意気込み

    高3の夏、最後の選手権の都大会一回戦で0-4というスコアで大敗し、部活を引退した。自分の高校は強豪校でもないため、チーム一丸となって、一人一人が走って、献身的なプレーで勝利を掴むチームだった。予選でも楽に勝ち上がってきたわけではない。だから、都大会出場が決まったときはとても嬉しかった。みんなで勝ち取った勝利の喜びほど嬉しいものはない、と生まれて初めて感じた。その一方で自分たちは、都大会ではチャレンジャーとしてやっていくしかなかった。そして自分たちより強いチームに勝つ。ただそれだけを考えて練習を重ねた。インターハイでも都大会一回戦負けだったがゆえに、より一層一回戦突破への気持ちは高まっていた。

  しかし、選手権でもそれを成し遂げることはできなかった。実力差を見せつけられた試合だった。最後までチームのために走りきった。試合後応援席に挨拶しに行ったとき、申し訳なさを感じた。そこには、高3の春に怪我をしてプレイヤーとしてサッカーをするのができなくなっても、夏まで一緒に残って、マネージャー的立場で常に支えてくれた仲間もいた。そんな仲間が全力で応援してくれたのに、その期待に応えられなかった自分の力の無さを痛感し、悔しさがこみ上げた。

  僕はもともと大学でもサッカーを部活で続けようと考えていたので、引退したときもまだ自分のサッカー人生はこの先続くから、とりあえず勉強頑張ろう、と気持ちを切り替えた。ア式でサッカーをするために、今までサッカーに費やしてきた時間と労力を全て勉強の方に注いだ

  そしてア式に入ることができた今、チームメイトに刺激を受けながら、自分の課題と日々向き合って考え、楽しみながらサッカーをやっている。

 今はまだピッチ外から、チームメイトを応援することでしかチームに貢献できない。だけど僕はあの悔しさをバネに日々練習に取り組んでいるし、ピッチに立てるよう、これからも努力していきたい。


        ア式一年    高宮秀徳

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