誇れること
運動会の他部の同期が引退しはじめた。そういう話を聞くと、3ヶ 月後に迫った自分の引退のことも自然と考えてしまう。
大学に入学したとき、 高校までで一生分のサッカーをしたつもりだった僕は、 ア式に入るつもりなどまったくなかった。 大学ではサッカー以外の何かを頑張ろうと思い、 新歓期には色々回ってみた。しかし、これなら4年間頑張れそうだ と思うものは見つからなかった。大学生の貴重な4年間をぐーたら 過ごすのだけは嫌だったので、 おそらくある程度は打ち込めるであろうサッカーをとりあえずやる ことに決めた。
週6回活動があるこの部活での毎日はたしかに充実している。 少なくともやることがなくて暇、ということはない。 たしかに充実はしているが、この部での3年半の間に、 果たして何かを成し遂げただろうか。
1年生のときは肉離れ、骨折と怪我をしてしまい、1年間でサッカ ーをやれたのは3ヶ月しかなかった。 部の成り立ち方などまだ知らないことだらけだったので、 運営面でも何もできなかった。チームも1部から2部に降格してし まった。
2年生のとき、リーグ戦に出られるような実力はなく、 ただただチームを応援することしかできなかった。チームは1年で 1部に復帰したが、お世辞にも貢献したとは言えない。
3年生のとき、 少しずつ試合にも出させてもらえるようになったが、結局18試合 で2勝しかできず、再び1部から2部に降格した。
4年生になった今季、いまのところ9試合で2勝4敗3分の6位。 個人としても0ゴール1アシストとチームの勝利に貢献できていな い。試合に出させてもらっている以上、勝つことが求められる。 いくらいいプレーをしても勝てなかったら意味がない。
残りの3ヶ月で何かひとつ胸を張って誇れるようなことをして、 笑って引退を迎えたい。
4年 服部直弘
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