青空わたるあまつ日は

2年 吉本章(MF/武蔵高校)


はじめまして、2年プレーヤーの吉本章です。

いよいよ自分にもfeelingsを書く番が回ってきたので、他の人同様ア式に入部した理由を書こうと思います。


自分が初めて読んだfeelingsは、高1の頃に高校のサッカー部の先生がお前らはこれを読んでなんか感じろと怒って渡された高校の4個上のキャプテンのfeelingsで、そのfeelingsには、先輩のために声を出し続けて、先輩には後悔を残させないという決意表明が書かれていた。うわすげぇ、俺も明日から先輩のために頑張ろっとはならないのが高校生のクソガキ、自分もその典型であった。だが、そのfeelingsが面白く熱い文章だったので、それからというもの、ふとした時にfeelingsを読むようになった。feelingsを読むとそこにはおそらく部員の人にも明かしてなかったような気持ち、家族も知り得ないような秘密が書かれていた。

その時から東大サッカー部に本格的に興味を持ちはじめ、兄や高校の先輩が出てることもあり試合を見に行くために御殿下グラウンドに訪れるようになった。そこで見た光景に非常に驚かされた。試合前に配られるマッチデープログラム、病院の隣だということを忘れさせるくらいの試合中の本気の応援、勉強だけしてきたとは思えないほどボールを持ち相手を圧倒する東大、そのどれもが考えもよらないものだった。

その頃から、東大に憧れを持ち、大学でもサッカーをやることを考え始めるようになった。





そうして、高3になり志望校を決める時、高校の先生にとりあえず東大にしとけと言われたこともあり、サッカーがしたかった自分にとって東大を目指すことに悩むことは一切なかった。

だが、ここで学力という大きな壁が立ちはだかる。高3まで大した勉強もして来ず、部内でも一二を争うほどの馬鹿であった自分が合格するには相当な努力が必要であった。だから、授業の空きコマの間もとにかく勉強し、夏にあるインターハイで悔いのないような結果が出たら部活をやめることも頭をよぎった。





そうして迎えたインターハイ、自分達はくじ運にも恵まれ、勝ち進んでいった。だが、怪我をしたわけでもないのに、急にスタメンを外された。なんでなのか全くわからなかった。結局、前半途中から出してもらえたが、一矢報いることもできず0-4で完敗、それがインターハイ最後の試合になった。自分が全力を出し切ったとは到底言えず、ただただ悲しくて、涙がとまらなかった。こんな終わり方は嫌だった、結局自分でも思っていた通り、秋の選手権まで続けることにした。その頃には大学サッカーの事は考えず、とにかく高校サッカーを楽しもうと考えるようになり、東大への熱も冷めていった。





そんな感じで夏休みを迎え、サッカーに打ち込み、勉強は程々にしかしなくなっていた。迎えた選手権、高校サッカー最後の大会悔いは残るだろうけど、全力でやりきろう、そんな意気込みで臨んだ初戦、現実は自分が思っていたものよりもずっと残酷だった。結果は、自分が決定機を3回外して、0-2での敗北。誰がどう見ても自分のせいで勝てなかった、自分が点を取れなかったから他の12人の同期を引退させてしまった。単純に自分の力が足りなかった、それ以上でもそれ以下でもなく、一緒にやってきた同期にただただ申し訳なくて、涙が止まらなかった。試合後に、試合を見にきてくれていた4個上のキャプテンの先輩から「大学で待ってるぞ」と声をかけてもらい、そこでやっと高校サッカーが終わったんだな、自分が終わらせてしまったんだと実感した。こうして自分の高校サッカーは完全な不完全燃焼で幕を閉じ、受験勉強へとシフトしていく






はずだった。






サッカーが終わり、勉強しかすることがないはずなのに、勉強が手につかない。それは、高校サッカーに後悔しか残らなかったこともあるが、なにより、勉強しても東大に到底受かるような学力ではなかったことが大きかった。だから、そこまで何も考えず生きていた自分が、高3の11月になってやっと何で大学に行きたいのか、どんな大学に行きたいのかを真剣に考えることとなった。

しかし、その答えを出すことができないまま時は経ち、受験を迎えることとなった。そして、もちろん結果は酷かった、親に半ば無理矢理受けさせられた大学以外は全て落ちた。我が家は基本浪人禁止であったため、受かった大学に行くことを考えたが、なぜかしっくりこなかった。なぜ大学に行くのか、その答えはその当時まで「大卒という肩書きがあった方が楽そう」というものだけであったが、それなら現役で行けばいいが、それでもしっくりこない。

結局、自分が大学に行きたい理由はサッカーがしたい、であり、それが大学に行く一番大きな理由になった。そこでもう一度大学サッカーのことを調べてくうちにやはり東大が一番自分に合ってることがわかり、親に頭を下げ浪人させてもらうことにした。





そうして、一浪の末に東大に合格することができ、ア式に入ることはほぼ決めていたのに、よくわからないが兄が他のとことかも行けと言ってきたので、自分は本当にサッカーがしたいのか、部活やるだけでもいいんじゃないか、という疑問がわき他の部活にも行ってみたが、自分にはやはりサッカーが一番だった。こうして結局思っていた通り、ア式に入部を決めた。後悔しか残らなかった高校サッカーだが、結果的にはどちらもやってよかったと思えるようになってきた。大学でも後悔は残るだろうが



ア式に入って本当によかった



3年後、心の底からそう言いたい。

いや、言えるよう頑張ります。

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