理想

宮川旭(1年/DF/武蔵高校)


 feelings が回ってきてしまった。正直、他の⼀年⽣の feelings がどんなものかを⾒てから書きたかったが、こういうのは当たるなと願うほど当たってしまうものである。


 さて、何を書こうか・・・何も思いつかない。まぁ⼀年⽬は様⼦⾒の⼊部の経緯とかか、ということで⼿堅くいかせてもらおうと思う。来年の私が何か書きたいことがあるのを願うばかりである。


 とは⾔ったものの私の⼊部に明確な理由はないので⽂字数が⼼配である。ア式には、ア式 に⼊るために東⼤を⽬指し、勉強をかんばってきた⼈が少なからずいるだろう。とても尊敬している。


 私は浪⼈したらしょうがないけど特にやりたいこともないし、どうせなら⽇本⼀やし東⼤⽬指すかーという軽い気持ちで東⼤を⽬指し、試験の出来には全く⾃信がなかったがなんかヌルっと受かってしまった。ア式には先輩が何⼈か所属していたので存在は知っていたが、受かる気があまりなかった私は⼊学後のことなんて全く考えていなかった。


 ここで⼀⼈の⼈を紹介しよう。同じ⾼校のサッカー部であり、⼀緒にア式に⼊部したO 君 だ。彼の feelings が既に掲載されていて、そのなかで私が気持ち悪いぐらい褒められていた ので、彼を褒め返してやろうと思う。


 まず、トラップがクソうまい。残練のシュート練でどんなに汚いパスを出しても完璧なトラップをする。そして、周りがめちゃくちゃ⾒えていて、そう簡単にボールを取られない。 最⾼学年になった時はチームで⼀番声が出ていたし、毎週ミーティングを開く⾏動⼒も兼ね備えていた。


 ⾃分は⾃分がうまくなればチームが強くなるという思想のもと残練は誰よりもやったが、 声を出したり⼈に要求したりするのが苦⼿で、彼のことは深く尊敬していた。


 そんな O 君が東⼤に受かったと聞いて、あーこれは多分流れでア式に⼊部するなぁ 、10 年の付き合い確定やんと思った。


 ⼀度決めたら⾏動の早い私は、合格発表から⼀週間後、新しいスパイクを買いに出掛けていた。


 基本的に未知の環境に⾝を置くのが苦⼿な陰キャの私にとって、友達と⼀緒に⼊部するのは⼤きな⽀えだった。先輩に 4 ⽉のうちは他のサークルも⾒ておけよ、と⾔われていたのにも関わらず、気づけばア式の練習に全参加していた。そしてあっという間に⼊部式、というわけだ。

 まぁ⼊部の経緯はこんなものだろう。ア式の⼊部に対する強い執着とかはなかった。


 ⼊部の経緯について書いたもののこれでは⽂字数が少ない。ということで、ここからは⾃分のサッカーに対する理想を語りたい。このア式でどんなサッカーがしたいか。


 これは⾼校⼆年ぐらいから持っている理想で、攻撃ではチームで共有された⽅法でボール を保持し、チームで共有された⽅法で相⼿を崩し点をとり、守備ではチームで共有された場所に相⼿を誘導し能動的にボールを奪うというものだ。⾼⼆、⾼三ではこの理想の実現を⽬指してサッカーしていた。公式戦でギリギリで勝った時でさえも、理想のサッカーではないと思い素直には喜べなかった。個⼈の能⼒の差で取ったようなゴールだったからだ。


 そして、迎えた⾼三の選⼿権⼆次トーナメント⼀回戦、所属リーグでいうと格上である相⼿ との試合でその差を痛感した。サイドの裏に出るロングボール、それがわかっていたかのよ うに前に⾛り出す相⼿選⼿たち、そのチームで意識が共有された分厚い攻撃に耐えられず前半のうちに2失点。後半相⼿のミスで⼀点取り返したものの試合終盤、前がかりになったところでダメおしの3点⽬を決められ1対3、⾼校最後の試合となった。完敗だった。正直、 技術的な練習はやれるだけやってきたつもりだったので後悔はなかったが、理想を達成できなかったのは悔しかった。


 ア式に正式に⼊部して3ヶ⽉経つが、ここは理想を追求することができる場所だと思っている。今はまだ技術も⾜りないし、考えの部分も⾜りていないけれど、時間をかけて⾼校では実現できなかった理想のサッカーを追い求めたいと思う。


 サッカーは上⼿くいかなかったところを修正して、より勝ちに近づいていくスポーツだと思う。この終わりのないプロセスが私は好きだ。これだからサッカーはやめられない。

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