サッカーと共に

小宮啓舜(1年/テクニカルスタッフ/小石川中等教育学校)
 

はじめまして。1年の小宮啓舜です。
 
ア式に入部したのはすでに入部式の終わった5月末。他の同期よりも遅く入部したが、そこから約半年経って初めてのfeelingsがやってきた。自分も他の新入生に倣い自分のこれまでとア式に入部した経緯について書いていこうと思う。
 
サッカーを始めたのは小学生のとき。その時に自分が入っていたサッカー部は最弱以外の何物でもないほど弱かった。実際に小学生の頃は練習試合、公式戦含めて勝った記憶がない。いや、練習試合をした記憶も1、2回しかない。
 
そのような勝ちとは縁のない環境(一層のこと試合ともほぼ縁のない環境)で過ごしていたがサッカー自体は楽しかった。練習のミニゲームでもゴールを決めると嬉しく、サッカーをやりたいという原動力になっていた。
 
そして結局一度も勝ちを経験することなく小学校を卒業した。中学受験を経て中・高は都立小石川中等教育学校に進学した。1学年の人数は160人でそのうち男子は約80人。そのため自分たちの代の人数は中学時代では7人、高校生では6人だった。サッカーは11人でやるスポーツなのに人数があまりにも少なすぎてやはりチームとしては弱かった。
 
それでもまだ中学生の頃は勝てていた。実際、自分たちの代になるとチームの人数は2学年合わせて13人なのにも関わらず文京区大会では最終的には5位と人数の割には強かったのではないかと自負している(全部で12~13チームであったが)。自分たちより格上だと思っていた相手にも2失点した後3点取り返して勝った試合があったり、また、公式戦でハットトリックを決めたこともあったりと弱いながらもなかなか充実している中学サッカーだったのではないかと思う。(特に前者の試合は相手が舐めていたこともあって勝って返り討ちにした時の喜びはすごかった)
 
このように中学時代は人数は少ないながらも団結したチームだったため楽しみながら、かつ小学生の頃には体験できなかった勝つ嬉しさを味わいながらサッカーに打ち込んでいた。
 
そして迎えた高校サッカー。中高一貫校なのでチームメイトが変わることはなく同じチームでの活動。やはり人数が少ないことには変わりないが中学時代と同じで楽しかった。ただ、高校になって決定的に変わったことは勝てない試合が増えてしまったということだ。
 
周りの高校で自分たちの人数よりも少ない高校などほぼ存在しない。実際、自分たちの代での新人戦のメンバーは11人きっかりで控え選手など存在しなかった。それに対し相手高校はどこでも1試合中に3回程度は交代のタイミングがある。
 
そのような苦境での最後の大会。初戦はなんとか突破したが2戦目ではサッカーのスコアかと思えるくらいの大敗をした。もともとはこの大会を持って引退するつもりだったが最後の試合がこんな情けない結果ではいくらなんでも辞められないということで7月終わりまで開催されるリーグ戦までは引退しないと決意。そこからリーグ戦を戦い抜き7月についに引退(このリーグ戦は同じくらいの強さの相手が多かったこともあり結構勝つことができて楽しく引退を迎えられた)。これにより人数が少ないながらも楽しかった高校サッカーは完全に終了した。
 
それでもサッカーに対する熱は冷めることなく、むしろ増すばかり。その主な原因はサッカーW杯カタール大会だった。これにより同学年のそれまでサッカーにそこまで興味を持っていなかった人もサッカーに興味を持つようになり、昼休みなどは30人前後がグラウンドでサッカーをするようになった。これは受験期になっても続き、今日手の前日でもサッカーをしたし、共テが終わり学校がなくなった後も毎日学校に行ってはサッカーをするということが日課になっていた。(昼休みにサッカーをするためにわざわざ学校で勉強するほどこの昼休みのサッカーが受験期の楽しみだった。また、卒業した後の今でもサッカーをするために集まることもあるほど同学年の間でサッカーが席巻した)
 
 
このように今まで小・中・高の間ずっとサッカーをやってきたが大学ではプレーヤーとしては活動しないということは決めていた。もしやったとしてもサークルでの活動くらいだと。理由としては今後大学で研究していくにあたりあまり忙しくしたくなかったからと大学の一線級のサッカーについていける気がしていなかったからだ。
 
それなのになぜア式蹴球部に入部したか。また、なぜプレーヤーではなくテクニカルスタッフとして入部したか。そのことについてここからは記していこうと思う。
 
最も大きな理由はとてもシンプルだが面白そうだったからだ。小学生からサッカーはしていたが本格的にサッカーを見るようになったのは中・高のチームメートに出会ってからである。そこでサッカー(特に日本代表戦)を見ることでサッカーの面白さを知るとともに海外サッカーのニュースや戦術の解説などを見ていくことが習慣になっていった。そのことから戦術の面白さを知っていった。
 
そしてある程度サッカーのプレー以外にも戦術だとかに興味がある状態になったときにア式のテクニカルの存在を知った。その当時はただ面白そうだと思っただけでそこまで本気で入ろうとは思っていなかったが、東大に入学し高校時代の先輩に勧誘された先でテクニカルの説明を受けるうちにプレーヤーのサポートだけでなく他にも様々なことができると知った。そのことでプレーヤーとして勝利に貢献するのではなくテクニカルとして選手をサポートしながら勝利に貢献するということが面白そうだと思った結果入部していた。
 
 
そして今まで6ヶ月間テクニカルとして活動してきてやはり周りの人と比べて入部した理由が薄いというだけあり、あまりサッカーについて詳しくなく、周りのレベル感にはなかなかついていけないことも多い。実際、試合を見ていても選手にアドバイスなどはまだまだできるようなレベルには達しておらず、他の人に言う前にまずは自分がサッカーを勉強していかないといけないと思っている。しかしこれから精進していき、もっとサッカーを知っていくことによりプレーヤーとしてではなくテクニカルスタッフとしてア式蹴球部の勝利に貢献していきたいと思う。

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