再びピッチに立つ日まで

後藤鞠子(1年/MF/立教女子学院高校)


この度、ア式蹴球部女子部に入部しました、後藤鞠子です。

入部から約2か月経った今の思いをここに綴らせて頂きます。




正直なところ、私のア式デビューはほろ苦いものでした。この2か月、ピッチに立った記憶はほとんどなく、先週コーチにも「お前がボールを蹴っているところを見たことがない」と言われた始末です。中学生時代のクラブチームでプレーして以来、およそ5年ぶりのサッカー生活に意気込んでいた自分をここまで悩ませたのは、怪我でした。肉離れ等で長期離脱を余儀なくされ、練習に参加できない日が続きました。残念なことに、私の怪我は1回で終わらず、1つ怪我を治したら、また違う部位を怪我して、それを治したらまた違う部位を怪我して、、、と終わらない負のループに陥ってしまいました。いつしか見学キャラが定着してしまい、部活に行く度に先輩や同期から私服でいることをいじられるようになりました。部員と仲が深まった嬉しさを感じつつも、練習着で芝生を駆け巡る部員の楽しそうな姿に唇をかみしめる日々でした。球拾いをしながら、ボールを足ではなく手で拾っている自分の不甲斐無さに悔しさを覚え、芝生がぼやける日も何度もありました。練習の帰り道、自身の汗臭さに文句を言う友達の横で、何も汚れていない自分の体が情けなく感じられました。私は今、何をしているんだろう――そんな疑問を自分に投げかけた回数は、数えきれません。




いつも通り、芝生の外で部員の姿をぼんやり眺める私に対して、キャプテンがかけてくださった言葉があります。

「ピッチの外だからこそわかることってあるよね。」

簡単で短い言葉でしたが、それを聞いた時、心の中の黒いもやみたいなどうしようもない苦しさがすーーっと消えていくような感覚でした。プレーできないもどかしさと練習に置いて行かれている自覚によって来る焦燥感から、自分を責め続けていた私の存在価値をつなぎとめてくれたような、ここにいていいんだよと認めてもらったような、そんなあたたかい言葉でした。プレーできない分、外から俯瞰で全体像を捉え、個人と全体のバランスからプレーの最適解を模索し、実際に自分がその場に立った時のシミュレーションを繰り返す。キャプテンの言葉が具体的に何を指していたのかはわかりませんが、自分なりに出したこの答えを全うしたいです。また、これからもその答えを見つける努力をし続け、復帰したときに最高のパフォーマンスができるように、あの時の悔しさは無駄じゃなかったなって思えるように、あともうちょっとだけ見学生活を愛してみようかなと思います。




稚拙な文章でしたが、最後まで読んで下さってありがとうございました。

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