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勝つために

池戸祐輝(2年/プレイヤー/開成高校) こんにちは。文科一類2年の池戸祐輝です。1年生の1月というかなり遅いタイミングでプレーヤーとして途中入部をしました。 ア式に途中入部するプレーヤーはあまり多くないと思うので、自分がなぜ入部を決断するに至ったのか、また今のところどのような思いで部活動に取り組んでいるのかについて記したいと思います。自身の備忘録としてはもちろん、過去の自分のようにア式への入部を躊躇している人にとって役立つものになればと思っています。(受験生とかでもfeelingsを読んでる人意外と多いと思うので) まず、入部の理由について。 一言でいえば、サッカーがしたくなったから。 大学生になって、持て余しても余るくらいの暇ができて、よくある大学生らしい生活をしてみたけれど、あんまり楽しくなかった。大学での勉強とか、クラスやサークルでの人間関係とか、バイトとか、どれもそんなに楽しいと思えるものではなくて、こんな生活を 4年間続けるのはさすがにしんどいなぁ、て夏休み前ぐらいには思っていた。 それに加えて、自分は小さい頃からサッカーをやっていて、ずっとサッカーが好きだった訳だけど、もっとサッカーを楽しめたんじゃないかっていう後悔を、大学に入ってからも心のどこかで感じていた。今まで所属していたチームでは、練習も緩かったし、自分自身も体のケア・筋トレ・戦術など、試合に勝つことを目標に据えた「球蹴り」以外のアプローチを一切やってこなかった。サッカーの試合には必ず勝ち負けがあって、試合に勝つからサッカーは楽しいんだっていう当たり前のことを全然意識せず、漫然と球蹴りばかり に時間を空費していた。なので、勝負にこだわるからこそ得られるサッカーの楽しみを、ちゃんと味わってみたいと思ったし、ア式という環境はその為にはぴったりだと感じた。 次に、最近のア式生活について。 上に書いたような理由でア式に途中入部したので、結果にこだわるとか、目の前の勝負にこだわるとか、そういうサッカーの本当の楽しみの部分からは絶対に目を逸らさないようにしようと固く決意していたのだけれど、いざ入部してみると、自分のレベルがあまりにも低いと痛感した。球際勝とうと思ってるつもりなのに勝...

人間は考える葦である

水木 郁士(2年/テクニカル/高岡高校) 2025 年 6 月某日。入部から 8 か月。 feelings の締め切りが近づき、パソコンと向き合う時間が増えた。これまで自分の思いを文章にすることがなかった私にとって、何を書けばいいのか分からず、筆が止まり続けた。けれど、この機会に一度、自分のサッカー人生を振り返り、「なぜ今ア式にいるのか」、「なぜ“考えるサッカー”にこだわるのか」を言葉にしてみたいと思う。  私は富山県砺波市出身。年中からフットサルを、小学 2 年生からスポーツ少年団でサッカーを始めた。所属していたチームは正直言って弱く、負け慣れてしまい、悔しさを感じなくなっていた。一方、選抜チームのトナミサッカーアカデミーに入ったときは違った。合宿での高揚感、勝利の味、そのすべてが今も記憶に残っている。  「もし強いチームにいたら、今もプレイヤーとしての道を進んでいたのか?」そんな問いがよぎったこともあった。しかし、負けの中で育ったからこそ、私は「なぜ勝てないのか」や「勝つチームはどんなチームか」を考えるようになった。それが私の原点となった。  中学時代は、私にとってサッカー人生の大きな転換点だった。顧問の先生が来てから部は強化され、私の入学時には県大会上位に入るようになっていた。戦術的には 4-1-4-1 が多用され、サッカーの原理・原則が教え込まれていた。それまで感覚だけでプレーしていた私は、「考えてプレーする」ことの重要性に衝撃を受けた。  この頃から私は、育成年代の指導者となって、「考えてサッカーをする」こと、「サッカーは〈知性〉のスポーツである」ことを子どもたちに伝えたいと思うようになった。    さらに、一つ上の先輩にはその後富山第一高校で 1 年生から選手権に出場し、 3 年次には 10 番を背負う選手がいた。彼の放つ 20 ~ 30m のパスをピンポイントで受けた感覚は、今でも忘れられない。  さて、私自身はと言えば、本職 SH 、サブポジに SB ・ FW ・ OMF 。特徴は足が速く、体力はあるが、足元の技術は凡庸。要するに、身体能力に頼る少しサッカーが分かる程度の平凡な選手。ほとんどが先輩で構成されていたメンバーだったので、 2 年でベンチ入りできるかできないか、 3 年でスタメン格になるパターン。ポジションを見ても「便利屋」的な立ち位置だっ...