踏ん張りどころ

  

この部活に入部してから何ヶ月たったのかもよく分からない。

キャンパスで新歓されたわけでもないし、入部式があったわけでもない。いつの間にか部員になっていた。

この特異な状況の中、選手・スタッフ合わせて26人もの同期ができたこと、このことだけでも幸せなことだ。4年後どのような関係性になっているか楽しみである。

 

 

 

 

「いつの間にか」などと書いたが、高校生の時すでに、「合格したら入部しよう、合格しなくても来年合格して入部しよう」と考えていた。大学で真剣に打ち込めるものはサッカーしかないと思っていた。だが、それほどモチベーションの高かったはずの自分でも自粛期間はしんどかった。授業は永遠とパソコンの前、オンライントレーニングは素性のわからない仲間とともに。余った時間はだらだらと課題。自分の人生で一番充実感のない時期だった。やり切ったことといえばワンピースを全巻読んだことくらいだ。

 

 

現在はまた種類の違うしんどさを感じている。幸いにもAチームに昇格させてもらえたが、いまだ1試合もメンバーに入れていない。同じ1年でリーグ戦デビューしている選手もいて焦りも感じている。チームの一員ではあるものの何も貢献できていない。練習でも自分で納得するプレーができることは少ないし、練習試合でもめざましい活躍はできていない。「サッカーができていなかった時期に比べればこの辛さは楽しいものだ」なんてすっきり割り切れるわけでもない。

 

 

ここ最近ある人に言われ自分の心に響いた言葉がある。「ここが踏ん張りどころ」。久方ぶりに人生の踏ん張りどころが来ている。ここを越えれば確実に強くなれる。目指すべきは強い男。

 

 

なんだかんだ言ってきたが今の生活は楽しい。練習は密度が濃いし、先輩たちは面白し、教習所も空いてきた。明日からも笑顔で過ごせるだろう。自分の飛躍を信じて頑張りたい。

 

 

 

 

考えすぎない

竹内拓夢

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