半目のだるま
正式入部者5名。仮入部を含めると6名。
今年のア式女子の新歓は、大成功とは言えないものの、なかなかうまくいったのではないかと思う。
入部を決めた新入生が、新歓イベントに積極的に参加し、入部を迷っている新入生たちと仲良くなってくれたことが大きかった。
今年の1月1日にア式蹴球部女子の主将となった私は、新歓長も兼ねることになっていた。
主将になった実感がなかなかないまま、新歓長として新歓期を駆け抜けた。
気づいたら6月。主将になってから5ヶ月以上が経ち、もうすぐ私の任期は半分を切る。
この事実に気づいた時、とにかく焦った。
「何もしていない」
そんな感覚。
もちろん8月〜11月の関カレが1年の活動のメインであることを考えれば、まだ助走の時期と言える。「これからが本番」と考えることもできる。
しかし、執行代を経験した4年生、主務の同期、OBコーチの藤岡さんといった頼れる人たちに囲まれ、みんなに助けられて名ばかりの主将でいるのではないかと考えてしまう。
3つ上の主将のように、サッカーが飛び抜けて上手いわけではない。
2つ上の主将のように、必要な厳しさと優しさを持ち合わせているわけでもない。
1つ上の主将のように、頭がめちゃくちゃキレて仕事ができるわけでもない。
私は何でも無難にこなせる自信はあるが、飛び抜けた才能がない。これはサッカーにおいても日常においても感じていることだ。
そんな自分に何ができるのか。
ふと、12月に行った「新体制MTG」を思い返してみた。
今年のテーマとして「個の尊重」を掲げ、目標として「新入部員5人」と「関カレで3勝」をあげた。
自分に特別なことがなくても、部員一人一人に寄り添ったリーダーシップならとれる。
先輩後輩関係なく、部員みんなが意見を言って良い雰囲気を作れるようにしたい。
今まで以上に仲の良い部になりたい。
全員が「自分がいなきゃダメだ」と感じられるようにしたい。
部員が試合で100%発揮し、さらに相乗効果が生まれるようにしたい。
チーム力で勝てるようになりたい。
そんな気持ちに立ち返った。
一つ目の目標である「新入部員5人」は達成した。しかしまだもう一つある。だるまで言ったらまだ半目。
もう一つの目標である「関カレ3勝」を絶対に達成したい。
去年はいい試合はした。点はとった。だけど0勝。この悔しさは絶対に忘れない。
もうすぐ夏がやってくる。
8月24日に関カレが開幕する。
主将として戦う最初で最後のシーズン。
自分が「いい主将」になれるかはまだわからないけれど、この部をどんどん「いいチーム」にして、目標を達成できればそれで十分。
こないだの練習試合で久々にア式女子で「勝つ」経験をした。
何より勝つと楽しい。この事実を感じた。
勝ちたい。とにかく勝ちたい。
ありきたりだけどとっても好きな言い回しがある。今シーズンはこの言葉を忘れずに戦って、そして目標の「3勝」を必ず達成したい。
楽しく真剣に。
女子部3年 小倉優香
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