曇天のカンパラとベコベコボール
大場祥吾(2年/GK/小倉高校)
スコールの中、カンパラ郊外の大学構内を歩く。どうせすぐに止むはずだ。見知らぬボダボダドライバーのおじさんとふたりで。1kmに3000シリングを払うなんて勿体ないと言って振り切ろうとしたら何故か付いてきた。誰がいるかも分からないグラウンドをめざして歩く。どうやらこの人は大学の先生らしい。グラウンドにはクリケットをするグループとサッカーをするグループ。裸足でする者もいたし、スパイクを履いて平気で削りに行っている者もいた。彼らは学生なのか、社会人なのか。悪い人には見えないが、優しい雰囲気を醸し出しながら裏ではとんでもないことをしている人だっている。っていうか、どうやってコミュニケーションをとろう。まあ、そんなことはどうでもいい。とりあえずサッカーがしたい。
初めまして。大場祥吾です。
題名は本文とは関係なくても割とインパクトのあるものの方が良いというのをヤジさんが以前書いていた気がするので、自分も真似てみました。しかし、今からの文章が読むに値するかどうか自分でも自信が持てません。拙い文章ですが、最後まで読んでくださると幸いです。
まずは軽い自己紹介から。
新2年ですが、実を言うと去年の10月入部です。年功序列で考えると部内の中では1番下っ端に当たります。1人になると何もしなくなり、怠惰の化身になります。誰か自分のことを気にかけてください。
ところで、10月までは何していたのかという話になりますが、夏休みの間、アフリカのウガンダという国に6週間行ってました。ちなみに初海外。新入生の皆さんは大場祥吾=ウガンダとすると簡単に覚えられると思います。ウガンダでの話はア式と関係ないので割愛します。アイセックという学生団体経由で飛んだので、興味のある方はぜひ自分まで連絡を。
福岡の北九州出身です。成人式はスーツで行くつもりです。奇抜な服装は友達がするので写真は取ります。
高校三年生の春に引退した時はもう未練なんかない、部活はもういい、大学ではサークルでゆるくサッカーをしていこうと思っていましたが、どうやら未練たらたらだったようです。
軽い気持ちで参加したア式の練習はレベルがとても高く、「この人たちのシュートを受けたい、止めたい」と自分のサッカー欲は再び燃え上がりました。入部することも考えましたが、どうしても留学したかったので「10月には入ります」と言う口約束だけをして一旦入らないことに。完全に逃げられたと思われていたらしいが、義理堅い自分は帰国後無事に入部。
過去の自分はこんなところで済ませて、ア式に入ってからのおよそ半年間をざっくり振り返って行きます。
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入部したタイミングで4年生が引退した。ちょうど入れ替わりだったらしい。林陵平前監督と関われるかなと思っていたら、退任されてしまった。デビュー戦は玉川戦。45分で6点取られた。最悪の出だし。ド底辺からのスタート。伸び代しかない。
Aチームに上がれるのはずっと先なのだろうなと思っていた矢先、GK陣の怪我人続出により東京カップでのベンチ入りが決まった。「棚からぼた餅」、いやそれ以上と言うべきか、「井戸から財宝」とでも形容したい気分である。ア式についてまだわかっていない中でのベンチ入り。自分にできることはとりあえず日々がむしゃらに努力することしかできなかった。
育成の練習に出てはその後そのままAチームの練習に。土曜日は育成の練習試合に出て、日曜日はAチームの試合に帯同。かなりハードな日々だったが毎日いろいろなことを吸収しては試すことができるこの環境を非常にありがたく感じていた。
そんなこんなで年が変わり、アミノバイタルカップ。
選手の度重なる怪我と謎の胃腸風邪。その余波はGK陣にもおよび、再び稼働中のGKは二人しかいなくなり、自分のベンチ入りが決定。東京カップの時よりは多少はよくなったはず。今度こそは少しでもいいからチームに貢献したい。マシになったプレーを見せたい。と思っていたが空回りし続ける。自分が試合に出るまでの道のりはとてつもなく遠く感じるし、圧倒的な実力差がまだまだあることを痛感した。
ずっと一番下手なのは自覚している。GKが一人復帰するごとに序列が一つ下がるであろうことも現状では明らかである。Aでの試合機会が微々たるものだっていうことも、1番手が木曜まで体調不良だったのに日曜の試合には自分じゃなくて彼が出ていたことも重々理解しているし、当然だと思ってる。そうは思いつつもやはり自分がピンチヒッターの立場でしかないことは心底悔しい。このまま都合のいい人間で終わるわけにはいかない。自分のプレーで評価されて、序列を上げていきたい。
では、上がっていくためにはどうしたら良いか、笹さんから「バリューを出せ」とよく言われるが、正直自分の強みはあまり分かっていない。キックは飛ばない、パスは浮かすし、タイミングは遅い、ろくにシュートも止められないし、ペナルティエリアを飛び出してダイナミックなプレーをすることも無い。あ、怪我をしないこと?最近少しは指示を出せるようになったな。
喋りまくることで存在感を出して行けるようになりつつはある。
なんだか悲しくなってきた。こんな読んで落ち込んでしまいそうなfeelingsを誰が読むのだろう。しかも新入生がみる今に。
そんなことを最近内省する度に考えていたが、結局たどり着く所はいつも同じである。「とりあえずやってみるしかない。行動してみるしかない。」弱者は弱者なりに、不器用で不格好に足掻くしかないのだ。受験だって中高のレギュラー争いだっていつもそうだった。頑張って頑張って、首の皮一枚、ギリギリのところで勝ち取ってきた。死線をくぐり抜けてきた。今更スマートに、華麗にいくことなんて出来ない。やり方がわからない。とりあえず足掻こう。昔も今も今後もそれだけだ。
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ついに自分にとって初めてのリーグ戦が始まった。自分は何回ベンチ入りをするのだろう。試合には出るのだろうか。いや、そんなことはどうでもいい。どうでもよくないけど。今は努力し続けるしかないのだから。精一杯やればその意味は、成果は後からでも必ずやってくるはず。「未練は無い。」今度こそそう思えるようになるまでやり尽くしたい。
長い割には中身のない話でしたが、最後まで読んでいただきありがとうございました。次回お会いする時にはもっとポジティブなことが書けるように精進いたしますので楽しみにしておいて下さい。
どうやら彼らは普通にいい人だったみたいだ。小雨が降りしきる中、小一時間サッカーをして楽しんだ後、連絡先を交換し写真を撮った。「毎週日曜日にこの場所でやっているからいつでもおいでよ。」と言われた。2週間後、再びあのグラウンドに向かうとそこには彼らの姿。また小一時間サッカーをした後、「この後学生同士での集まりがあるからぜひきて欲しい。」と誘われた。正直かなり胡散臭かったが暇だったのでついていくことに。行ってみなきゃ分かんない。そう思いながら彼らと共にグラウンドを後にした。
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