突き進むのみ

林健吾(3年/テクニカルスタッフ/順天高校)


はじめまして、今年度から東大ア式蹴球部のテクニカルスタッフ所属になりました林建吾と申します。今年度からの入部ではありますが、私は現在上智大学に在学している3年生ですので、他の1年生たちとは違い活動期間はわずか2年ということになります。もっと少ないかもしれませんね。実質的にはほぼ1年といったところなのでしょうか。

 

同じリーグで戦っている自分の大学を平気で裏切った私ですが、そんなことなど考える暇もなく、入部までに至りました。入部までの経緯ですが、きっかけは本当に突然訪れたように思います。私と同じ大学かつ同じ学部の友人が(当人はひねくれ者なのでどう思われてるか知りませんが)高口氏と知り合いで、二人を通じてア式を紹介してもらえることになったのです。わずか数日というスパンで話が進んだので、自分でもびっくりでしたが、初めて高口と(一応佐藤氏も)一緒にzoomで顔合わせをし、ア式の話を聞いたときの喜びといえばもうそれは、言葉にすることが非常に難しい。対戦相手の分析とスカウティングmtg、練習の撮影、動画編集ソフトの利用やWyscoutの利用。自分がこれまでやってみたかったことすべてが詰まっていて、zoomを終えた後、隣で寝ていた愛犬に「おい!やべえぞ東大!」と思わず叫んでしまい、起こすなと吠え返されてしまいました。

 

もっと早くこの東大ア式の存在に気付けばよかったと、本当に後悔しています。入部してからすでに2カ月が経ちましたが、未だに驚かされること、新たに学んでいることばかりです。

 

これまでの大学生活2年間で、私は自分なりに独学でサッカー戦術知識を積み上げてきたつもりでした。今まで全くしてこなかった読書という作業を行い、その知識をもとに戦術ノートを作り、試合を自分なりに分析する。答え合わせはYouTubeに上がっている動画や解説を通して行っていました。

 

しかしこれらの作業を通して見えたサッカーは、全体的にどこか抽象的でした。分析といっても、どこかはっきりしないというか、半端に試合をかみ砕いている感覚。ピッチ上で全体的に何が起きているのかは理解できていても、結局どうしてこうなったのか、ああなったのか、いまいち納得しきれていない自分がいました。データでそれが解決できるかもと、一時期はデータを用いて試合を振り返ったりもしましたが、そもそもデータの見方が曖昧だったのもあり、なおさら頭は混乱しただけでした。

 

それがここア式に入ってから、個人戦術やより細かい部分での見方を学んだことで、段々と試合をそれなりにうまくかみ砕けるようになりました。もちろんまだまだ足りない能力や知識、経験は山ほどありますが、少しずつ、少しずつ、また新たな知識や知見を得ていくことで、これまで全体がぼんやりとしていたサッカーが、ようやく部分的に、ちらちら明白に見えるくらいになりました。

 

私は、ワールドカップで日本が優勝できるようにアナリストとして活躍し、日本サッカー界に貢献したいという夢があります。優勝した後どうするのと聞かれれば、さらなる高みを目指し、何十年ぶりという2連覇、さらには前人未到の3連覇に向けて進んでいくのみと答えます。

 

また、私がサッカーを見ている中で1番好きなのは、ゴールでも、アシストでも、どのようなプレーでもありません。スタジアムへと駆け付けたファンたち、テレビの前で固唾をのみ込んで22人の戦士たちを見守る、ファンや視聴者の人たちが、喜んでいる姿です。

 

ある日YouTubeのおすすめに、2010W杯優勝を決めたスペイン代表アンドレス・イニエスタ選手の決勝ゴールを、色々な人が喜ぶ姿を映している動画が出てきました。何気なく再生した私でしたが、動画が終わったころには、これを日本で起こしたいと、本気で思うようになっていました。

 

当然、これが実現するまでには信じられないほど遠く、長く、険しく、つらい道のりが待ち受けています。しかしその先に、W杯優勝を喜ぶみんなの姿が見れるのであれば、そのいばらの道を進むのは本望です。

 

この大きな夢に向かっていく第一歩として、この東大ア式に入れたこと、かかわることができていることを、本当に嬉しく思います。

 

そして、これからの1年、2年という時間を、決して無駄にせず、死ぬ気で歩んでいくことをここに誓い、私のfeelingsを、締めさせていただきます。

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

 

 

 

 

 

 

 

 

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