サッカーする自分を認められる場所

 

ア式のfeelingsだけれど、リーグの話から始めようと思う。

 

今年はア式女子が参加するCiE(シー)リーグが2年目を迎える。

このリーグが、大学でサッカーを始めた自分に、真剣に対等に戦える場をくれた。

 

 

点差の離れすぎた試合をやっても楽しくないし自分たちのためにもならないから、新しいリーグを作ろう。そういう話が持ち上がって動き始めた。

 

新規参入チームを合わせてなんとか4チーム集めて去年開幕したCiE(シー)リーグ。

大里さん、藤岡さん始め、理事の方々や参加してくれた大学、学連の人々、ほんとにいろんな人の力があってのリーグ戦であることを痛感した。

この経験があったから、いろんなものの後ろに、がんばって動いている人がいることが実感とともにわかった。

 

リーグ戦終了後、利重さんがfootballistaCiEリーグについての記事を書いてくださって、それに対してTwitterでたくさんのすばらしい取り組みですねとの反応が来て、とても嬉しかった。なでしこリーグの選手で反応してくださった方もいた。

嬉しかったと同時に、頑張らなければ、取り上げてもらえるだけの価値をこれから作っていかなければ、と思った。

(記事はこちらhttps://www.footballista.jp/special/104189)

 

(あとは謝りたいこともいっぱいあるけれど、謝ってもどうしようもないのでやめておきます笑)

 

 

 

CiEリーグという名前に込めたのは、 “Creation is Encouraged”、新しいことを創って応援されるリーグへという思いだった。

応援されるのは何かを背負うことで、その応援に対して応える責任がある。

今は女子サッカー全体が普及を謳うことでいろいろなことが優遇されるように思う。わたしたちのように競技力は低くてもそれ以外のところに存在価値を置いて、普及という名目の元で補助金をはじめさまざまなインセンティブを受けられる。元来インカレを頂点にした関カレの中に、CiEリーグのようなルール緩和を許されたリーグを作れたことも、競技人口を増やしたい女子サッカーの現状があってこそのことだろう。

その優遇をただ利用して甘んじて享受することもできるけど、応援に対して応える責任は持ちたい。それはリーグの存続や拡大かもしれないし、ほかの取り組みを始めることかもしれない。何が自分たちの為すべきことなのか、為せることなのかはわからないけど、リーグの存在意義はつくっていかないといけない。

 

ただ、このリーグがどう存在していけばいいのか考えるときに、何かやらなければと思いながら、何をすればいいのだろうで止まっていた。漠然といくつか案を出しながら、コロナを理由にしてできないなで終わっていた。例えばサッカーしてみたいなと思いながら始める機会がなかった高校生とサッカーをするイベントとか、リーグ内のほかのチームとの合同練習会など。

しかし、今できることをやっていこうと考えなければ、何も進まない。

満足のいく形ではないとしても、できることからやっていきたいと思う。

 

 

 

と、ここまで偉そうに語ってきたけれど、実際自分が発案して実行したことはほぼない。誰かの発案に乗っかって立場上進めていたことばかりで。それでもたくさん大事なことを学ばせてもらったので、これからどのような形であっても還元していきたい。というか、していかなければと思う。

そして、純粋に、自分が大学でサッカーを始めてとてもとても楽しかったから、どのタイミングであってもサッカーをやってみたいなと思った人が始められる環境が増えてほしい。

もっとサッカーを早く始められていればもっと上手いプレーをできていたのになと思うときもあるけど、大学で始めた自分だからこそわかることもあるとも思う。

 

ひとつ、忘れられないプレーがある。

去年2月の日曜日、なるさんからのパスを受けてえみりにアシストしたプレー。ただの練習でただ偶然アシストを決めただけなのだけど、トラップとパスがきれいに決まる感覚を初めて味わった。こんなプレーを狙ってできるように上手くなりたいと強く思った。だから、鮮烈に覚えている。大学でサッカーを始めたから味わえた感動と言うのかもしれないし、大学で始めてもこれだけ感動を味わえるのだと言うべきなのかもしれない。

ずっとやっている人たちは、この感覚をたくさん味わえるんだろうなと思った。憧れた。これから頑張ろうと思えた。

 

それから1年以上が経った。プレー中の視野が前よりは広がったし、あのときよりよっぽどましなプレーをできるようになったけど、自分が見れていない景色、味わえていない感覚はまだまだたくさんあるに違いない。

上手いチームメイトのプレーを見るたびに、憧れと感動でいっぱいになる。一歩でも近づきたい。

 

 

 

自分がこう思えるようになったのは、きっとア式女子、文京LBでサッカーを始められたから。

初心者でも真剣に取り組めて、上手い人ともプレーできる機会があって。下手であることの負い目もあまり感じさせずに、前向きに成長させてくれる。変な根性論を振りかざさず、論理的に考えさせてくれる。

 

これだけ恵まれた環境が整っているのには、チームを立ち上げ維持するために運営で頑張ってくれた方、頑張ってくれている方がたくさんいるからであることに、恥ずかしながら3年生になってようやく強く思っている。

文京LBの方でも、社会人で仕事が忙しかったり怪我をしていたりで自分は練習にあまり行けないのに、運営やらリーグ参加やらに必要な仕事をしてくれる人がいる。頭が上がりません。

自分は運営面の仕事を、プレーするための副作用的なものとして思ってしまっているけれど、運営に関わらせてもらうことでたくさんの人との関わりを持てたことは大事なことだと思える。

 

そしてこのチームにいると、夜勤明けでそのままサッカーしに来たり、仕事や授業で遅くなっても終わりぎわ少しだけでも参加したりする人がいて、ほんとにサッカーが好きなんだなと思う。

自分はこの先続けていったら飽きていいやと思うことがあるかもしれない。ほかのことが忙しくなったら離れていってしまうこともあるかもしれない。

けど今は、ボールを蹴りたくてそわそわするし、プレー中にほかの悩みとか不安とかを忘れてサッカーのことだけ考えているのが好きだし、ふとしたときに昨日のプレーを思い出して、あれ上手くいったなとかあそこああすればよかったなとか、プレーの感覚を噛み締める時間が好きだ。

 

 

 

自分にこれだけ幸せな気持ちも感動も悔しさも苦しみも成長も味わわせてくれたサッカー。そのサッカーをできる環境を与えてくれたア式女子、文京LBCiEリーグに少しでも恩返しがしたい。

 

そしてこのチームがより多くの存在価値を持てるようになることも目指して。

 

 

女子部 3年 津旨まい

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