通訳実技
僕は先学期「通訳実技」という授業を履修した。授業では日英、英日の通訳を行なったが、僕にとっての一番の学びは通訳のスキルではなく、ある気づきにあった。 入学当初から日本語の授業を毎学期受けてきたが、日本語に関して指摘されることはあまりなかった。しかし、この「通訳実技」の先生には学期の始めに「日本人だからこそ、社会に出た時にはより厳しい目で見られる」と言われ、その後も細かく日本語の指摘をされた。そのおかげで自分の現在の日本語レベルに危機感を抱き始め、今まで「自分は外国で育ったから日本語ができなくてもいいんだ」と勝手に思い込んでいたことに気づくことができた。最初から自分の限界を決め付けていたのだ。 いつからそうなってしまっていたのだろう。そこで自分なりに「限界を決めつけてしまうプロセス」を少し考えてみた。子供の頃は、みんな「プロのサッカー選手になりたい」とか「ハリウッドスターになりたい」とかとんでもなく大きな夢を掲げる。しかし、大人になるにつれ、現実的に物事を捉え始めて考えるようになると、多くの人はこのような夢を諦めてしまう。恐らく「自分は今これくらいの実力で、このままの調子でいけばこのくらいのレベルに到達する」と推測して、それを元に夢を達成できるかできないかを判断する。 しかし、このような考え方は「今までと同じような努力をすること、そして同じようなチャンスしかないこと」を前提としている。でも、実際には今の自分には知らない努力の仕方があるかもしないし、想像をしてもいなかったチャンスが転がってくるかもしれない。 自分に限界をつけないためには今までと同じ努力をしているだけではいけない。つまり、新しいことをやること、チャレンジすること。今までやってきたことをするだけでは、今まで気づいてきたことにしか気づけない。日本語の学習で言えば、同じ教材をずっと使っていても語彙力はつかない。サッカーで言えば、自分ができるプレーばかりをやって、自分ができないプレーはやらない。これではいつまでたってもできないプレーはできないプレーのままでいる。 しかし、新しいことを試みるともちろん失敗するリスクもある。むしろ失敗する確率の方が高い。そこでいかに失敗を恐れずにいれるかが重要である。こういう面は海外のプロサッカー選手を見習うべきだ。ある日本代表の選手は、海外の選...