の力になれますように!ムーブメンタル、ムーブメンタル。






















〜編集後記〜



それとも君は、
僕の話が嘘っぱちだと云うのじゃあるまいね。





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