継承
小泉尚寛(4年/DF/土浦第一高校)
今回は、大好きな漫画であるONE PIECEの中で個人的には1つの重要なテーマだと考えている「継承」について、いろいろ書いていく。
いきなりだが、「継承」の意義や特徴について端的に自分の考えを述べてみる。
「継承」は生物の本質的な営みである。動物も植物も子孫を残して遺伝子を継承している。しかし、人間はそれだけにとどまらず技術や知識、制度、想いなどさまざまなものを継承して、他の動植物と比べ大きく発展を遂げてきた。
「継承」について部内で考えるきっかけになったのは、昨年夏に先輩から常務を引き継いだことが大きかったように思う。当時は育成チーム(世間でいうBチーム)とAチームを行き来するような中途半端な立場で、公式戦に絡めずチームに対して貢献できていないなと悶々とした気持ちを抱えていたと記憶している。そうした中で先輩から常務を引き継いでくれないかと打診を受け、「めんどいな」という気持ちがあったのも事実だが、試合で活躍するという形では無いもののチームに対して貢献できると感じて引き受けることにした。
公式戦開催時の用具や控室の手配、コロナ禍における大学への試合開催申請が引き継ぎ時の主な仕事で、地味でありながらミスが許されない仕事で責任重大だった。こんな重要な仕事を任されたのは粋に感じたし、120年以上続く部においてサッカーのできる環境を守っていく立場になって、今まで常務や主務やスタッフなどの裏方として部を支えてきた先輩方の存在の大きさに気づき、この役目を果たし切り後輩に繋がなければという責任感が芽生えた。
常務を務めるのもあと2ヶ月程度になったが、みんながサッカーを楽しめる環境や心置きなく公式戦に臨める環境を整えつつ、現在進行中の一橋大学ア式蹴球部とのプロジェクトもまとめ、東大ア式蹴球部の素晴らしい環境を後輩たちに残していく所存だ。
ピッチ内では、最高学年となり現所属の育成チームでは主将のような立ち回りを最近は担っている。Aチーム所属の選手と比べてアドバイスできることは限られるかもしれないが、怪我への耐性やボールを奪う守備については強みだと感じていて工夫していることもあるため、そこら辺が気になる人はいつでも聞きにきてほしい。
ただ、ピッチ内のことに関しては「継承」というチームのことだけではなく、自分の成長や「公式戦(リーグ戦)に出場して活躍する」という再入部を決めた時からの目標の実現に向けて、個人にもフォーカスしていきたい。途中入部の自分が公式戦出場までたどり着けたらおそらく誰かに希望を与えられるし、何より自分が大きな達成感を得られるだろう。ONE PIECEらしい胸熱の展開を実現できることを自分自身に期待して、残り約4ヶ月、最後まで努力し続ける。
さて、ここで話題は少し変わるが、私は大の漫画好きで前回のFeelingsでも感銘を受けた漫画のセリフを紹介するコーナーを設けたので、今回もこのコーナーに「座右の銘セリフ」という名前をつけた上で、「継承」について深く考えるきっかけになったセリフを紹介する。(もうあとは卒部feelingsしか漫画のセリフを紹介する機会がないので、漫画好きの後輩がいたらこのコーナー引き継いで)
座右の銘セリフ①
「"歴史"は…人の財産
あなた達がこれから生きる未来を きっと照らしてくれる」
(『ONE PIECE』 ニコ・オルビア)
エニエス・ロビー編に挟まれるニコ・ロビンの回想で、ロビンの母ニコ・オルビアがロビンとの最後の別れの際にかけた言葉。
先輩たちから、ボールの持ち方などの技術、チーム戦術や個人戦術などの知識、素晴らしい練習環境、ユニット制度やティール組織といった制度、関東リーグ昇格に向けた想い、といった様々なものを受け継いで今のア式蹴球部が成り立っている。これらの財産を活用しつつ、学年や役職に関係なく部員みんなとピッチ内外で協力して、今のア式蹴球部の価値を高め、更なる発展につなげていければと思う。
〆切を過ぎた後で急いで書いたため、拙い箇所はあるかと思いますが、最後まで読んでいただきありがとうございました。
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