カフカ
フランツ・カフカと言えば、ドイツの作家で、中編小説「変身」の作者である。
大雑把に紹介すると、ある日おぞましい虫へと変身してしまった男が、強い絆で結ばれていたはずの家族に敬遠され、「忘れられていく」という話。結末は奇妙で、多くの解釈を生んでいるらしい。
この中に登場するウンゲツィーファー(害のある小動物)については何年か前に誰かのfeelingsで触れられていたように思う。遡って読みたいがいつの投稿か全くわからない。これを書き上げたら少し探してみる。
「変身」、興味のある人は春休みにぜひ一読していただきたい。
前置きはこのくらいにして、
僕が今日書きたかったのは「変身」ではなく。
東京大学の『カフカ』の話。そしてア式蹴球部の、僕の『カフカ』。
読者のほとんどは知っているだろうが、東京大学の単位評価は上から順に、「優」、「良」、「可」、「不可」となっている。50点以下が「不可」となり、単位は来ない。
それぞれの評価にコメントを付けるとすれば、(科目によってばらつきはあるものの)大体以下のような評価内容の仕訳になるのではなかろうか。
不可: 授業に出ていない、勉強していない、「やるべきことをやっていない」
可 : 授業に出ていればとれる。最低限の行い。「当然この程度ならとれるだろう」
良 : やるべきことをやったうえで努力した。「成果としては上出来であろう」
優 : 素晴らしい。plus@を生み出した。「高い目標を掲げ、実現できた」
異論は受け付けるが、僕はこの程度の解釈だ。
学期末、成績表にこの評価が並ぶが、成績のあまりよくない者は「可」と「不可」ばかり。
この状態を『カフカ』というらしい(入学時に何かで見ただけで、僕自身は一度も使ったことはないので、今誰がそういう呼び方をしているのかもわからない)。
翻ってア式蹴球部。今、自己評価はどのくらいだろうか。
やるべきことをできているだろうか。
努力できているだろうか。
高い目標を掲げ、成果を生み出せているだろうか。
『カフカ』に、落ち着いていないだろうか。
(他己評価はそもそもされているかすらわからない。)
優をとることはとても難しい。「仕事をしよう」「練習をしよう」では良にも届かない。毎日スケジュールを埋めても、誰かに相談しても、一人で悩んでも、結果が出なければ、それはカフカだから。
でもコツはあると思っている。カフカのループから抜け出すコツ。
圧倒的な結果へのコミットと、「考え貫く(ぬく)」こと。
東大生は賢いというけど、少なくともうちの部員は、考え貫けていない部分が多すぎると感じる(もちろん自分を中心として)。
過程の精度は正直二の次でいい。そこにこだわりすぎて、結果から実行までの梯子がしっかり架かっていないものが、LINEグループと部室二階に大量に転がっている。きっとそれらは同時に、「東大サッカー部」の強みにできるものでもある。
僕自身去年、沢山捨ててきた。今年は一から、架けて回れたら素晴らしいと思う。
今現状、圧倒的カフカ。ここからどうすれば、ループから抜け出して、優良な人・クラブになれるか。
目指す大きな優に向けて、地道な優を積み重ねるしかない。
カフカは卒部式で「忘れられていく」だろう。
ここにいる意味は、自分で創りあげればいい。
フランツ・カフカは、その作品からは想像もつかないような誠実で温厚な人柄だったそうだ。それほどの情熱を、内に秘めた集団に。わが部活を。
学校の成績は圧倒的フカフカ。
三年 俣野泰佑
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