現状分析

田中瞳(1年/DF/熊本高校/女子部)

まず最初に、1つ宣言をしておく。
私に、サッカーという競技は向いていない。

小学生のときは、何も考えていなかった。6年間、週に1回のサッカーを続けたが、楽しいとも辛いとも思った記憶がない。ただ、ピアノが好きで、3歳からずっと続けていたから、習い事をやめるという選択肢を持っていなかったのだと思う。

中学生になって、サッカーはやめた。所属していたクラブが小学生までのところで、部活はソフトテニスをやると決めていたから、わざわざ別のクラブを探す必要がなかった。

中学生活は、一言で言えば地獄だった。

まず、部活が楽しくなかった。小学生のときにはフランクに話していた先輩に急に敬語を使わなければいけないのが嫌だった(本当に申し訳ないことだが当時私は先輩のことを尊敬していなかったから)し、毎日練習があるのも、習い事(つまりピアノ)より練習が優先なのも不服だったし、ただ好きで早く行って準備していただけなのに、なんでも一人でやろうとするなと怒られたのもむかむかした。

そしてこの部活で、私は「ミス=必ず怒られる」という意識を身につけた。
ミスを恐れて、何をするにも緊張するようになった。

更に、2歳の頃から一緒だった幼馴染に、細かい経緯は省くが私という人間を否定され(彼女にその気はなかったのだろうから彼女がこのfeelingsを見つけないことを祈っている)、鬱病になった。学校には無理矢理行っていたが、まともな精神状態ではなかった。
自信と自己肯定感を失った。

高校には、視野の広い人がたくさんいて私を受け入れてくれたし、人生で最高の恩師(まだ19年しか生きていないがこれからも最高であり続けると断言できる)と出会ったから、少しずつ苦しみや自己肯定感の低さを頑張りへと繋げられるようになった。だから、高校はもう本っっっっっ当に楽しかった。ブラック企業みたいな部活にも入っていたけど、それさえも楽しかったし、中学時代のトラウマは大抵笑って話せるようになった。

それでも、「役に立たないならば自分は存在してはいけない」という思いは、今も私の根底に流れている。

前提条件の説明が長くなったが、要するに私は、ミス、特に他の人にまで影響を及ぼすようなミスにそれはそれは弱いのだ。

だから私に、サッカーは向いていない。

それでも私が入部することを選んだのは、ア式に「ここならきっと大丈夫だ」「ここで頑張りたい」と思わせる、温かい雰囲気があったからだった。

ミスしても怒らない、できているところを見つけて褒めてくれる、ありがとうが絶えない、そして、絶対に誰か一人を置いていかない。

それで、2回ほどの体験練習で、さっさと入部を決めたのだ(先輩方には大いに驚かれたが)。

これから先も、私のトラウマはきっと消えないし、失った自信をすっかり取り戻すのに、どれだけ時間がかかるのかなんて想像もできない。ミスるたびに吐きそうになるのも、少なくともしばらくは変わらないだろう。

でも、そんな自分でも楽しくサッカーができる。その可能性を、私は諦めたくない。

先輩方、同期のゆか、藤岡さん、これからたくさん迷惑をおかけすると思います。みなさんが思っているより数百倍めんどくさい性格です、私は。それでも、「ごめんなさい」「すみません」より、「ありがとう」の方をたくさん言えるように、自分なりに頑張ります。だからどうか、よろしくお願いします。

田中瞳

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