僕も一つ引き出しを開けてみた




僕の尊敬する藤山くんのfeelingsによると、「音楽」や「場所」は、記憶の引き出しを開けるトリガーとなって、過去を鮮明に、そのときの感情まで伴って思い出させてくれるそうです。さすが藤山くん、気の利いたfeelingsを書きます。藤山くんの引き出しに脱帽です。







高校時代からこの部員ブログを愛読していた僕にとっては、feelingsもまた、過去の感情を思い出させてくれるものです。昔の記事を読むと、東大に入ってア式で活躍することを思い描いて受験勉強していたころの記憶がよみがえります。

今でも「トレード・オフの打破」を読むと、現役のときの合格発表の後、駿台予備校への入学が決まったときの苦々しい気持ちが思い出されます。









僕が初めて実際に東大ア式のサッカーを観たのは、神戸で浪人をしていた201483日、京都で開催された京大戦のときです。HPで京大戦の存在を知った僕は、単調な夏休みを彩る一大イベントとして、ア式の試合を観に行こうと、京都への小旅行を計画したのです。この日のことは、不思議なくらい今でも鮮明に覚えています。










英語の参考書をかばんに放り込んで、朝早くに電車に乗って、はるばる京都まで出かけました。試合と試合の間の時間はグラウンドの外で英語の勉強をしつつ、三軍戦から一軍戦まですべての試合を観戦しました。







午後からは激しい雨が降ったのですが、天候のことが気にならないくらい、僕にとっては楽しい一日になりました。ピッチを駆け回る「東大生」の姿は、「浪人生」の僕からは、本当にまぶしく見えたのです。左サイドから切り込んで右足で決めた輕部さんのシュートも、添田さんの雨中の超絶ループシュートも、はっきりと目に焼き付いています。



一進一退の攻防が続く中、一軍戦の終盤に投入された彼の姿も忘れられません。ピッチに入るやいなや、彼はスピードで左サイドをぶっちぎり、左足で強烈なシュートをファーサイドに放ちました。シュートは惜しくもポストをかすめて枠を外れましたが、会場入り口のテントでもらったメンバー表に目を落とすと、なんと彼は一年生。自分と同い年で、こんなにすごい選手がいるのかとびっくりしたのを覚えています。そんな彼と、今一緒に育成でプレーしているのはなんだか感慨深いものがあります。さっさとリーグ戦に出場して、点を取ってほしいものです。











僕の心を躍らせたあの京大戦からもうすぐ3年が経つわけですが、今僕は育成チームでプレーしており、公式戦を戦うAチームには実力がおよんでいません。同期や後輩のプレーを見て、「中沖すげー!」とか、「白藤うめー!」とか思っている自分の現状を思うと、3年前からあんまり成長していないようで非常に情けないのですが、今回はそんなことはおいておきます。







現在チームは東京都2部で22敗と、開幕から苦しい戦いが続いています。ピッチの脇から応援しながら、試合を戦う選手の顔を見ると、心なしか表情に余裕が無い印象を受けます。


「このメンバーやったら絶対もっといいサッカーできるのに!」


これが、外から公式戦を眺めている一選手としての近頃の率直なfeelingsです。試合を戦う選手には、もっとのびのびとサッカーをして、実力を存分に発揮してほしいです。何も恐れずに、勇敢に試合を戦ってほしいです。そうすれば、きっと結果がついてくると思います。このチームなら絶対勝てます。







今日は、御殿下を訪れた未来のア式部員の目を輝かせるような試合をしてやりましょう!







サタデーの勝利でチームを勢い付かせたい
3年 佐俣

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