脱能天気

 鈴木爽(3年/FW/洗足学園高校)


Feelingsリレーが始まった。バトンをれねに渡されてから、何を書こうか考えながら今まで卒部していった先輩方のFeelingsを読み漁って感動する日々を送っていたら20日経ってしまった。


皆さんが部活をしながら感じていた思いの詰まった文章を読んでいると、普段から周りが色々なことを考え、悩んでいることを改めて実感する。それに比べて自分はどうだろうか。

去年卒部したある先輩に、「さやかって何考えてるかわかんないって思ってたけど実はあんま何も考えてないよね」と言われたことがある。本当にその通りなのだ。

何かが心の中で引っかかって考えすぎてしまうといった経験はほぼないし、嫌なことがあっても一晩寝たら悩みは和らぎ、また明日からがんばろうと立ち直っている。ポジティブと言ってしまえば聞こえがいいが、問題を根本的に解決しないまま前を向いてしまうという大きな欠点でもあると自分では思う。




今年4月、今まで大きな背中を見せてくれていた3人の先輩がぱっといなくなり、気づいたら3年生にして最高学年になった。授業の方では駒場生活とは打って変わって、進振り先での実験が本格的に始まった。


部活にかける時間、プレーのことを考える時間が減っていった。貴重な火曜のア式練に必修の授業で遅刻するようになった。同じことをできるようになるのに人の何倍も時間がかかる自分は、ほんとは3倍も4倍も練習しなきゃいけないのに。同期が自主練で残る中、レポートを言い訳に帰った日もあった。みんなはどんどん上手くなっていった。自分は取り残されていた。



そんなんで迎えた双青戦、いいプレーができるはずがなかった。初めて試合で泣いた。

このままじゃだめだ、変われない、置いてかれるという違和感はずっとあった。いくらでも出来ることなんてあったのに、色んなことを言い訳にして変わろうとしなかった。自分の悪いところが出たと思った。

もちろん試合の結果も悔しかったけど、それ以前に自分の不甲斐なさにがっかりした。



オフに入り、入部以来初めて自分の部活への向き合い方について長期間考えを巡らせた。変わらなければいけないけど、あと1年半で自分にできるのか不安になり、退部という選択肢も正直浮かんだ。

だけど、双青戦後に泣いてる自分に前向きな言葉をかけてくれた同期をこれ以上失望させたくなかったし、ここで諦めたら自分は一生楽な方に進み続ける人生を送るんだろうなと思った。



9月、変わると決めた。やるからには残り1年、全力を尽くす。チームとも、自分自身ともことごとく向き合い、考え抜く。


全体的に暗い文章になってしまったが、どんなに下手でもわたしは結局サッカーが好きなのだ。あんなに落ち込んだ双青戦の次の日でも、高校生とフットサル大会をしたのはとても楽しかった。ア式に入ったのは間違った選択だとはやはり思えない。


引退の日、大好きな同期と後輩と笑い合えるまで、後悔が残らないように。もう立ち止まっている時間はない。

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