A story around football ①
荒拓也(3年/DF/暁星高校)
「なんでサッカー部にいるの?」
「そりゃぁサッカーが好きだからだよ」
え、本当に言ってる??
こんにちは。ご挨拶が遅れました。東京大学運動会ア式蹴球部の主将を務めています、荒です。
最近、Aチームで毎週4人による自己開示MTGというものが始まった。
内容はサッカーを始めたきっかけや、成功体験や挫折・心境の変化、及びそれらを通して今自分がこの部で頑張る理由や今年どうしていくかをスライドにまとめて紹介するものである。
聞き手としては発表者の深い部分を知ることができ、話し手としてもスライドを作る際に上記のものを再認識できる機会となる。部員の意外な面も知ることが出き、自分は結構好きな時間である。
そんなMTGも荒は最後に当てられるだろうという予想がなされるなか、実際に周りが当てられていき、そろそろ自分のも考えないといけない時が来た。
そして冒頭の話に戻る
なぜ荒はサッカー部にいるの?
この話をするにあたって、多くの人に嘘をついていたことがある。
自分は恐らくサッカーがそこまで好きではない
幼稚園の頃に兄の影響で始めたサッカーは楽しかった。ボールを蹴ること、サッカーの試合を見に行くこと、兄を応援すること、応援グッズを買うこと、全てが楽しかった。
一方で小学6年生の卒業間近になり、自分があまりクラス全体から好かれていないことが分かった。今でこそ笑える軽いイジメのエピソードもあの時は見ないふりをしてクラスの人気者だと思っていたが、小学校での社会関係はどうやら上手くいっていなかったようだ。
それでもサッカークラブに居た人を中心に個人個人では仲良くしていたと思う。
そんなことを経て暁星中学校に入学した。暁星は体育がほぼサッカーであるというサッカー学校であり、サッカー部というコミュニティに所属しているだけでとりあえずカーストは上の方であり、安全地帯なのである。
サッカー部ではDチームスタートであったこともあり、とにかくガムシャラに頑張った。
「サッカーが上手いやつが全て」みたいな話はあるが、自分が思うにあそこは「サッカーを誰よりも頑張る奴が全て」であった。
今思えば口も悪くアツいだけの自分に仲良くしてくれた人たちのおかげなのだが。
気づけば新チーム発足直後に急遽Aチームに上がり、中3の全国大会では松木玖生と並び大会優秀選手を獲得、東京都優勝を目指すレベルのチームも全国3位になるという華やかな結果になった。
当時は自分はプロを目指そうとは思わなかったが、あまりのシンデレラストーリーに自分は主役であると思い込んでいた。
楽しかった。幸せだった。それなのに今思えばここから自分にとって、「サッカーは友達を作る手段」になっていた。なぜか?
どうやら、サッカーで良い結果を出せたことより、あれだけぶつかり喧嘩しながらも、信頼しあって奇跡を起こしてきた仲間が出来たことが最高に嬉しかったのだろう。だから流れるように高校の部活を続けることにした。高校も同様に何度も辛い時期はありながらも全員で乗り越え、やはり本当の仲間を見つけられたことがサッカーやってて良かったと思える理由であった。
そして東京大学に入学。
高校で完全燃焼した自分は、可愛い女の子との青春やThe東大なアカデミックな活動をしたいと思い、色々なサークルに興味を持ちオリエンテーションを周っていた。
しかし何故か2回ほどしか行かなかったア式蹴球部へと5月に途中入部していた。
「なんでア式蹴球部に入ったの?」
こう聞かれたらこう答えている
「岡部に熱烈なアプローチを受けたからだよ」
確かにこれは間違っていない。彼のアプローチで入部を決めたのであるから。
しかし、よく考えるとどのみち入部していたのだと思う。
それはやはり、自分がサッカー以外で友達を作るやり方が分からなかったからである。
多分そろそろ「嘘つけ!」という言葉が飛んでくると思うので訂正しておくと、自分は人付き合いは非常に得意である。
しかし、小学校の経験もあり、嫌われることを恐れて人の顔色を窺い、良くも悪くも人に合わせて喋ってしまう自分にとって、気を遣わない友達を作ることは苦手なのである
そんな自分にとって、中高時代がそうであったように、
一つの目標に向かってぶつかりながらも本気で取り組むなかで生まれる仲間意識
これこそが友達であった。
少し恥ずかしいが自分が思う仲間のイメージがある。
私達は上から紐で吊るされながら手を繋いでいる。全員が同じ目標という点から紐で吊るされているならば、例え手を離して遠くなってしまってもそこまで離れないし、目標への紐を伝えば再び近づくことができるのである。
試合前のあの時間は心を落ち着けるとともにメンバーの心を一つにする効果はあると我ながらに思っている。
少し脱線したが、要するに多くの大学生がそうであるような、「一緒にいる時の面白さ」や「気が合う」で一緒にいるのは苦手なのである。
さらに分かりやすく言えば、仲良くなって一緒にいるというより、一緒にいるから仲良くなるタイプなのである。
だから自分は週6日一緒にいる部活を選んだし、多少なりともサッカーが上手ければ少しは仲良くなりやすいだろうという無意識的な考えで入部をしたのだ。
そして今もなお変わらない。なんでア式でサッカーをするのか。答えはもう分かるでしょう。
これまでの話は、星と泉澤も錦谷に最近した以外には高校同期にも話したことのない内容である。あの星が驚いたのだから皆も驚いたでしょう。
さてア式に入ってからのことは今度書くとして、feelingsお馴染みの入部経緯を見て飽きてきたと思うので、ここからは今の自分が思うことを伝えていきます。
この写真は2年生時のリーグ最終節の写真であり、自分が最も好きな写真である
「そりゃぁサッカーが好きだからだよ」
え、本当に言ってる??
こんにちは。ご挨拶が遅れました。東京大学運動会ア式蹴球部の主将を務めています、荒です。
最近、Aチームで毎週4人による自己開示MTGというものが始まった。
内容はサッカーを始めたきっかけや、成功体験や挫折・心境の変化、及びそれらを通して今自分がこの部で頑張る理由や今年どうしていくかをスライドにまとめて紹介するものである。
聞き手としては発表者の深い部分を知ることができ、話し手としてもスライドを作る際に上記のものを再認識できる機会となる。部員の意外な面も知ることが出き、自分は結構好きな時間である。
そんなMTGも荒は最後に当てられるだろうという予想がなされるなか、実際に周りが当てられていき、そろそろ自分のも考えないといけない時が来た。
そして冒頭の話に戻る
なぜ荒はサッカー部にいるの?
この話をするにあたって、多くの人に嘘をついていたことがある。
自分は恐らくサッカーがそこまで好きではない
幼稚園の頃に兄の影響で始めたサッカーは楽しかった。ボールを蹴ること、サッカーの試合を見に行くこと、兄を応援すること、応援グッズを買うこと、全てが楽しかった。
一方で小学6年生の卒業間近になり、自分があまりクラス全体から好かれていないことが分かった。今でこそ笑える軽いイジメのエピソードもあの時は見ないふりをしてクラスの人気者だと思っていたが、小学校での社会関係はどうやら上手くいっていなかったようだ。
それでもサッカークラブに居た人を中心に個人個人では仲良くしていたと思う。
そんなことを経て暁星中学校に入学した。暁星は体育がほぼサッカーであるというサッカー学校であり、サッカー部というコミュニティに所属しているだけでとりあえずカーストは上の方であり、安全地帯なのである。
サッカー部ではDチームスタートであったこともあり、とにかくガムシャラに頑張った。
「サッカーが上手いやつが全て」みたいな話はあるが、自分が思うにあそこは「サッカーを誰よりも頑張る奴が全て」であった。
今思えば口も悪くアツいだけの自分に仲良くしてくれた人たちのおかげなのだが。
気づけば新チーム発足直後に急遽Aチームに上がり、中3の全国大会では松木玖生と並び大会優秀選手を獲得、東京都優勝を目指すレベルのチームも全国3位になるという華やかな結果になった。
当時は自分はプロを目指そうとは思わなかったが、あまりのシンデレラストーリーに自分は主役であると思い込んでいた。
楽しかった。幸せだった。それなのに今思えばここから自分にとって、「サッカーは友達を作る手段」になっていた。なぜか?
どうやら、サッカーで良い結果を出せたことより、あれだけぶつかり喧嘩しながらも、信頼しあって奇跡を起こしてきた仲間が出来たことが最高に嬉しかったのだろう。だから流れるように高校の部活を続けることにした。高校も同様に何度も辛い時期はありながらも全員で乗り越え、やはり本当の仲間を見つけられたことがサッカーやってて良かったと思える理由であった。
そして東京大学に入学。
高校で完全燃焼した自分は、可愛い女の子との青春やThe東大なアカデミックな活動をしたいと思い、色々なサークルに興味を持ちオリエンテーションを周っていた。
しかし何故か2回ほどしか行かなかったア式蹴球部へと5月に途中入部していた。
「なんでア式蹴球部に入ったの?」
こう聞かれたらこう答えている
「岡部に熱烈なアプローチを受けたからだよ」
確かにこれは間違っていない。彼のアプローチで入部を決めたのであるから。
しかし、よく考えるとどのみち入部していたのだと思う。
それはやはり、自分がサッカー以外で友達を作るやり方が分からなかったからである。
多分そろそろ「嘘つけ!」という言葉が飛んでくると思うので訂正しておくと、自分は人付き合いは非常に得意である。
しかし、小学校の経験もあり、嫌われることを恐れて人の顔色を窺い、良くも悪くも人に合わせて喋ってしまう自分にとって、気を遣わない友達を作ることは苦手なのである
そんな自分にとって、中高時代がそうであったように、
一つの目標に向かってぶつかりながらも本気で取り組むなかで生まれる仲間意識
これこそが友達であった。
少し恥ずかしいが自分が思う仲間のイメージがある。
私達は上から紐で吊るされながら手を繋いでいる。全員が同じ目標という点から紐で吊るされているならば、例え手を離して遠くなってしまってもそこまで離れないし、目標への紐を伝えば再び近づくことができるのである。
試合前のあの時間は心を落ち着けるとともにメンバーの心を一つにする効果はあると我ながらに思っている。
少し脱線したが、要するに多くの大学生がそうであるような、「一緒にいる時の面白さ」や「気が合う」で一緒にいるのは苦手なのである。
さらに分かりやすく言えば、仲良くなって一緒にいるというより、一緒にいるから仲良くなるタイプなのである。
だから自分は週6日一緒にいる部活を選んだし、多少なりともサッカーが上手ければ少しは仲良くなりやすいだろうという無意識的な考えで入部をしたのだ。
そして今もなお変わらない。なんでア式でサッカーをするのか。答えはもう分かるでしょう。
これまでの話は、星と泉澤も錦谷に最近した以外には高校同期にも話したことのない内容である。あの星が驚いたのだから皆も驚いたでしょう。
さてア式に入ってからのことは今度書くとして、feelingsお馴染みの入部経緯を見て飽きてきたと思うので、ここからは今の自分が思うことを伝えていきます。
この写真は2年生時のリーグ最終節の写真であり、自分が最も好きな写真である
今の自分のモチベーションの根源は、上手くなることでもなく目の前の相手に勝つことでもない。
これである。
つまり、ア式に関わる人の最高の顔である。
それは、上手くなったり得点を取ったりすることで得られるだろう
だから今は自分が上手くなることよりも、後輩・同期が上手くなることの方が楽しい。
その最たるものを引き出すものが、チームが一つになる瞬間であり、さらにそれを生むのは勝利であり、残留・昇格の達成である。
だから目の前の敵に負けるわけにはいかないし、妥協をするわけにもいかない。
そのためにこの一年は人生の中で最も本気を出し、自分が残せるものを全て残したいと思う。
最後にもう一つ。
この部には色々な人がいて良い。公式戦に出て勝利することだけが全てではない。全員がこの部でやりたいことを見つけながらそれに向かって本気で取り組めば良いのである。
サッカーニキ・都学連ニキ・応援ニキ・総務ニキ・試合運営ネキ・プロモニキ・実況ニキ・分析ニキ・ポンコツニキ・GSSネキ・(恋愛ニキ?)・多くのアニキ・アネキでこの部は成り立ち、最高のア式を各々精一杯作っていくのである。
優秀である必要はないし、正解や目指すべきものなんてない。苦手なことも得意なことも全力で取り組む部活でありたいと思う。
苦しいかもしれないが全員で楽しんでいきましょう
ともに強い東大と
ただ一つ
荒拓也
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