趣味のススメ

大学から始める趣味は“競争性”のないものにしようと決めていた。
11人のレギュラーへ、隣より0.1秒でもはやく、相手の意図を外して有利に……。
たしかに努力の末に、戦略性や体格で敵を倒す快感は最高で、だからこそ大学でもア式を選んだ。

けどそれと同時に、オンの状態だけでなくオフも楽しみたいという気持ちがあった。
例えばピアノはオフの趣味で、楽譜通り弾ければ楽しいしクラシックでない限りはアレンジも自由だった。
ただ、その自由さの追求の幅はひとりでは狭いと思う。せいぜいトリルやグリッサンドを入れるくらいが限界で、ジャズ風にしたりほかの楽器を足すのはハードルが高すぎる。オフで楽しめるような次元をはるかに越えてる。
そこでもっと手軽に発想力や創造性を生かせる趣味を探した結果、カメラを始めることにした。
4年間で撮った試合は約90ほど、最初はボールに釣られていたのが徐々にフレームの中でボールをコントロールできるようになった。好きな写真は一貫して“物語を感じる写真”で、それは情報量が多ければいいのではなく見てて想像をかき立てられるものだ。クロード・モネやフェルメールなどの印象派の絵画はまさにそれで好き。
試合中だとどんなシーンが好きかというと、セットプレーの競り合いは好きだ。後期のvs武蔵@國學院のck守備のやつとかは気に入ってる。一瞬にたくさんの選手の表情が出ていて、西洋の絵画(宗教画など)でよく見る、それこそダヴィッドの“ソクラテスの死”のようなドラマを感じる。
最後のfeelingsというわけで、あとはいろいろと好きなもの紹介をしようと思う。最初に書いたfeelingsでは“好きなアニメベスト7”とかを紹介して、当時ほとんど喋ったことのない先輩とも話す機会が増えて他のおすすめも貰え嬉しかったのを思い出し、好きなものを共有するのは楽しくてまた新しい楽しみに出会えるのもいいなと考えた結果だ。
・カメラ
スマホ画質の進歩で、SNSレベルだと一眼との区別が付かないくらいだが、それでもカメラは持ってていいもんだ。
空前のフィルム・インスタブームに後押しされていろんなひとがカメラを始めているが、買うにも失敗できない値段でかつ知識不足の状態からだと思うので個人的なおすすめをする。
・OLYMPUS penシリーズ
軽い、安いの手軽さに加えて、このカメラを被写体にしてるひともちょくちょく見るくらいおしゃれ。フィルム風が好きなら間違いない。ミラーレスの性能気にしてる人は多いけど、オフの趣味でかつ人間の目からすればごついやつと大差ない。
・FUJIFILM x-E3
大好きなFUJIFILM、フォルムもLeicaチックでなにより色味が素敵(青が綺麗)。Canonの青は写実的な一方、ここの青はジブリの空みたいに懐かしく夏のクソ暑い日でも持ち歩きたい(ミラーレスなら軽い)。予算にもよるが中途半端に安いのにして壊れて後悔するくらいなら15年先も使えるやつの方がいい。レンズは単焦点の35mm(APS-C換算で実際は53mm)がなんでも撮れて優しそう。
・instax square SQ10
アイドル握手会でよく見るようなチェキカメラが現代風に進化したやつ。撮ったその場で現像できるのはもちろん、プリントアウトするものを選べてフィルターも着せ替え可能と万能すぎる。昔のフィルムカメラが好きな人は多いが(えもいから?)いざ始めるとほんとにしんどい。12枚しか撮れないし撮っても現像出すまで見れないし軽い気持ちでやると挫折する。
このカメラは現像できるのは10枚なので、デートとか友達との旅行帰りに選びながらきゃっきゃできる。10枚繋げてひとつのストーリーにするのもいいと思う。SNSに無限にアップするのもいいけど、こういう思い出の残し方もいいなと思った。
ちなみに、どんな人から影響を受けているかというと、作風は岩倉しおりさん。写真への向き合い方や考え方は濱田英明さん。
そして将来の目標は世界一家族を幸せに撮れるひとになること。
・ファッション
“イギリス×クラシック”が好きすぎて、持ってるものも何かしらそれにルーツがある気がする。たぶん初めてのヨーロッパ旅行がロンドンで印象深かったのが影響してる。
ただアホみたいに高いやつばっかなのでポパイで紹介されてるやつを眺めて楽しむのが精一杯。
・Reebokのクラシックスニーカー
ニューバランスのスニーカーでいいやつはビックリするくらい高い。ABCマートに置いてあって好きなの探していたらぴったりなのがあった。白スニーカーだから汚れやすいけど、意外にもギャッツビーで拭き取れる(傷んでるかも)。一日中履いてても疲れないし大好き。
・LEVI’S 511
10年前くらいのトリビアの種で、1番破れないジーパンになってたLEVI’S。一生履けるデニム1本くらいあるといいなあとポパイに影響されて買った。新宿で試し履きしてアウトレットで買うのが丸い(3000円くらいで買えた)。
501が有名で種類が多すぎて違いがよく分かっていないが、まだ体格変わる可能性あるしストレッチ素材の入ってる511にした。色あせたり変化してくのも味だと思って楽しめるからデニムは好き。
定価よりオトクに買えるのが嬉しくて、株主セールやらヤフオクからフリマまでいろいろ試したけど、中古サイトが案外楽で安かった。最近の中古サイトは、CtoCのサービスより管理がしっかりしていて、どこの部分がほつれてるとか汚れがあるとか写真付きで書いてくれて、猫の毛が付いてるだけで9割引きみたいなこともあるからおすすめ。
あとは今欲しいやつ。
・GROVERALLのダッフルコート
たしかひとつ上の先輩が着ててかっこいいなあと思ってたやつ。日本人体型にトレンチコートの形は似合わないと某が体張って証明してたし、ダッフルはフード付いてて子供っぽく見られそうだけど、本家のデザインならそんなことなさそう。
真冬のコートで一番嫌なのは“重い”ことで、とくにヴィンテージ好きで古着なんかネットで頼むと1日着てるだけで肩こる。
その点ダウンジャケットはもこもこしてて軽くて暖かいからよかった。ジャケットタイプなら体型気にしなくていいし。
GROVERALLは元々世界大戦の頃の余った軍服を回収して大衆に販売した?とかの背景があってデザインのルーツも素敵。
アウターくらいイイヤツ着たい。
・PORTERclassicのリュック ニュートンモデル
PORTERのカバンはわりと有名で、そこから日本人デザイナーの方が派生させたブランド。
エナメルバッグとか片側の方にかけるバックは姿勢が歪むという話聞いてからリュックにこだわるようになった。
リュック買うとき気にするのは、“容量”、“見た目”、“機能性”で、特に大量の小物入れてる身からするとポケット多いとわくわくする。社会人なって普段使いできるデザインも嬉しいけど、このリュックはまさに両刀使い。
そして一番すごいと思ったのが、ありえないくらい軽い。肩にかける部分のクッション素材が革新的らしく、6キロのダンベル入れられても全然重さを感じなかった。いつになるか分からないけど絶対買う。
・映画
・タイタニック
初めて見たときは居酒屋で、サイレントだったけど泣きそうになるくらい感動した。ディカプリオかっこよすぎる。
氷山ぶつかってからが本番で、沈んでくなかで船員も客も皆いちいちかっこいい。特にオーケストラの方々とブランデー注文してたおっさん。生きるのが絶望的になったとき、泥臭く抗うのもかっこいいし、あんな風に誇りを守るのもかっこいいなと思った。
・音楽
大学入ってから聞く音楽の幅がぐっと広がった。たぶん、浮世離れしてるひとから地に足付いてるひとまで、“かっこいいな”と思える人がたくさん増えてきたから、どんな音楽好きなのか気になったのがきっかけだ。なので大学入ってからハマったアーティストを。
・きのこ帝国
“えもい”という単語がヤバいと同じくらい汎用性高くなり、いろんなベクトルで使われるようになったけど、一番このアーティストの曲が身近に感じる。とくに「桜が咲く前に」や「ロンググットバイ」はぐっとくる。バンドでいえば相対性理論もLUNKHEADもアンダーグラフもbacknumberもビートルズもBon・JoviもミスチルもRADも、スチャダラパーとかクリーピーナッツのラップ調も皆好きだけど。
・Alan Walker
EDMを聴き始めたのはほんの最近で、Aviciiとか聴いてたときにおすすめしてもらってハマった。中高はNightcoreという洋楽をテンポよくリミックスしたやつが好きで聴いていたけど、この人の曲は短調で切ない部分もありつつ盛り上がるからどんな気分でも聴ける。目覚ましは“All falls down”だ。
・haruka nakamura
歌う人が生身の人間じゃなくてもよくて、歌わない曲も全然いいと思う。元々クラシックはショパンやドビュッシーが好きで、いまのひとだと久石譲や坂本龍一。
この人の曲は即興演奏に近く、ライヴにいったときは音楽が創られる瞬間に立ち会ったような感覚だった。1音1音が遠く夢の中に連れてってくれるので寝る前によく聴いてる。おすすめは“八星”。
ア式の4年間でいろんな立場に立って、いろんなことを見聞きして行動に移してと、この先数十年のなかで必ず活きる経験が積めました。ありがとうございました。
これからもポンのストーリーお楽しみに!!
4年 増田伶

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