2018年11月16日金曜日

ア式蹴球部との出会い

入学して早半年の時間が過ぎた。半年前までは自分が東大に通うことになること、ましてや東大でサッカーを始めることなんて夢にも思わなかった。ア式女子に出会えたのもほぼ偶然といっても過言ではない。
4月当初は、新歓で印象が良かったア式男子部のマネージャーをしようと思っていた。しかし男子部と女子部の合同新歓で女子部の先輩と意気投合した。中高でやっていた部活や科類、選択言語も同じで運命かと思った。それからはほぼ勢いで女子部への入部を決めた。

始めは正直練習メニューについていくのでいっぱいいっぱいだった。受験期の運動不足に加え、今までチーム競技をやったことがなかった私はできないことだらけで、早く上手くなりたいと焦っていた。
でも、先輩方は本当に良い方ばかりで、何度も何度も繰り返しサッカーの基礎について教えてくれた。私はそんな先輩方の期待に応えたいと思ったし、リーグ戦が佳境に入った今でも強くそう思っている。

リーグ戦が残り少なくなり、四年生の先輩方の卒部が目前になった。正直寂しくてたまらないし、来年自分が先輩としてちゃんと出来るのか不安も大きい。でも、今自分の中で大きな目標ができた。それは卒部される先輩方が驚いてくれるほど上手くなって、来年の関カレではもっともっと活躍できるようになりたいという目標だ。
サッカーについて右も左も分からなかった全くの初心者だった私に優しく声かけをしてくれた先輩方に恩返しがしたい。また、そんな環境を作ってくれたア式蹴球部女子に貢献したい。今はそんな気持ちを抱えながらリーグ戦に挑んでいる。
半年前に今のこの状況を想像できなかったように、これから半年後には今の自分では考えられないくらいサッカーが上手くなることもできるんじゃないかと思っている。というかそうなりたいし、そうなれるように努力したい。
とりあえずまとめると、上手くなりたいということです。自分のためにもお世話になった先輩方のためにも。


ボールの落としは上手くなっても単位を落とすのは上手くなりたくない。
女子部1年 吉松彩

2018年11月12日月曜日

趣味のススメ

大学から始める趣味は“競争性”のないものにしようと決めていた。
11人のレギュラーへ、隣より0.1秒でもはやく、相手の意図を外して有利に……。
たしかに努力の末に、戦略性や体格で敵を倒す快感は最高で、だからこそ大学でもア式を選んだ。

けどそれと同時に、オンの状態だけでなくオフも楽しみたいという気持ちがあった。
例えばピアノはオフの趣味で、楽譜通り弾ければ楽しいしクラシックでない限りはアレンジも自由だった。
ただ、その自由さの追求の幅はひとりでは狭いと思う。せいぜいトリルやグリッサンドを入れるくらいが限界で、ジャズ風にしたりほかの楽器を足すのはハードルが高すぎる。オフで楽しめるような次元をはるかに越えてる。
そこでもっと手軽に発想力や創造性を生かせる趣味を探した結果、カメラを始めることにした。
4年間で撮った試合は約90ほど、最初はボールに釣られていたのが徐々にフレームの中でボールをコントロールできるようになった。好きな写真は一貫して“物語を感じる写真”で、それは情報量が多ければいいのではなく見てて想像をかき立てられるものだ。クロード・モネやフェルメールなどの印象派の絵画はまさにそれで好き。
試合中だとどんなシーンが好きかというと、セットプレーの競り合いは好きだ。後期のvs武蔵@國學院のck守備のやつとかは気に入ってる。一瞬にたくさんの選手の表情が出ていて、西洋の絵画(宗教画など)でよく見る、それこそダヴィッドの“ソクラテスの死”のようなドラマを感じる。
最後のfeelingsというわけで、あとはいろいろと好きなもの紹介をしようと思う。最初に書いたfeelingsでは“好きなアニメベスト7”とかを紹介して、当時ほとんど喋ったことのない先輩とも話す機会が増えて他のおすすめも貰え嬉しかったのを思い出し、好きなものを共有するのは楽しくてまた新しい楽しみに出会えるのもいいなと考えた結果だ。
・カメラ
スマホ画質の進歩で、SNSレベルだと一眼との区別が付かないくらいだが、それでもカメラは持ってていいもんだ。
空前のフィルム・インスタブームに後押しされていろんなひとがカメラを始めているが、買うにも失敗できない値段でかつ知識不足の状態からだと思うので個人的なおすすめをする。
・OLYMPUS penシリーズ
軽い、安いの手軽さに加えて、このカメラを被写体にしてるひともちょくちょく見るくらいおしゃれ。フィルム風が好きなら間違いない。ミラーレスの性能気にしてる人は多いけど、オフの趣味でかつ人間の目からすればごついやつと大差ない。
・FUJIFILM x-E3
大好きなFUJIFILM、フォルムもLeicaチックでなにより色味が素敵(青が綺麗)。Canonの青は写実的な一方、ここの青はジブリの空みたいに懐かしく夏のクソ暑い日でも持ち歩きたい(ミラーレスなら軽い)。予算にもよるが中途半端に安いのにして壊れて後悔するくらいなら15年先も使えるやつの方がいい。レンズは単焦点の35mm(APS-C換算で実際は53mm)がなんでも撮れて優しそう。
・instax square SQ10
アイドル握手会でよく見るようなチェキカメラが現代風に進化したやつ。撮ったその場で現像できるのはもちろん、プリントアウトするものを選べてフィルターも着せ替え可能と万能すぎる。昔のフィルムカメラが好きな人は多いが(えもいから?)いざ始めるとほんとにしんどい。12枚しか撮れないし撮っても現像出すまで見れないし軽い気持ちでやると挫折する。
このカメラは現像できるのは10枚なので、デートとか友達との旅行帰りに選びながらきゃっきゃできる。10枚繋げてひとつのストーリーにするのもいいと思う。SNSに無限にアップするのもいいけど、こういう思い出の残し方もいいなと思った。
ちなみに、どんな人から影響を受けているかというと、作風は岩倉しおりさん。写真への向き合い方や考え方は濱田英明さん。
そして将来の目標は世界一家族を幸せに撮れるひとになること。
・ファッション
“イギリス×クラシック”が好きすぎて、持ってるものも何かしらそれにルーツがある気がする。たぶん初めてのヨーロッパ旅行がロンドンで印象深かったのが影響してる。
ただアホみたいに高いやつばっかなのでポパイで紹介されてるやつを眺めて楽しむのが精一杯。
・Reebokのクラシックスニーカー
ニューバランスのスニーカーでいいやつはビックリするくらい高い。ABCマートに置いてあって好きなの探していたらぴったりなのがあった。白スニーカーだから汚れやすいけど、意外にもギャッツビーで拭き取れる(傷んでるかも)。一日中履いてても疲れないし大好き。
・LEVI’S 511
10年前くらいのトリビアの種で、1番破れないジーパンになってたLEVI’S。一生履けるデニム1本くらいあるといいなあとポパイに影響されて買った。新宿で試し履きしてアウトレットで買うのが丸い(3000円くらいで買えた)。
501が有名で種類が多すぎて違いがよく分かっていないが、まだ体格変わる可能性あるしストレッチ素材の入ってる511にした。色あせたり変化してくのも味だと思って楽しめるからデニムは好き。
定価よりオトクに買えるのが嬉しくて、株主セールやらヤフオクからフリマまでいろいろ試したけど、中古サイトが案外楽で安かった。最近の中古サイトは、CtoCのサービスより管理がしっかりしていて、どこの部分がほつれてるとか汚れがあるとか写真付きで書いてくれて、猫の毛が付いてるだけで9割引きみたいなこともあるからおすすめ。
あとは今欲しいやつ。
・GROVERALLのダッフルコート
たしかひとつ上の先輩が着ててかっこいいなあと思ってたやつ。日本人体型にトレンチコートの形は似合わないと某が体張って証明してたし、ダッフルはフード付いてて子供っぽく見られそうだけど、本家のデザインならそんなことなさそう。
真冬のコートで一番嫌なのは“重い”ことで、とくにヴィンテージ好きで古着なんかネットで頼むと1日着てるだけで肩こる。
その点ダウンジャケットはもこもこしてて軽くて暖かいからよかった。ジャケットタイプなら体型気にしなくていいし。
GROVERALLは元々世界大戦の頃の余った軍服を回収して大衆に販売した?とかの背景があってデザインのルーツも素敵。
アウターくらいイイヤツ着たい。
・PORTERclassicのリュック ニュートンモデル
PORTERのカバンはわりと有名で、そこから日本人デザイナーの方が派生させたブランド。
エナメルバッグとか片側の方にかけるバックは姿勢が歪むという話聞いてからリュックにこだわるようになった。
リュック買うとき気にするのは、“容量”、“見た目”、“機能性”で、特に大量の小物入れてる身からするとポケット多いとわくわくする。社会人なって普段使いできるデザインも嬉しいけど、このリュックはまさに両刀使い。
そして一番すごいと思ったのが、ありえないくらい軽い。肩にかける部分のクッション素材が革新的らしく、6キロのダンベル入れられても全然重さを感じなかった。いつになるか分からないけど絶対買う。
・映画
・タイタニック
初めて見たときは居酒屋で、サイレントだったけど泣きそうになるくらい感動した。ディカプリオかっこよすぎる。
氷山ぶつかってからが本番で、沈んでくなかで船員も客も皆いちいちかっこいい。特にオーケストラの方々とブランデー注文してたおっさん。生きるのが絶望的になったとき、泥臭く抗うのもかっこいいし、あんな風に誇りを守るのもかっこいいなと思った。
・音楽
大学入ってから聞く音楽の幅がぐっと広がった。たぶん、浮世離れしてるひとから地に足付いてるひとまで、“かっこいいな”と思える人がたくさん増えてきたから、どんな音楽好きなのか気になったのがきっかけだ。なので大学入ってからハマったアーティストを。
・きのこ帝国
“えもい”という単語がヤバいと同じくらい汎用性高くなり、いろんなベクトルで使われるようになったけど、一番このアーティストの曲が身近に感じる。とくに「桜が咲く前に」や「ロンググットバイ」はぐっとくる。バンドでいえば相対性理論もLUNKHEADもアンダーグラフもbacknumberもビートルズもBon・JoviもミスチルもRADも、スチャダラパーとかクリーピーナッツのラップ調も皆好きだけど。
・Alan Walker
EDMを聴き始めたのはほんの最近で、Aviciiとか聴いてたときにおすすめしてもらってハマった。中高はNightcoreという洋楽をテンポよくリミックスしたやつが好きで聴いていたけど、この人の曲は短調で切ない部分もありつつ盛り上がるからどんな気分でも聴ける。目覚ましは“All falls down”だ。
・haruka nakamura
歌う人が生身の人間じゃなくてもよくて、歌わない曲も全然いいと思う。元々クラシックはショパンやドビュッシーが好きで、いまのひとだと久石譲や坂本龍一。
この人の曲は即興演奏に近く、ライヴにいったときは音楽が創られる瞬間に立ち会ったような感覚だった。1音1音が遠く夢の中に連れてってくれるので寝る前によく聴いてる。おすすめは“八星”。
ア式の4年間でいろんな立場に立って、いろんなことを見聞きして行動に移してと、この先数十年のなかで必ず活きる経験が積めました。ありがとうございました。
これからもポンのストーリーお楽しみに!!
4年 増田伶

2018年11月9日金曜日

誰のためか

「自分のためにサッカーするのもいいが、もう一皮むけて人のためにプレーできるように。」

高校の監督がとある練習後に部員全員に話した言葉です。高校生のときは人のためにプレーするとはどういう意味かピンと来なかったですが、今は自分なりの明確な答えがあります。

今期は多くの方々から期待されているんだな、応援されているんだなと実感する機会がたくさんありました。二部優勝おめでとうとメールを送ってくれた小学生の時のコーチ。試合を見に来てくれた高校の同期、先輩、後輩や大学の友達。来季も期待してるぞと言ってくれたア式OBの方々。インスタで昇格おめでとうとメッセージを送ってくれた仲のいい美容師の(かわいい)お姉さん。「ア式優勝したんでしょ?」と話しかけてくれた普段はあまり喋らない学科同期。そのほかにもたくさんいてここでは書ききれません。ア式や自分の活動を少しでも気にかけてくれる人がたくさんいることに改めて気づかされ、そういう方々の期待を裏切らないように日頃のトレーニングからハードワークと野心を絶えず持って練習に励もうと自分に再度誓いました。これが「人のためにプレーする」に対する僕の答えの半分です。僕が頑張る理由の『もう半分』は以下の通りです。

小学生のころ、僕はサッカー以外何もしていませんでした。夏休みにいたっては朝9時に小学校のグラウンドに行き昼までボールを蹴り、一回家に帰って昼食を取ってまたグラウンドに行き日が暮れるまでボールを蹴っていました。なかなか帰らないので職員室から出てきた先生に「いい加減帰りなさい」とよく言われていました。友達はみんな涼しい部屋でテレビゲームをしたり、どこかにお出かけしたり、中には◯能研のカバンを背負って塾に行っていたりしました。飽きもせず35度を超える炎天下の中、1日中ひとりでボールを蹴っている奇妙な小学生なんて僕くらいでした。
中学校は毎週トイレの壁が壊れるような少々荒れた中学でした。サッカー部も例外ではなく先輩たちはヤンキーみたいな人が多かったし、居心地のいい部活ではなかったです。しかし、いかんせんサッカー馬鹿なのでボールを蹴っている時だけはそういうことを全て忘れることができました。
高校は打って変わって大変充実していました。監督のことは大変尊敬していますし、多くのことを教わりました。チームメートと共有した勝利の喜びも敗北の苦い記憶も忘れませんし、海外遠征などの貴重な経験もたくさんできました。一般的な高校生がEnjoyする「The 青春」みたいなものは僕には微塵もなかったですが、もう一度高校生に戻れるとしてもサッカーばかりやると思います。(別に負け惜しみではありません。)
そんな僕でも高校サッカーを終えた時はかなり燃え尽きていました。「大学は関東リーグにいるチームに行って自分がどこまで通用するか頑張るんだ!」という気持ちは微塵もなく、むしろ「自分ってサッカーばかりやってきたけど、他の可能性も探ってみたい」と強く思うようになりました。行き着いた結論は東大で学問を頑張りたい、でした。しかし、それは「サッカー:勉強」の比重を変えるわけではありません。欲張ってどっちも頑張りたかったのです。高校ではなかなか両立できなかった勉強とサッカーをうまく両立しようと思ったのです。

ここまでが東大ア式に入るまでの大まかな経緯ですが、最初の二年間はなかなか結果が出ませんでした。一年目は一部で18試合中わずか2勝。2年目は2部で屈辱の6位。この成績では「僕は東大で勉強もサッカーも両方頑張っています」と自信を持って言うことは不可能でした。そもそもろくに試合すら出れていなかったですし。
それでは今季はどうでしょうか。おそらく自分や応援してくれるたくさんの方々のためだけにサッカーをしていたら今季は充実のシーズンだったと思います。見にきてくれた方々に多くの試合で勝利を届けることができましたし、個人としてもリーグ優勝に貢献したという自信はあります。
しかし、です。東大サッカー部を目指す全国の高校生、浪人生にとって2部優勝がどれほどの価値を持つでしょうか。かつての僕のように大学で勉強を頑張りながらサッカーも高いレベルで頑張りたいと思っている彼らに『東京都2部優勝』は十分な結果でしょうか。
決して誤解して欲しくないのですが2部優勝に価値がない、などとは一切言っていません。ア式の全部員が優勝に値するし、誇らしいことであることは言うまでもありません。ただ、ア式を特に熱心に応援しているわけではない高校生達にとっては2部優勝はまだまだインパクトが小さいのです。彼らに「ア式ってレベル高いな!俺もア式に入って活躍したいな!」と思わせるには一部で互角以上に闘える、もっといえば関東リーグに手を届かせるチームにならなければいけないと思っています。「東大生なのにサッカーもそこそこ上手いね、すごいね」の精神では彼らには何も響きません。ア式が目指すべきなのは「勉強を頑張ってかつサッカーも強い集団」だと思っています。そうしてはじめて全国の文武両道をめざす東大受験生の目標になれて、一種のロールモデルになれると思っています。大学ではサッカーに絞って頑張ろうか、それともサッカーをやめて勉強に専念しようか。そんな考えではなく、東大で学びかつサッカーも頑張る。「サッカー:勉強」を6:4でも5:5でも4:6でもなく、10:10で頑張る。そういう「無茶だろ、あほか」と言われるようなことに挑戦する姿を全国の高校生に発信することこそが「東大ア式蹴球部だからこそできること」であり、そのために1部での結果が必要なのです。
以上が冒頭で述べた頑張る理由の『もう半分』です。「二兎」を追う全ての高校生のために頑張りたいという事です。

これは口で言うのは簡単です。言うだけならかっこいいし、頑張っているように聞こえます。でも体現するためにはかなりの努力が必要です。他の大学の選手が遊んでいる間も自分は筋トレしなきゃ上回れないし、レポートや課題に追われても、グラウンドに行けば自分の弱点と向き合って100パーセントの力を出さなければいけません。でもこれらの努力は僕にとって全く苦ではありません。サッカーが好きだからです。応援してくれる多くの方々のためだからです。そして、自分と同じようにサッカーも勉強も高いレベルで頑張りたいというエネルギッシュな全ての「未来のア式部員」のためだからです。
来期の1部での挑戦はそういう意味で大変粋に感じています。あとはピッチの上で結果を出せるよう頑張ります。

キラキラ大学生のような「The青春」はまたもお預けのようですね。(別に負け惜しみではありません。)


3年 中村紳太郎

2018年11月6日火曜日

心のクラブ

923日 帝京大学戦 @御殿下
この試合のことを僕はきっと忘れないだろう。



サッカーを始めてからもう15年くらい経った。その中でも忘れられない試合というのが何試合かある。小学生の時に市大会の準々決勝で負けた試合、中学生の時に遠征でボコボコにされてどうしていいかわからなくなった時、私学大会の3位決定戦で負けた試合。思い返すとそのほとんどが負けて悔しくて泣いた試合だ。高校でキャプテンをやっていた時、個性の強いメンバーの中で一歩引いて、勝った時も負けた時も出来るだけ感情を出さないようになっていった。今思えば負けることが怖くて、ただ逃げていただけかもしれない。こうしていつしかサッカーで感情を爆発させることはどんどん無くなっていた。

大学でサッカー部に入るつもりはなかったが、気付いたらまたサッカーがやりたくなってア式に入っていた。今までより深くサッカーについて考えるようになって毎日楽しかった。最初の頃は遼とか日野とか、正直怖かったけど必死に考えて、教えてもらって、練習して、試合して、また考えて。忘れかけていたサッカーの楽しさを思い出していた。でも、やっぱり公式戦に出てない分チームの勝ち負けに対して一歩引いてしまっている自分がいた。もちろんリーグ戦に勝ったら嬉しかったし、負けたら悔しかったけどなんか違った。一年の時の最終節、東経に負けて泣き崩れる先輩を見て、この人たちと本当の意味でチームメイトになれていなかった気がした。

一年の秋、新人戦チームに呼んでもらって初めてAチームでプレーする選手と一緒に練習した。
けど何も出来なかった。
技術的に下手だったとかそのレベルではなく、練習中ずっとびびって、コーチや周りに怒られないように、それで精一杯だった。そんなメンタリティでは試合に出られるわけもなく、折角の機会を無駄にしていつの間にか新人戦が終わっていた。きっとこの時にもう選手として限界だったのだと思う。そこから必死に頑張ってみたけど一個下が入ってきて、育成でも試合に出られなくなって、二年の夏に選手としてのア式での日々が終わった。

そこからスタッフになって、選手の時以上にチームにコミットしようと頑張った。グラウンド業務、サッカーフェスティバル、カイザー杯、五月祭、主務、学生GM。本当に色々やって自分なりに頑張ってきたつもりだった。選手の時以上に結果に責任をもって取り組んだつもりだった。でも、去年のリーグ戦は勝てなかった。そして、僕は何も出来なかった。チームを強くすることも、魅力的なクラブにすることも。これ以上何をすればいいのか。先が見えない不安、結果に結びつかないもどかしさ。そんな暗い気持ちのまま三年生のシーズンが終わった。


ラストシーズン。組織を一から見つめなおして幹部やスタッフでミーティングをする日々は続いた。学生GMとしての仕事も主務の仕事も慣れてきて、少しずついい方向に進んでいる手応えはあった。でも、プレシーズンでチームは全く結果を残せなかった。アミノでの日商戦後、わずかながらの手応えを感じてしまっていた自分が情けなくて自己嫌悪に陥った。チームに迷惑かけられないから、毎日部室に行って出来ることをひたすらやって気持ちを落ち着けていたが、得体のしれない何かに押しつぶされそうな毎日に、何度解放されたいと願っただろう。このままでは自分が何者にもなれない気がして本当に辛かった。

迎えたリーグ戦。開幕戦の亜細亜と試合。プレシーズンとは見違えるようなプレーを見せる選手の姿にはっとさせられた。選手はぎりぎりのところで全てを賭けて闘っているのに自分は何をびびっているのか。自分たちが信じて歩んできた道は決して間違っていなかったと証明しなければいけない、そんな風に勇気づけられた。試合は負けたがこの試合を記録員として観ながら、このチームならやれる、そう確信した。

リーグ戦の日は朝から食事が喉を通らないほど緊張する日々が続いた。それは試合への不安と高揚感の混ざった、サッカーで感情を爆発させていた頃に感じた感情そのものであった。試合前の円陣、入場、キックオフの笛。その瞬間に感じる武者震いのような感覚はきっと自分がピッチでこれから闘いに向かうかのようであった。本部からピッチで躍動する選手を観ているといつの間にか引き込まれていき、いつの間にか熱くなっている自分がいた。(何回か本部は静かにと注意されました笑)試合が終わると自分はプレーしていないのに身体の力が抜けて疲れがどっと押し寄せる。まさしく選手と一緒に闘っている感覚であった。


順調に勝ち点を積み重ねて迎えた帝京大学戦。勝てば昇格決定、負ければ首位陥落という大一番。この試合も本部から観ていたが、はっきり言って感動した。プレーだけでなくこの試合に賭ける想いでも相手を圧倒していた。3点取っても最後までボールを動かして、プレスかけて点取りに行く。9月下旬にしては暑い中できっときついはずなのに誰一人として最後までハードワークをやめなかった。今年ずっと見てきた光景だったはずなのに感動した。
試合後の集合で遼が言葉に詰まったのを見て涙が止まらなくなった。それは嬉しさからきたものか、安堵からなのかわからない。でも涙が止まらなかった。高校の時にいつの間にか忘れていた感情をア式のみんなは思い出させてくれた。集合の後も泣き続けてみんなに笑われたけど。


この4年間で本当にたくさんの人にお世話になった。同期、先輩、後輩。他の部活の仲間、大学関係者、色々な高校の先生、文京区の方、LB会の先輩方。挙げだしたらキリがないほど多くの方と会い、未熟で生意気な僕を指導して下さった。そんな人たちに支えられた4年間、入部したころよりは少しは大人になれた気がする。僕自身は一人の部員としてこのア式というクラブに何が出来たかわからないけど、ア式は僕に本当に多くのことを教えてくれた。きっとこれから先、死ぬまでずっと僕の心はア式にある、そんな気がする。



4年間お世話になりました。そして、最後にこれだけ言います。

僕は東京大学ア式蹴球部が大好きです。


4年 STAFF  糸谷 歩

2018年11月3日土曜日

ライオン

10月14日、リーグ戦最終節が終了し4年生が引退した。

3試合を残して1部昇格、2試合を残して2部優勝を決めた今年のシーズンは前期から通じて確立したプレーモデルに基づき支配率の高い綺麗なサッカーを実現できた。


個人的にも6ゴール10アシストでアシスト王を獲得するなど昨期からの成長を自覚できるシーズンであった。



そのような高いパフォーマンスを維持できた背景にはのぼりさんにずっと言われてきたシュートへの意識の改善や、食事や睡眠などへの意識の徹底といった面もあるが、特にチームとしての周りのサポートが大きかった。


試合に出てチームの力になることが選手の最大目標であるが、ふと周りを見ると朝早くからの準備だったり声を張り上げて応援してくれる選手やスタッフの存在に改めて気づく。

東大ア式のスタメンは彼ら彼女らのために責任をもって精一杯闘わなくてはいけないという当たり前のことを再認識できる。

今期は特にチーム全員で闘ってるんだと実感できる瞬間がたくさんあった、ありがとう。



ピッチ外の支えだけでなくピッチ内でも多くの支えをもらった。特に前線を一緒に形成した中沖さん、寺さん、佐俣さん、菖さん、日野さんら4年生。

中沖さんや寺さんと左サイドを崩していくときのワクワク感だったり、菖さんにスルーパスを通すときの気持ち良さ、佐俣さんのポジショニングや日野さんのビルドに感嘆することももうないと思うと寂しいものがあるし、彼らには本当に感謝しかない。
帝京戦前のミーティング、まじ燃えました。




このようなピッチ内外でのサポートを受け、チームとしても個人としても調子を高く維持したが、最後の2節、よりによって4年生に有終の美を飾らせてあげたかった最後に自分達のサッカーが出来なくなったことはチームの課題として認識せざるを得ない。

不測のハプニングや主力の怪我、出場停止などに対処しきれないチームの甘さが露呈し来期への不安が残る結果となった。
自分自身としても最終節はシュートやパスの精彩さを欠き、後期決めてきた6点のゴールよりずっと簡単なシュートチャンスを逃し、今まで何本も通してきた菖さんへのスルーパスを通せなかった後悔が今も残っている。




来期、結果を伴いつつ後悔もない充実したシーズンを送るために、今期の振り返りはこの辺にして、ここからは来期チームとして個人として各々がやるべきだと感じることを書いていく。



槇さんもfeelingsで注意喚起していたが僕らは来期、さらに高いレベルのリーグで勝たなきゃならないことをチーム全体として改めて認識しなければならない。

今年のチームのクオリティ以上のものを実現させないと関東昇格という目標を達成することは夢となり、気づいたときには残留争いを強いられることになるだろう。

今年確かにチームは強く負けないシーズンだったが、2部だからなんとかなったシーンも散見され、来年そう甘くはいかない。

中沖前主将がよく言っていた「自信は持っても慢心はするな」の言葉の通り、自分達が貫き通してきたサッカーにある程度の自信はもちながらも、常に上を見続けストイックに取り組んでいこう。


一方で1部の相手を過度にリスペクトしすぎる必要は全くないとも感じる。
昨年同じリーグでやっていて練習試合でも勝っている大学が今年1部で健闘したことを見ても、今後各人がレベルアップを重ねチームとしての力を上げれば充分やれるし、関東昇格は夢物語ではなく実現可能な目標となる。




トップチームにいる選手、特に今年のシーズンから試合に出ている選手は普段の練習中から常に高いレベルを求め続け、try&errorを通した課題の克服を重ねる必要がある。

4年生が抜け新チームが発足し、練習の質が落ちてしまうことは避けられないがそういったときにチームを高いレベルに押し上げていくのは間違いなく今期トップチームにいた選手だ。

自分達がチームの中心であり昇格させるという覚悟がなければならない。中沖さんや日野さんに引っ張ってもらってたときとはもう状況が違う。


個人的にも来期は自分のパフォーマンスの良し悪しが直接チームの結果を左右するという自覚と責任を持って闘うつもりだ。

自分もまだ1部を経験していないため想像の中で描くしかまだできないが、間違いなく今よりもっと成長しなくてはならない。

チームは必ず今期より辛い状況に陥る。そんなときに自分のプレーで流れを変える、こいつならなんとかしてくれると頼られる今期の中沖さんのような、いやそれ以上の存在になる。

幸運にもまだ来期は遼くんがいてくれる。意識次第でまだまだうまくなれると感じている。




今までベンチ入りはしていたがあまり出場機会がなかった選手は、次は自分が活躍するんだという積極的な姿勢でスタメン争いを熾烈にして欲しい。





育成チームの選手(特にまだ経験の浅い1年生)は、もしかするとトップの選手を見たり、一緒にプレーすると差を認識し打ちひしがれることもあるかもしれない。

でもそこからの振る舞いが今後の成長に繋がると思う。

自分も以前はタダケンさんやのぼりさん、航さんとの差を痛感し、ユナイテッドとの練習ではミスを恐れ萎縮し自分のプレーを発揮できないことも少なからずあった。岩政さんに注意された回数は当時トップクラスだったと思う。

だが、自分より高いレベルの集団でプレーすることは必ずレベルアップに繋がる。

成長のチャンスを手にするか否かは自分の姿勢次第である。

冷静に自分の課題を認識し、コーチの指導に改めて耳を傾け純粋にサッカーを楽しめば必ず結実するので主体的に取り組んでほしい。育成チームからの底上げがチーム全体の力になることは言うまでもない。




そしてスタッフチーム、あのとてつもなく大きな存在だった4年生スタッフが抜けて来期に向けて不安を感じているかもしれない。

先ほども書いたが、今期のように勝ち続けることは間違いなく難しくなりチームの雰囲気が悪くなることもあると思う。

でもそんなときも今期のようにずっと支え続けてほしい。スタッフの頑張りが、支えが、本当に選手の力になるから。俺たちももっと頑張らなきゃいけないって思えるから。
選手、スタッフみんなで乗り越えていこう。





改めて東大ア式は来期1部リーグへ昇格するわけだが、僕らが目指すのは残留でなくさらなる昇格だ。

口でいうのは簡単だし、実現させるのがどれほど難しいことなのかなんてわかっている。だが目指さなきゃ始まらない。



遊助の『ライオン』という歌の歌詞に

「まだ叶えてないから夢見れる、叶えられないならずっと見れる」

というものがある。大好きなこの歌詞がア式に当てはまる。

先述の通り関東昇格は夢の世界ではないが、多くの先輩方が長い間目指し続けてきた大きな目標である。

まだ叶えてない目標だからこそ達成するチャンスがある、叶えられないのなら叶うまでずっとひたむきに努力し続けてその目標を追いかける。

関東昇格を目指せるシーズンを送れることに感謝して全力でやろう!



ということで来期までにチームとして成長し、必ずチャンスを掴み取り、目標を現実に変えるという強い気持ちを持って日々取り組んでいきます。

ぜひ応援よろしくお願いします。

長い文章になってしまいましたが、最後まで読んでいただいた方ありがとうございました。



こんなこと言いながら今怪我してんのごめんなさい(笑)



 2年 中村知朗

2018年11月1日木曜日

Only Superficial

私は幼い頃見ていたサッカーアニメの影響でサッカー部に入ったため、入部当初、そこまで上達に対する思いはありませんでした(ごめんなさい!)。土日に練習があるのもめんどうだなあと思っていたし、やめたいなと思ったこともありました。しかし、合宿を終え、リーグが始まったら、私の心持ちは前とは全く違ったものになりました。今はサッカーと向き合う時、もっとうまくなりたい、そのためにどうしたら良いだろう、と考えております。とても良い心構えになりました。

私は集中力が分散しがちなため、一つのことに一生懸命になることがあまりありません。しかしそれでも、サッカーをしている時は邪念がなくなり、必死になることが多くなりました。もちろん、本気になるということは、気力を大きくそそぎこむということであるので、できた時の喜びが増すぶん、そうでない時の落ち込みは大きくなります。本気になればなるほど、自分の至らなさにショックを受けたり申し訳なく思ったり、悔しさを感じるようになりました。辛いと思うことも増えました。しかし、この気持ちが逆に私を奮い立たせてくれます。最近は自主練を始め、プレー中のビデオをきちんと見始めるようになりました。悔しい気持ちを力にして、もっとうまくなるよう、努力したいです。


突然ですが、ここでちょっとだけ普段言えないことを言わせてください。私は感謝を表に表さない人間ですのでここで示したいのです。まず我々のキャプテンに対して。私が少し落ち込んでいる時、さりげなく隣にいてくださってお話を聞いてくれて、ありがとうございます。悩んでいるといつも建設的な意見をくださるので、励まされております。隣でプレーしていると今まだ恐縮してしまうので、いつか堂々と隣に立てるようになりたいです。

また、4年生の先輩方、チームの支柱になって戦ってくださって、心強く感じています。今のリーグを終えたら引退なさると思うと、とても悲しいし寂しいです。一緒に戦った時間は短いけれど、残りも先輩方の思い出に残るような素晴らしい試合にするため、我々下級生も精一杯頑張ります。
同級生の皆さん、いつもありがとうございます。ア式に入って一番よかったと思っているのが、皆のような仲間に出会えたことです。本当に、このチームで戦えてよかったです。これからもそんな思いをできる人が増えるよう、新歓頑張ります。

ちゃんと努力と感謝ができる優等生
女子部 1年ゆうな

2018年10月27日土曜日

左胸の銀杏

またこの季節がやってきた。



どんなに細かいハンドル操作をしても、どんなに慎重につま先立ちで歩いてみても、決して避けることができないほど地面に大量に落ちたそいつらは、タイヤや靴の底で踏み潰される度に僕らの鼻腔を強烈に刺激し続ける。本来これを嗅がなければならないストレスを代償として、黄色に染まった美しい並木道を歩くことができるはずなのだが、今年は猛烈な台風がたくさん来たせいか、ただ匂いに耐えなければならない日々が続いている。これが金木犀のような甘い香りなら良いのにと毎年思う。



植物に詳しい学科の友人から聞いたところによると、東大には植栽されたこの木の多くが雌の木であった為に今こうして僕らは苦しんでいて、もしこれが全て雄の木ならば臭い実が落ちてきたりはしないらしい。つまり美しい景色を見るのに代償なんか払う必要はなかったわけだ。ただ、東大に限らず街の至る所にこんなにたくさん植えられていても実は絶滅危惧種だったりする(確かそんなことを実習で聞いた)ので安易に全部切って植え替えてくれとも主張し難い。




とまあ不満は大いにあるが、造園学の大先輩方がこうしてたくさんこの木を植えてくれたお陰で、「イチョウの葉」は東大のシンボルになっている。そして、いつデザインされたものかはわからないが、それに倣って我らが東京大学ア式蹴球部のエンブレムにもイチョウの葉が二枚描かれている。個人的にはこのエンブレムは結構気に入っている。他部との統一ロゴをア式も導入することになったが、ア式オリジナルのエンブレムも残したのはアイデンティティを残したいということの他に、単純にデザインが好きだからという部分も大きいと思う。





少し話は変わるが、クラブや団体が持つロゴであったり国旗であったり、はたまた国歌や校歌などの耳で聴くものも含めて、いわゆるその集団組織の「象徴」という言葉にまとめられるものを見たり聞いたりするのが自分は好きだ。日の丸や星条旗、ユニオンジャックなどの風にはためく国旗を眺めたり、君が代やThe Star-Spangled Bannerなどの国歌を聞いたりすると、その国の人々が紡いできた歴史を感じることができるし、赤い悪魔が描かれたマンチェスターユナイテッドのエンブレムを見れば、2人の"Sir"(イギリスのナイトに与えられる栄誉称号)であるパスビーとファーガソンが作り上げてきたチームの伝統を感じることができる。よくゴールを決めた選手がユニホームのエンブレムにキスしてるのを見ると思うが、それもクラブにリスペクトと愛を持っているからこその行為だ。


つまるところこれらの「象徴」には、その組織に関わってきた人たちの様々な想いがこもるのである。


けれどもし自分が第二次世界大戦にしろ独立戦争にしろ、ミュンヘンの悲劇やトレブルにしろ、そこに関わる人たちの経験してきたことを何も知らなければ、たぶん日の丸はただの赤い丸にしか見えないし、ユナイテッドのエンブレムは変なキャラクターが跳ねているようにが見えないだろう。興味がない人が46°の角を持った紫の直角三角形を見てもたぶんなんのこっちゃわからない。


つまりはその想いを知っている人、思いを馳せられる人だけが「象徴」を見た時、改めてそれを通して心を通わせることができるのだ。




なんだか長々と書いた割に今のところ特段強いメッセージもないが、つまりは何が言いたいかというと、ア式のユニホームの左胸に刻まれた銀杏のエンブレムにもたくさんの人の想いがこもっているはずだ、ということ。ただしこれは誰にでも感じられるものではなくて、上にも述べた通りその人たちの想いを知っている人にしかわからない。それもただ知ってるだけではなくて、その想いを受け止める気がある人間だけだ。


今年都一部昇格という大きな置き土産を残して引退してくれた四年生はもちろん、入部してから関わってきた多くの先輩方から自分はたくさんの想いやメッセージを受け取ってきた。それは直接言葉で言われることもあるし、まさにこのfeelingsを読んで感じ取ることもあるし、プレーで教えられることもある。


2年前都一部から降格が決まった後の練習後に、「良い選手揃ってるしお前らの代なら関東も狙えるから。」と夢を託してくれた先輩。サッカーをやってきた人間なら大切なことはサッカーから一番深く学ぶことができると教えてくれた先輩。サッカーの面白さと奥深さを改めて思い出させてくれた先輩。男なら負けることに決して慣れてはいけないと口でも背中でも伝えてくれた先輩。




1年のときには多くの時間をサッカーに割かれることに嫌気がさして辞めることを考えた時期さえあったが、今はこうしたたくさんの人との関わりを通して、心に淡青の炎を灯してもらった。誇りを持ってこのア式という場所に向き合えるようになった。



だから3年ぶりに都一部に臨む来季、選手としてのラストシーズン、残留という目標を立てることは容易いが、やはり自分は関東を目指したい。こと関東昇格という東大ア式の悲願に対しては、もう何十年もの間成し遂げられず、それこそ何百人の先輩方が涙を流してきた。どれほどの遠い場所にその目標があるかはやってみなければわからない。だけど俺らのユニホームの左胸には、2枚の銀杏の葉と共に100年分の想いがこもっている。簡単に敗れる訳にはいかない。


そしてもう一つ、左胸の銀杏にこもる想いを受け止め、心に淡青の炎が灯った人間にはやるべきことがある。それはかつて多くの先輩が自分にしてくれたように、今度は自分が、残された1年で、同期に、後輩に、そして今は高校や中学で文武両道で頑張っている未来のア式部員に、情熱の淡青な炎を移すことだ。もう同じ炎を灯してくれている人もきっといると思う。そんな人たちへ、周りにまだ燃え切れてない仲間がいたら、来年新入生がア式に興味を持ってくれたら、その炎を分けてあげて欲しい。同じ想いを持つ仲間が多ければ多いほどきっと強いはずだから。一緒に頑張ろう。





負けそうになったら 勇気は左の胸に



3年 主将 松坂