「慣れ」というものの恐ろしさ




引退してから一ヶ月が経った。部活という言い訳をなくし、平日は毎日研究室に行くもののあまり人と喋らず、気が向いたらジムに行くという味気ない生活にもようやく慣れてきた。

そんな時に、この文章を書けとのお達しが。ただ僕には何を書いていいのかわからないし、書きたいこともないし、仮にあったとしても僕には大した文章は書けない。なので、軽く僕のア式での三年半を振り返って、今感じることを素直に書こうと思う。本当に内容のない文章なので読まないことをお勧めします笑。


僕のア式での三年半は本当に情けないものだった。何が僕のア式での三年半をこんなに情けないものにしたか。もちろんすべて僕の責任なのだが、もう一歩踏み込んで考えてみると、それは僕自身の「慣れ」だったのかなと感じる。

入部当初、当たり前だが僕は一番下のカテゴリーに入れられた。ただ、それからしばらくは一番下のカテゴリーに所属する自分に強烈な違和感や嫌悪感を抱きながら、「ふざけんな。すぐ上がってやる。」と心の底から思えて練習できていた。しかし、なかなか思うように自分のプレーのレベルが上がらず、また、怪我も何回か繰り返しているうちに、いつの間にか当初心の中にあった「ふざけんな。すぐ上がってやる。」といったギラギラ感みたいなものは僕の中から薄れていた。もちろん、上手くなりたいとか上のカテゴリーに上がりたいという思いは消えていなかったが、入部当初と同じ最高級のモチベーションで練習はできていなかった。そう、下のカテゴリーそして下のカテゴリーに所属する自分に悪い意味で慣れてしまっていたのである。
こうなると最悪である。トップチームが一部でボロボロに負け続けていたり、二部ですらなかなか勝てない光景を間近で見ていながら、「自分が上手くなってチームをなんとかしたい」みたいなことは当然思わず、「どうせ自分は下のカテゴリーだから」と完全に他人事だった。


今考えると、この最初にして最大の「慣れ」に陥ってる時に、自分の状況を自覚して、意識一つでも何かしら変えていたら、僕のア式での三年半は多少違ったものになっていたかもしれない。


そうこうしているうちに二年の冬を迎えた。ここで僕はひとつの転機を迎える。新人戦を経て、奇跡的に上のカテゴリーに上がれたのだ。当然モチベーションはマックスである。年明けのトレーニングマッチ数試合はトップチームで出れた。正直、案外やれると思った。しかし、自分の感覚とは裏腹に、だんだんトップチームの試合に出れなくなっていった。もちろん、すぐまたトップチームで出てやろうと練習していたが、トップチームでの自分の課題をはっきりと自覚しないままでは限界があった。モチベーションはマックスなのに、結局いつの間にか完全にトップチームの控えになっていた。
しかし最大の問題はこの後だった。当初は、トップチームで出れない自分に嫌悪感を抱き、「なんで出してくれないの」から始まったものの、いつの間にか「今日は後半から出れるかな」に変化し最終的には、「ラストの15分くらい出れればいいや」と心境が変化してしまった。要するに、これも自分は完全な控えという状況に段々慣れていってしまったのだ。こうして何もできず、僕の三年生のシーズンが終わった。

そして、最後の年。実際に公式戦にチョロっと出れたとか細かい違いはあるものの、ほとんど三年生の時のシーズンと同じ流れで終わってしまった。


だらだらと三年半を振り返ったが、その中で僕が一番強く感じたのは、「慣れ」というものの恐ろしさである。自分が調子のいい時や、自分にとっていい転機を迎えた時は、高いモチベーションでギラギラ感みたいなものを伴いながら練習できた。当たり前のことである笑。しかし、なんでもない時や、自分の調子が悪い時、自分にとって状況が悪くなった時などに、そうした状況にズルズル慣れていってしまうことなく、調子がいい時と同じくらいのモチベーションで練習することは僕にはできなかった。そしてそれがいかに重要かということを学んだ。


僕はご存知の通り本当にダメ人間だから、偉そうなことは言えないし、言おうとしても言うことがない。ただ、現役の皆さんの中でもし、僕と同じように今の自分の立ち位置に慣れてしまっていたり、ちょっと調子が悪くて、モチベーションが自然と下がってしまっていると思い当たる人がいたら、入部当初に思い描いた目標を思い出すなどして、今からでも頑張って欲しいと思う。奇跡的に僕も体験させてもらったが、やっぱりリーグ戦のピッチは最高だった。



ここまで長々と、何が言いたいのかわからない、中身の薄〜い文章を書いてきましたが、これが僕の限界です。これ以上書こうとすると収拾つかなくなる気がするので勘弁してください。


最後に、こんな僕を三年半も受け入れてくれたこと。自分の弱さをはっきりと見せ付けてくれたこと。そして何より、多くの楽しい時間、多くの仲間を与えてくれたこと。・・・ア式に入って本当によかったです。
本当にありがとうございました。



卒論の実験が始まってしまいました。助けてください。
城後

コメント