サッカーが好きだから

まともにステップすら踏めないくらい運動音痴だった自分が、偶然近所にスクールがあったという理由で始めたサッカーを15年以上も続けるなんて本当に奇跡のようなものだと思っています。本当に多くの経験をしました。多くの感情がありました。多くの人に出会いました。



自分はどうしてこんなにもサッカーを続けてたのだろうと考えたことがあります。プロになるわけでもないのに、どうして自分はサッカーを第一優先してやっているのだろうと。ア式に入ってから何度かサッカーを辞める選択肢を考える機会がありました。しかし、その度にサッカーを続けようという選択肢をとりました。そういう決断をし続けた理由は1つしかないです。




本当に、サッカーをするのが好きでした。



ただ、サッカーをしたかったし、上手くなりたかった。自分に才能があろうと無かろうと、そんなのは関係ありませんでした。



東大に入って、農グラで試合をしているア式の先輩方の姿を見て、たまらなくサッカーがしたくなりました。そのときすぐにア式に入ることを決断しました。



ア式では良い経験を沢山させてもらいました。社会人リーグの東蹴倶楽部戦で決めたゴールは今でも忘れられないし、Iリーグで応援の中勝利した日体大戦とか、サッカーを続けていたからこそ得られる快感というか喜びはやはり他では感じることができないものです。昔できなかったプレーができた瞬間の快感も何度も感じました。LBセカンド自体や、上武大まで行ってボコボコにされた試合だとか苦い記憶も沢山あるけれど、総合的に考えれば決して無駄ではなかったと思います。




それでも最後の1年間は、自分の中でも後悔が多いです。

それはやはり、サッカーをする、うまくなるために楽しむという部分がすっぽり抜けてしまったからです。遼に導かれてうまくなる仲間をよそ目に、自分は「うまくやろう」と考えてしまっていたのだと思います。映像を見たり、メモして復習したり、自分なりに工夫したつもりでしたが、おそらくその深みが足りず、大きく変わることはできませんでした。そのような日々が続き、気付いたときには「自分は引退までにこれ以上上手くなれない」と考えるところまで来ていました。月並みではありますが、初心を忘れて「うまくやろう」としたことで何もうまくいかなかった結果です。そんなときに話を聞いてくれたり声をかけてくれた同期や先輩には助けられました。




最後の3ヶ月、少しですが、今までサッカーを続けてきた理由を思い出せました。




やっぱり、サッカーをするのが好きでした。その気持ちがあるからこそ、上手くなれるのです。こんな重要なことを忘れてしまっていたのが、僕の一番の後悔です。後輩たちには是非そのことをどんなときも忘れないでほしいです。サッカーをやりたいという気持ちを常に胸に留めながら正しい努力ができれば、必ず上手くなれます。




急に失敗談から当たり前な内容の教訓じみたことを書きましたが、心の底からそう思っているので書かせてもらいました。来年もコーチとして関わるので一緒にうまくなりましょう。




チームは二部優勝を成し遂げましたが、自分は満足のいく貢献ができませんでした。「終わりよければ」というfeelingsの直後ですが、個人的には決して終わりが良かったといえる自信はありません。




それでも、本当にア式に入部して良かったと思っています。サッカーの面白さを改めて教えてもらいました。自分の強みも弱みも全て教えてくれました。練習以外でもいつでも頼りがいのある先輩方や、生意気ながらも頼もしい後輩に出会えました。そして、一生信頼していきたい素晴らしい同期に出会えました。



なによりも、こんなにも楽しいサッカーを大学生になってまですることができて幸せでした。より一層、サッカーが好きになれました。入学当初にア式に入るという選択をした自分を褒めたいです。



大学に入る前までも僕はチーム、仲間、指導者に恵まれていたと思います。自分の選択や偶然が重なり、結果的に15年以上も続けるほどサッカーというスポーツが好きになれました。本当に幸せなことだと思っています。



長く拙い文章になってしまいましたが、最後に、サッカーを続けてきた中で関わってきた全ての人や環境に感謝の意を伝えたいです。ありがとうございました。



将来の夢はリバプール対シティをアンフィールドで見ること

4年MF  藤山晃太郎

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