個性なんてくそくらえ
美川敬(2年/FW/濟々黌高等学校) 「自分って、いったい何者なのだろうか。」 「個性ってなんだろう。」 この問いに、とてつもない不安を覚えるのは自分だけだろうか。 大学に入学するまでは、周りと同じように成長すれば次第点だった。 その中で少しでも秀でていれば、いろんな人から、これでもかってくらいに褒めちぎられた。 それが自分のアイデンティティだと思っていた。 だけど、大学はそんな甘い世界じゃなかった。 誰も褒めてくれない。いや、それ以上に周りのレベルが高すぎた。 追いつくなんて到底無理。勉強も、それ以外も。 初めての挫折だった。 そして、その事実を自覚した時、あの問いが脳裏によぎるのだ。 自分って何者? 自分の個性って何? だから、その問いから逃げるために、とにかく色んなことに没頭した。 サークルには20個くらい顔を出し、バイトもありえないくらいの掛け持ちをした。 カレンダーに空白の時間ができるのが怖くて、一日に何個も予定を詰め込んだ。 多分、全国の大学生の中で、一番遊んでいたと思う。 とにかく考えたくなかった。 目の前の楽しさに夢中になっていたかった。 いつの間にか、大学に行くのも週に1回くらいになっていた。 でも、家に帰って一人になった瞬間、あの不安は見逃してくれなかった。 正直に言おう。 ア式に入りたいと思った一番の理由は、この1人になる瞬間を、もっと埋めたかったからだ。 高校サッカーへの未練とか、純粋なサッカーの楽しさとか、そういうきれいな理由もゼロではない。 でも、この feelings を書きながら自分と向き合ってみて、その理由には納得できなかった。 だけど、逃げるように入部して4か月が経った今、胸を張って言えることが一つある。 個性なんて、くそくらえだ。 強いて言語化するなら、サッカーの技術に似ている気がする。 プロの良いプレーを見て、真似して、他の選手のプレーと比較する。 そうやっていろいろなものを盗み、最終的にそれらを組み合わせて、少しずつ自分の形にしていく。 最初から自分だけのオリジナルなんてない。 誰かの真似だとしても組み合わせ次第で、圧倒的な技術になる可能性だってある。 個性もその真似の結果として滲み出るものだろう。 まあ、答えが見つかったわけではないが、なんか腑に落ちた。 ア式で、サッカーの技術を、そして個性を、泥臭く創り上げていこうじゃ...